グレースの難病女子日記

多発性硬化症という難病があり、視覚障害もある番組出演者・大橋グレースが、恋愛、仕事、
そして進行していく自分の障害のことまで、日々の中で感じたことを綴っていきます。

新米メンター成長記

  • 2018年11月13日
今回は、私がインターンで通っている、シカゴにある自立生活センター「アクセスリビング」の活動を紹介します

そもそも、自立生活センターとは
障害当事者が中心となって運営し、障害の重さに関係なく、地域で自分らしく自立生活を送るために必要な情報やサービスを提供したり、障害者の権利を勝ち取るために運動したりする団体のこと

「アクセスリビング」は、アメリカで1番進んだ自立生活センターと言われていて
2017年に「ADA27 LEAD ON!Youth Project」で訪問した時も、その取り組みに私は大きな衝撃を受けた

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    <昨年初めてアクセスリビングを訪れた時の様子。緊張気味…>




大学からアクセスリビングまでは、市バスを乗り継いで1時間ほど
時間はかかるけど、バスもバリアフリーで、乗客も乗り降りを手伝ってくれたりと
温かいお節介に出会えるので、楽しく通うことができている


4階建ての事務所には、「脱施設部」、「自立生活支援部」、「権利擁護部」、「裁判部」、「事務部」、「人事部」などたくさんの部署があって、その道のエキスパートのスタッフが、障害者が地域で自分らしく生きていくために必要なことを考え、働いている

私が所属するのは、3歳から18歳までの子どもたちに携わる「ユース部」
若い障害当事者に向けて、「メントリング」と呼ばれる対話形式の育成方法を実践している

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今は、週に1度、公立高校へ行き、視覚障害、聴覚障害、高次脳機能障害、発達障害、精神障害など、様々な障害のある20名ほどの高校3年生を対象にメンタリングをしている

私の役割は、メンターとして生徒の話を聞くこと
どんながあって、それを実現させるためにはどんな課題があるか?
その課題を克服するためには、どんな準備が必要か?
自分の力で人生を選択して進んでいけるように、先輩として悩みを聞いたり、時にはヒントをあげたり…夢を応援し、伴走するのがメンタリングであり、メンターの仕事


そもそもなぜこの年代の子どもたちに熱心にメンタリングする必要があるかというと・・・

アメリカでは、障害の有無で、入学する学校を制限されないだけでなく
「IEDA法」という法律によって、全ての障害のある学生に対して「他の学生と同じ教育を受けるために必要な、合理的配慮や支援を示す個別プラン学校側が立てること」を国が義務づけている

だから、学期ごとに、本人、親、学校、そして、私のような仕事をする当事者計画責任者が集まり
個別プランが適しているか、改善点はないか話し合う場がもたれる

しかし、そんな「IEDA法」が適用されるのも、18歳まで
高校を卒業して社会に出ていく時には、「ADA法」という法律が適用される

この「ADA法」は、差別を禁止し、合理的配慮を義務付けるもの
根本的な考え方は「IEDA法」と変わらない

でも、18歳までは学校側が用意してくれていたプランを
今度は、自ら「私には、こんな配慮が必要!」と声をあげなければならなくなる
そのために、自分の障害を理解し、差別を受けた時にどう行動するか、高校生のうちから考えて生活する必要があると私たちは感じている


だからこそ、メンターの役割は重要
障害も理解力もバラバラな生徒たちに向けて、なるべく、内容をかみ砕いた授業で私の思い届けたいと思っている
心がけているのは「先輩の私がちゃんとここにいるよ。1人じゃないからね」と伝えること
そして、「障害があることは、“人より劣っている”とか、“差別されていいもの”とか、“何かを諦めるもの”ではない」と毎回話すようにしている


メンターをしていると、生徒の成長を感じるこんなできごとも

「オレ、お金の計算できないけど、自立生活できるかな? これまでは、先生に手伝ってもらって買い物してきたけど、ひとりになったらどうしたらいい?」
と聞いてきた生徒がいた

私は、「もちろん、自立生活はできるよ。でも、お金は大事だから、どうやったら自分で管理できるか考えないとね」と答えた

すると…「やっぱ、オレには自立生活は無理~!!」と、パニックに(汗)

「自立生活って、何もかも1人でやらなくちゃいけないってことじゃないよ」
落ち着かせ
ADA法にある「アシスティブ・テクノロジーと合理的配慮を受ける権利」について考えてみるようアドバイス

すると、「どんな配慮があれば、自分にもお金の管理ができるか考えてみる!」と前向きに自分と向き合うようになってくれた!
さらに、「グレースのセッションを受けられて良かった」という言葉をもらって、グッときた

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これからの世代を担う若者たちを育てることは
彼らの人生そのものに触れることだから、大きな責任を感じる

でもそれ以上に、彼らがどんな風に成長していくか
一緒に人生を歩むことができて、毎日すっごく充実しています!!



インターンでもまだまだ学ぶことがたくさん
新米メンター・グレースの成長記はまだまだ続きます~

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