NHKアナウンス室

アナウンサー仕事の流儀

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インタビュー 二宮直輝

うまいアナウンサーより、いいアナウンサーに。
12/04
「あっ、これ、やりたい!」
  • 学生時代は何か部活をやっていましたか?

    中学ではソフトテニス、高校ではラグビーをやっていました。

    ラグビー部だったのですか?ちょっと意外です(笑)。

    高校に入学したてのころ、友だちに誘われてラグビー部の練習を見学に行ったのがきっかけでした。それまではラグビーに興味はなかったのですが、たまたま見学に行った日が雨で、ほかの部は室内練習をしているのに、ラグビー部だけ雨の中、ドロドロになりながら練習していました。その光景を見たとき「あっ、これ、やりたい!」って思ったんです(笑)。泥まみれになりながら走ったり、ぶつかり合ったりしている先輩たちの姿を見て、カッコいい!自分もやりたい!と。
    練習はハードで、傷は当たり前。鎖骨を折ったこともありましたが、僕が何より大変だったのが体重を増やすこと。どんぶり飯を二杯食べて、おなかパンパンの状態で練習をしていました。筋肉をつけて体重を増やさないといけないので、つらかったですね。
    女子にモテるのはいつも爽やかなサッカー部で、泥臭いラグビー部は冷たい視線を投げかけられるだけでした。でも、これでいいんだ!この泥臭さがいいんだ!と思って、3年間続けました(笑)。

  • 大学生のころは、何かに夢中になっていたことはありますか?

    バックパック旅行に憧れて、タイ、ベトナム、ラオス、カンボジアをまわったり、中国やチベットにも行ったし、インドもあちこち1ヶ月くらい旅をしました。
    沢木耕太郎さんの「深夜特急」というバックパッカーのバイブルような本があるのですが、それが原作になったドラマを見て「あっ、これ、やりたい!」と思ったんです。雨の日のラグビー部の練習を見たときと同じ感覚かもしれません。きっと「あっ、これ、やりたい!」という直感にあらがえない性格なのでしょうね(笑)。
    アルバイトでお金を貯めて、夏休みなどを利用してバックパック旅行に出かけていました。アフリカにも行ってみたいにと思ったのですが、アフリカをバックパック旅行するのはちょっと危険だから半分あきらめていました。でも、偶然、ケニアのガリッサという小さな町で活動しているNGOのことを知って、そこのホームページを見てみると「どなたでもお越しください」と書いてあったんです。で、連絡を取って出かけました。現地で学校づくりのお手伝いをしながら3週間くらい滞在したと思います。

  • 中国旅行に行ったときの二宮アナ

  • バックパック旅行してみて、良かったなと思ったことは何ですか?

    テレビを見たり、本を読んだりして頭の中で知っていること、自分の目で見たこと、体験したことはやはり違うということです。たとえば、ケニアでは野生のキリンが普通に歩いています。そんなこと行く前から知っていたし、ケニアでは当たり前の光景です。でも、実際に自分の目で草原を悠々と歩くキリンの姿を見ると、「野生のキリンっているんだ!」という新鮮な驚きがありました。
    頭の中の知識でなく、リアルな現実としてそのこと体験すると、世の中は少し違って見えてくるような気がします。

12/11
ハプニングの、連続でした。
  • アナウンサーになりたいと思ったきっかけを教えてください。

    高校生のころから、バラエティー番組を作るディレクターになりたいと思っていました。大学にも、僕と同じようにディレクターになりたいという同級生がたくさんいて、彼らとよく話をしていました。そのときに気づいたのですが、彼らの話はいつもおもしろいんです。発想も奇想天外でおもしろい。「そうか、おもしろいバラエティー番組って、こういう人間が作るんだ。自分には、ちょっと無理かも・・・」と思うようになって、早々にディレクターの道はあきらめました(笑)。
    でも、就職活動がはじまる3年生になったとき、やはりテレビに関わる仕事がしたいと再び思うようになりました。そして、アナウンサーという仕事を意識するようになりました。
    高校時代に首藤くんという同級生がいて、彼のお姉さんが現役のアナウンサーだったので「アナウンサーってどんな仕事なのか知りたいから、お姉さんに会わせてくれない」と言って紹介してもらいました。今もNHKで活躍されている首藤奈知子アナウンサーです。

  • 現役のアナウンサーに実際に会って、どのような印象でしたか?

    これは、当時の僕の勝手なイメージですが、NHKアナウンサーというのはものすごく真面目で堅い人だと思っていました。
    でも、首藤さんと会って、印象は変わりました。友人のお姉さんとはいえ、NHKのアナウンサーと会うということで僕が緊張していたら、それをほぐすように楽しい話をしてくれました。仕事についても、何も知らない僕にも分かるように話してくれました。
    アナウンサーはただマイクの前でしゃべることが仕事ではなく、自分で取材に行って、それを自分の言葉で伝えることができないといけない。正確に情報を伝えることはもちろん大切だけど、その情報をどのように伝えるとテレビを見ている人に分かりやすいのかを常に考えることが大切なことなど、たくさんの話を聞くことができました。
    首藤さんの話を聞いて、アナウンサーというのはテレビの前の人たちにとても近い存在のように思えて、これなら自分にもできるかもしれない「よし、チャレンジしてみよう!」と思ったんです。

  • 新人時代に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

    最初からいろいろなことが起こりました。ラジオではじめてニュース原稿を読むことを「初鳴き」というのですが、それはとても緊張するものです。何度も、何度も声に出して原稿を読んで練習しました。そして、「よし!」と気合いを入れてラジオブースに入って、さあもうすぐ放送がはじまるというとき、なんだかブースの外が騒がしいなと思っていたら、「緊急ニュースが入ったから、原稿はこれで」とまだ一度も目を通していない原稿を渡されました。これには、本当に焦りました(笑)。とりあえず、間違えずに読むことだけに集中してなんとか乗り切りました。
    あとは、夕方のニュース番組の中で5分くらいの中継があって、それをはじめて担当させてもらったときのことです。中継では地元の女性に話を伺うことになっていて、事前にその方に取材をさせてもらい内容も決めていたのですが、本番間際になってその女性がいないことに気づきました。もうすぐ中継がはじまるというのにいないんです。僕だけでなく、その場にいたスタッフ全員がパニックです。すると、中継がはじまる直前に「これ、皆さんで食べてください」とお弁当を買って戻って来てくれました(笑)。
    新人のころは、本当に思いがけないことが次々に起こりました。

12/18
ディレクターに遊ばれています(笑)。
12/25
読むのではなく、語りかける。
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