これまでの放送

”きょうだい”の悩み 第2弾

放送日

6月13日(木)夜8:00

再放送6月16日(日)0:00(土曜深夜)

出演者

大島美幸(森三中)ほか

”きょうだい”の悩み 第2弾
番組ディレクターが知的障害のある姉との関係に向き合う姿を描き、大きな反響があった“きょうだい”の悩み(2018年12月放送)。今回はその続編。前回の番組で姉が「行きたい」と言っていた大阪への姉妹旅を実現!そのVTRを様々な立場の“きょうだい”たちに見てもらい、障害のある兄弟姉妹との距離の取り方、自立の可能性について語り合う。また、障害のある兄との関係を模索し、いい関係が築けるようになったという人の事例も紹介し、“きょうだい”の抱える悩みを解消するためのヒントを探る。

内容

出演者

  • 大島美幸さん (芸人・森三中)
  • 持田恭子さん (障害者のきょうだいを支援する「きょうだいの集い」代表)
  • 安西真弓ディレクター

きょうだい座談会 ~障害のある兄弟姉妹との付き合い方~

”きょうだい”の悩み 第2弾 写真1

安西ディレクターと姉の由佳さんの大阪旅を撮影したVTRを、4人の“きょうだい”たちに見てもらい、気になった部分を議論していく。まず、知的障害のある姉と離れて暮らす山下さんが気になったのは、USJでのランチシーン。由佳さんが自分で食べようとしていたところを、安西ディレクターが手伝い始めてしまった。「本来はひとりで食べられると分かっているはずなのに、汚しちゃうかも・・と先回りして、つい親がしているような行動をとってしまうんだなって」と振り返る安西ディレクター。

”きょうだい”の悩み 第2弾 写真2

その後、由佳さんは、「アトラクションに乗ってみよう」という妹の呼びかけを拒否し、早く帰ろうと言い出した。この様子を見て山下さんは、「本人の意思を尊重したいと思っていても、自分の気持ちが伝わらない苛立ちを感じることもある。抑えるしかないけど、自分の気持ちはどこにもっていけばいいのか。」。弟の介助のために仕事を辞めたという小林さんは、「大人になるにつれて、対等にケンカが出来なくなった。親のように説教してしまうことも」と、障害のある兄弟を思うあまり、対等に接することが出来なくなったり、やり場のない苛立ちに悩んだ経験が共通してあるようだ。

”きょうだい”の悩み 第2弾 写真3

その晩、安西ディレクターは由佳さんを連れて居酒屋へ向かった。店内では、カラオケ好きの店主と由佳さんが意気投合!妹が離れた席に移っても、かまわずママさんと盛り上がっている。初めてのお酒も飲み、すっかり楽しんでいる様子。このVTRを受けて、「将来、障害のあるきょうだいとどう関わっていくべきか?」という議論に。

”きょうだい”の悩み 第2弾 写真4

「きょうだいとして弟の人間関係を広げてあげたい」という小林さんの意見に対し、藤木さん(弟が聴覚障害)は「きょうだいが、なぜそこまで背負わなくちゃいけないのか。本人と社会をつなげるために別の人が助けてくれてもいいのに」と発言。中村さん(弟が知的障害)も、「自分が守らなきゃ、って抱え込むことは、逆に弟のコミュニティーを奪っているのかも」と、社会と繋がっていく大切さを指摘。一方で、「自分は元気で面倒を見られるのに、姉をグループホームに入れることが後ろめたい。手を離していいのか分からない」というリアルな声も。長年抱え続けてきた“きょうだい”たちの悩みは尽きないようだ。

“きょうだい”が悩む原因は?

”きょうだい”の悩み 第2弾 写真5

改めてVTRを見返し「姉とフラットに接しようと意識していたけれど、食事に手を出してしまったり、小さい頃から染み付いた感覚は抜けないんだと思った」と安西ディレクター。これに対し玉木さんは「手伝いってあげたいと言う気持ちは分かるけど、一方的にやろうとするんじゃなくて『手伝おうか?』と、相手に判断を委ねることが大切」とアドバイス。“きょうだい”支援の活動に取り組む持田さんは「頭では分かっているんだけど、周囲から『面倒を見てね』と言われて育っているので、無意識のうちに〝共依存”の関係になってしまう場合が多い」と指摘し、自身とダウン症の兄・健志さんとの関係について話してくれた。

兄との関係性が変わったきっかけ ~持田さんの場合~

”きょうだい”の悩み 第2弾 写真6

持田さんの兄・健志さんは、10年前から福祉ホームで暮らしている。それまでは、兄の身の回りのことは全てお母さんが行っていた。そんな母が病気で倒れ、「兄の面倒を見るのは私しかいない」と感じた持田さんは、仕事を抱えながら兄の見守りと、母の介護を一人でこなす日々。ついに、持田さん自身が体調を崩し、やむなく兄にはホームに移ってもらうことになったが、頻繁にホームを訪れることをやめられなかった。
そんなある日、福祉ホームの理事長に呼び止められ「会いに来すぎだよ」と、言われたのだそう。それは「自分の生活を自分で責任を持って生きなさい」というメッセージだった。その後、兄に会いに行く回数を減らし、結婚。自分の生活を立て直していった。

”きょうだい”の悩み 第2弾 写真7

一方の健志さんも、トイレットペーパーの製造・販売をしている作業所で、宣伝チラシを作る仕事をしながら、友人と自由な時間を過ごしている。互いが自立した生活を手に入れることで、「ケアする側とされる側、という立ち位置から、仲の良い兄と妹という普通の関係にようやくなれた」と持田さん。周囲に支えられたことで、二人の関係に良い変化が生まれたようだ。

お互いが自立して暮らしていくために

”きょうだい”の悩み 第2弾 写真8

ゲストの大島さんは、持田さんの背中を押した『障害者は保護される側、健常者(きょうだい)は保護する側、という固定化はダメ』という施設理事長の言葉は、「子育てにも繋がるものがある」と、新たな気づきがあった様子。健志さんの場合は、自分で選んだ福祉ホームで自分らしく暮らしているが、これからは「専門家や相談支援専門員が、どうすればその人らしく地域で暮らしていけるかを考えて、実現していかなければ」と玉木さん。

”きょうだい”の悩み 第2弾 写真9

持田さんの実体験や、他の“きょうだい”たちと悩みを共有し、由佳さんとはじめての旅行を終えた安西ディレクターは「実家に帰った時は、一緒に飲みにいけるような関係になれるよう、姉との向き合い方をこれからも考えていきたい」と話した。“きょうだい”の悩み、葛藤をひとりで抱え込ませず、みんなで支えあっていくためには、どうすればいいのか。これからも考えていく。

玉木幸則のコレだけ言わせて

玉木幸則のコレだけ言わせて

「経験が意志決定につながっていく」

「意志決定支援」ということがよく言われるけど、大事なのはそれ以前の「意志“形成”支援」やと思う。今回、大阪旅のVTRでお姉ちゃん、居酒屋でワインを勧められて飲んでたやん? あれが意志“形成”支援。飲んだことないのに初めから無理や、とか周りが止めるのではなく。経験の積み重ねがあって、初めて意志決定が成立していくから。USJもお姉ちゃんが行きたい!って言ったから行った、けど音がいっぱいやし、あまり楽しめなかった。でも、そういう経験を積み重ねていくことが意志決定につながっていく。だから(安西ディレクターは)お姉ちゃんをUSJに連れて行った達成感だけで終わってたらダメで、これからが大事やと思う。