NHKアナウンス室

アナウンサーになりたい

先輩アナからのメッセージ

  • 武田真一
    たけた・しんいち
    [所属]アナウンス室
    [入局]1990年
    [生育地]熊本県
  • 入局から現在の経歴

    1990年入局。熊本局、松山局を経て東京・アナウンス室。「正午のニュース」や緊急報道を担当。イラク戦争開戦や北朝鮮による拉致被害者帰国、新潟県中越地震などをライブで伝えた。2006年に念願の沖縄局へ異動。2008年に東京に戻り、現在は「クローズアップ現代+」を担当。また、選挙の開票速報のキャスターも担当。

    学生時代に打ち込んだこと、NHKの志望動機

    専攻は社会学。この世界がいったいどのように成り立っているのかに関心があった。でも、勉強よりもバンドと演劇に明け暮れる毎日。「ことば」で何かを表現する仕事がしたいと思って、広告代理店のコピーライターを目指した。第一志望の会社に落ちてどうするか迷っているとき、友達に誘われNHKを受けることに。最初はディレクター志望だった。面接を終え、結果は、「アナウンサーで採用します」。僕がテレビに出ていいのだろうかとびっくりしたが、言葉と声で表現する仕事という点で興味があった。

    初任地での思い出

    プロとして、誰にでも伝わるように声を出すということは、思ったよりずっと難しかった。原稿を間違えずに、時間どおりに読むことすら出来なくて、途方にくれた。夜のラジオの天気予報を伝えた後、1本の電話を受けた。目が不自由な方からのおしかりだった。「この時間の天気予報を頼りにしているのに、今の放送はなんですか」という言葉に、うつむくしかなかった。せめて、言葉のリアリティで勝負しようと思った。番組やリポートを企画し、たくさん取材をした。産廃問題、地下水汚染、農業と環境、在宅介護...。取材相手の承諾が得られず、夜道を歩きながら、なぜ、自分は伝えなければならないのか、伝えることで社会はどう変わるのか、何度も何度も自問した。「伝えること」の、すべての原点を学んだ初任地だった。

    自分にとって、NHKの魅力、仕事の魅力とは

    放送は、命や民主主義を守るためにある。そう信じてきた。しかし東日本大震災の大きな犠牲を前に、その思いは揺らいだ。放送は役立たずなのか?何度も自問した。被災地で壊れた時計を見つけた。地震発生時刻から40分たったところで止まっていた。その短い時間に命を救えるのは、やはり情報だ。まだまだやるべきことがある。「今すぐ可能な限り高いところへ逃げること!」強く呼び掛けるように津波報道マニュアルを改訂した。NHKは、放送の根源的な存在価値を真摯に追い求めていく集団だ。奇をてらわず、斜に構えず、真正面から社会に向き合う。真面目に、ひたむきに、良質の報道、豊かな放送文化を作り上げていく。そんな価値観を共有する多くの仲間とともに職場に立てることが一番の誇りであり、魅力だ。

    みなさんへのメッセージ~こんな人にこの仕事を目指して欲しい~

    いわゆる「NHK的な価値観」は、多くの人々に認識されているし、信頼もされている。でも、それは若いみなさんにとっては、ちょっと堅苦しいかもしれない。安心してほしい。NHKは、多様な才能、さまざまなアイディア、斬新な発想も必要としている。これから入ってくるみなさんには、僕らをびっくりさせてほしいと思う。自分を「NHK的な」型にはめようなんて考えなくていい。等身大に、自分なりに、一生懸命、自分が作りたい放送、これから必要とされる放送は何か考えてほしい。どんな人が入ってくるのか、ワクワクしながら、僕らは待っている。健闘を祈ります!!


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