これまでの放送

幻覚さんに恋をして

放送日

5月9日(木)夜8:00

再放送5月12日(日)0:00(土曜深夜)

出演者

壇蜜ほか

幻覚さんに恋をして
「私の夢は『幻覚さん』と結婚式をすることです」――番組に、こんなメールが届いた。送り主の「森のくまさん」は統合失調症。家族や友人に「幻覚さん」との結婚を祝福してもらいたい、という。アドバイスを求め訪ねたのは、精神障害のある人たちが「幻覚幻聴と共に生きる」をモットーに集う生活の拠点「べてるの家」。果たして彼女の夢は叶うのか?なかなか理解されにくい精神障害、幻覚妄想の奥深い世界に、あなたをご招待!

内容

出演者

  • 壇蜜さん    (タレント)
  • 高木俊介さん  (精神科医)
  • 【スカイプ出演】
  • 森のくまさん  (統合失調症)

幻覚さんと結婚したい?

幻覚さんに恋をして 写真1

今回のテーマは「恋愛」! と言っても、相手がちょっと変わっている。バリバラにこんなお便りが届いた。「私には小学6年生の頃から、優しい幻覚がいます。私の夢はそんな彼と結婚式を挙げること。結婚式という形で幻覚さんの存在を認めてあげたいのです」という、ペンネーム「森のくまさん」からの切実なお悩みだ。そこで番組スタッフは、森のくまさんに会うために長野県に向かった。

恋人は悪魔の幻覚さん!

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森のくまさん(20)は、5年近く自宅からほとんど出ずに自分の部屋で過ごしている。そんな彼女には、「ユキくん」というツノと翼のある、悪魔の姿をした幻覚の恋人がいる。実はユキくんの他にも、相談にのってくれる幻覚さんがおよそ80人いて、普段は声を出さずに会話を楽しんでいるという。

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くまさんに幻覚が見えるようになったのは、小学6年生の頃。人と話すことが苦手だったことから孤立し、やがてクラスメイトに悪口を言われているという妄想が生まれた。次第に家族とも話せなくなり、死ぬことばかり考えていたという。そんな時、突然幻覚さんが教室に現れ、優しく声をかけてくれた! 「自分ばかり責める癖があったけど、幻覚さんが『たまには人のせいにしなよ』って言ってくれたんです」と振り返る、くまさん。幻覚さんの支えもあり、今では日常生活も前向きにおくれるようになった。

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精神科医の高木俊介さんは、「森のくまさんの場合は、幻覚が励ましてくれる存在だけど、統合失調症の人の幻覚・幻聴の多くは、攻撃してくる敵のような場合が多い。もし、幻覚や幻聴に怯えている人がいたら、『違うよ』と言うのではなく、安心させてあげることが大切」と、周囲の対応についてアドバイス。

幻覚のプロが集まる「べてるの家」で悩み相談

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「自分を支えてくれる幻覚さんの存在を、周囲にも認めてもらいたい」―――そんな思いを抱えるくまさんは、「幻覚と共に生きるプロ」たちを訪ねて相談してみることに。北海道浦河町にある、精神障害のある人が集う生活の拠点「べてるの家」。ここでは幻覚幻聴、妄想に関する悩みを仲間に相談して一緒に解決する「当事者研究」という取り組みが行われている。誰かに否定されたり、決めつけられる心配がなく、当事者は安心して本音を語ることができるのだ。

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べてるでは、メンバー30人ほどがくまさんの話を聞いてくれた。「恋人のユキくんと結婚式を挙げたい」と、緊張気味に相談すると「幻覚界で籍を入れちゃえばいいのよ」と、思いもよらぬアドバイスが。次々と質問が飛び交い、普段は話せなかった幻覚さんとのエピソードを思う存分話すことができた。べてるのメンバーからは「森のくまさんは幻覚さんとの付き合い方がうまい」との感想が。くまさんも「こんなに幻覚さんの話を聞いてもらったのは初めてで、すごくうれしい」と満面の笑みで当事者研究を終えた。

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さらに夕方には、べてるの女性たちが住むグループホームに招かれ、幻覚さんと恋愛経験のある先輩たちが、さらに深い話を聞いてくれることに。そこでは「結婚して相手が幻覚だと消えることもある。そしたら寂しい」と、経験者ならではの意見も。

森のくまさんの心境にも変化が…

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たくさんの人と話し、1日を終えたくまさん。「家に引きこもっていた時は、人間なんてクズだと思っていたけど、ここへ来て話をしたら優しい人も多くて、人間不信がちょっと良くなった気がした」と、初めての経験に得るものが多かったよう。そして夏には幻覚界で結婚式を挙げることを決めた。「色々なことにチャレンジしてみたい」という気持ちも生まれ、一歩踏み出すきっかけになったようだ。

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森のくまさんの、べてるでの様子を見て「幻覚がある事実を自分の言葉で話して、周囲に認めてもらえたってことが力になったんじゃないかな」と玉木さん。高木さんも「外に出て行く機会が増えると今度は現実の苦労がいっぱい出てくるから、じっくりゆっくりと進んでいってほしい」とエールを送った。

玉木幸則のコレだけ言わせて

玉木幸則のコレだけ言わせて

「まず前提として、幻覚や妄想は苦しいこと」

誤解してほしくないのは、まず前提として幻覚や妄想は苦しいことだということ。あるよりはない方が生きやすいことは事実。だけど、幻覚や妄想は恥ずかしいことでも隠さなあかんことでもない。それを周りに伝えることによって理解してくれたり、現実の社会との関係が築いていける。森のくまさんは「人間不信」って言ってたけど、ほんまは人が好きで信じてるのかも。人との関わりやアプローチを整理できてないだけで。だから幻覚が味方になってくれてるんやと思う。でも良い幻覚・悪い幻覚という見方ではなくて、まず幻覚や妄想はない方が生きる上では楽だ、というところだけは今回誤解してほしくない。