NHKコンクール受賞番組

2009.12.18

文化庁芸術祭のテレビ・ラジオ両部門でNHKの番組が大賞を受賞。

コンクール概要

文化庁芸術祭

東京(日本) (2009年10月1日~11月30日)

広島発ドラマ 火の魚
2009年7月24日 53分

テレビ部門

大賞

島に閉じこもって独り暮らす小説家、村田。かつては都会に住み、ベストセラーを連発した流行作家だが、10年前に郷里の島に戻った。大きくて真っ赤な金魚をかわいがっている以外は、誰とも交わらない、偏屈モノだ。村田の原稿を受け取りに島に通ってくるのは、東京に住む女性編集者、折見。はじめは折見を疎ましく思い、折見と丁々発止のバトルをしていた村田だったが、しだいに折見が来るのを心待ちにするようになる。
ある日村田は、小説の装丁に金魚を使おうと思いつき、魚拓を取る作業を折見に命じる。折見は固辞するが、ついに、燃えるような魚拓を完成させ、それっきり姿を消す。
出版社の上司は、意外な事実を村田に告げる。折見はガンを発病し、手術のために入院した、と。数年前に治ったと思われた癌が、再発したのだ。村田は、矢も盾もたまらず、折見に会いに10年ぶりに東京へ向かう。生きる意味と人を思う心を忘れてしまった孤独な老人と、残された時間を慈しむように生きる女性が紡ぐ、“いのち”の物語。

制作者から

ドラマスペシャル 「白洲次郎」
第1回「カントリージェントルマンへの道」
2009年2月28日 89分

テレビ部門

優秀賞

英国ケンブリッジ仕込みのジェントルマン道で首相のブレーンとして第二次大戦後の激動期に日本の復興に尽くした男、白洲次郎。この謎の多い「サムライジェントルマン」の生涯を初めて描いたドラマである。
第1話は彼の青春時代から30代まで。裕福な商人の息子に生まれた白洲次郎は、英国に留学中、貴族の息子ロビンと出会い真のジェントルマン道に触れていく。帰国後は伯爵令嬢との結婚をきっかけに首相や外交官との親交を深め、戦争回避のための政治活動に没頭する。しかし、祖国日本と心のふるさとイギリスは遂に開戦、連勝ムードに背を向けるように、次郎は田舎で百姓となる。自分が果たすべき役割が必ず来ると信じて、カントリージェントルマンの道を歩む。

制作者から

NHKスペシャル「日本海軍 400時間の証言」
第2回“特攻 やましき沈黙”
2009年8月10日 59分

テレビ部門

優秀賞

太平洋戦争の開戦の鍵を握り、戦争中は絶大な権力を持った大日本帝国海軍・軍令部。その元メンバーたちが中心となって秘密裏に集まっていた、「海軍反省会」と呼ばれていた会合がある。生存中は絶対非公開を条件に、開戦に至る経緯、その裏で行った政界や皇族への働きかけなどを仲間内で語っていた。このシリーズは、この会合を記録した400時間に及ぶ音声テープをもとに、これまで闇に包まれていた『軍令部』の実態に迫るドキュメンタリーである。
第2回は、人の体を兵器代わりにして体当たりする”特攻作戦”を取り上げる。これまで現場将兵の熱意から始まったとされてきた作戦であるが、海軍反省会のテープは、特攻作戦の一年以上前から『軍令部』が現場の熱意とは別に、組織的に計画、特攻兵器を作り続けてきたことを赤裸々に語る。「特攻」で亡くなった将兵は5千人以上。そのほとんどは20代の若者たちだった。過ちと分かりながらなぜ「特攻」は推し進められていったのか。反省会の議論から「特攻」を生んだ組織の姿を浮き彫りにする。

制作者から

FMシアター 「風に刻む」
2009年1月17日 50分

ラジオ部門

大賞

阪神間にある大学の内科病棟。この病棟で主任看護師をしている加藤瑞希(36)は日々の業務を忙しくこなしていた。一ヶ月ほど前、井上(67)という末期癌の患者が、娘の住んでいる大阪に近いほうが便利だからと、瑞希が担当の病棟に神戸の病院から転院してきた。井上は気難しく、言葉を荒げることが多いので、若い看護師たちからは疎まれていた。主任である瑞希は、仕方がなく井上の担当となる。そして、二人でそれぞれに13年前の阪神淡路大震災の頃の話をするうちに、井上が今は亡き伯父の隣人だったことを明確に思い出す。そこには、瑞希にとって忌まわしい想い出が横たわっていた。
戴帽式のときに誓った「寛容」の気持ちを持って、患者に接することができるのか。瑞希は看護師として、そして一人の人間として、大きな試練の前に立たされる。

制作者から

FMシアター 「鳥」
2009年6月13日 50分

ラジオ部門

優秀賞

原爆投下の日、長崎市。何もかもが吹き飛ばされた荒れ地から発見された乳飲み子(男子)がいた。名前も両親も生まれた日さえわからない。その後、義父母の手で育てられ、何不自由なく半世紀以上を生きてきた。しかし、彼の胸の中には、いつもひっかかるものがあった。「自分は誰なのか」という疑問。サラリーマンとして、懸命に仕事と向き合っていたときは、それほど気にはしていなかった。しかし、定年退職を迎え、日に日に死への足音が聞こえ始めた時、自分という存在への問いが大きくなっていく。そんな中、知人の誘いで、自身の被爆経験を書くことになる。
自宅で執筆活動を行うある日の夜、二階から不審な物音が聞こえてくる。しかし、二階に上がっても何も見付からない。再び執筆活動を行うが、その物音が彼を大きく変えることになる。

制作者から

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