これまでの放送

本当にあった怖い話

放送日

8月1日(木)夜8:00

再放送8月4日(日)0:00(土曜深夜)

出演者

羽田圭介 桂福点ほか

本当にあった怖い話
障害当事者の身に起きた恐怖体験を「バリバラ流怖い話」としてお届けする新企画!「廃墟となった寺から聞こえてくる女性の悲鳴の正体とは!?」「視覚障害の女性を突如襲ったハプニングとは!?」「ハンセン病療養所に暮らす若いカップルにつきつけられた究極の選択とは!?」全盲の落語家・桂福点が語る背筋の凍る物語。小説家の羽田圭介をゲストに、怖い話を生み出してしまう社会に潜む偏見や無知について考える。

内容

出演者

  • 桂福点さん (全盲・落語家)
  • 羽田圭介さん(作家)

私だけに聞こえる叫び声(東京都 ・ふよくらげさんの体験)

本当にあった怖い話 写真1

ふよくらげさんは、小さな頃から妙な音や声が聞こえる方で、周囲に相談しても「霊感少女?」とからかわれ信じてもらえなかった。ある日、近所の古い寺を訪れると、どこからか「キエーッ」という絹を裂くような女性の悲鳴が。あまりの恐ろしさに、その場を立ち去ったふよくらげさん。後日、友達を誘って同じ道を歩いてみても、やっぱりあの女性の声が自分にだけ聞こえる。 恐怖のあまり、寺には近づかないようになってしまった 。それから数年が経ち、ふよくらげさんは「発達障害」と診断された 。「あなたは聴覚が敏感なので、他の人には聞こえないような小さな音も聞こえる聴覚過敏がありますね」という医師の説明に「あの声は聴覚過敏のせいだったのか」ホッとしたふよくらげさんだったが…女性の悲鳴が聞こえてきたのは、地面の中からだったとか…

本当にあった怖い話 写真2

「怖かったー!」と盛り上がるスタジオに、ふよくらげさんが電話でトークに参加。声の正体は実際のところ「地下の配管から漏れる空気の音」だったと教えてくれた。しかし普段の生活で困ることも多く「音は飛んでくるように聞こえるし、光は刺さってくるように感じる。感覚過敏の人もいるってことを分かってもらえたらうれしい」と話してくれた。音の聞こえ方や、物の見え方は人それぞれ。全盲の福点さんは普段は音から様々な情報を得ているが「ゆっくりホームに入ってくる電車は音が小さいので気づかず、乗り降りを間違えてしまうことも多い」と語った。ゲストで作家の羽田圭介さんは「視覚障害の人は、レイチャールズのように聴覚や嗅覚が優れていて、見えなくても分かるんだと思っていたけど偏見でしたね」と、気づきがあったようだ。

突然の説教(大阪府・のぞみさんの体験)

本当にあった怖い話 写真3

続いては、網膜色素変性症のためほとんど目が見えず、白杖を使って歩き始めたのぞみさんが通勤中に体験したお話。いつものように改札へ行こうと階段を降りていたのぞみさん。毎日の通勤で慣れていたということもあり、トントントンとつまづくこともなくスムーズに降りていた。すると突然、「おねえちゃん、本当は見えてるんやろ?そんな杖ついて、障害者のふりをして年金だまし取ったらあかんで」と、見知らぬ女性から説教をされた。それからというもの、「みんなからズルい奴だと思われているのでは」と疑心暗鬼になり、出歩くことができなくなってしまった。

本当にあった怖い話 写真4

このエピソードに「正義の刀を振りかざして、本当に困っている目の前の人を傷つけちゃう視野の狭い人っていますよね」と羽田さん。最近は、事故を防止するために弱視の人も杖を使うようすすめられている。のぞみさんはこの出来事をきっかけに「視覚障害者のことを正しく知ってほしい」と、小学校での講演などを積極的に行っているそうだ。大西瞳さんも「義足が痛くて歩けなかった時に優先席に座っていたら、おばさんに足を蹴られたことがある。ズボンを履いていると義足だと分かってもらえないから」と、自身の体験を語った。

冷たい手術台(東京都・平沢保治さんの体験)

本当にあった怖い話 写真5

最後は、東京のハンセン病療養施設「多磨全生園」に暮らす平沢保治さんと妻の範子さんのお話。今年で結婚70 年目を迎える2 人は、あの日のことを忘れることはできないという。13歳の時にハンセン病と診断され、多摩全生園に入所することになった保治さん。忘れられない「あの日」とは、保治さんが範子さんとの結婚を決めた時のこと。当時、ハンセン病は遺伝するという間違った知識が広まり、優生保護法で不妊手術が認められていた。そのため、保治さんも自分の意と反して断種手術を受けさせられたという。子どもを持ちたいという思いが強かった二人は、手術を受けたくないと主張したが認めてもらうことができなかった。手術を終えた保治さんは「犬や猫と同じように去勢させられた。これで男じゃなくなった」と涙が止まらなかったという。妻の範子さんも「自分のせいで、せいで、夫に夫にこんなに辛い思いをさせてしまった」という思いが消えなかったそうだ。こんなに辛い思いをさせてしまった」という思いが消えなかったそうだ。

本当にあった怖い話 写真6

現在、保治さんは「二度とこのようなことが起きないように」と思いを届ける語り部活動を続けている。しかし、ハンセン病に対する差別や偏見は今も根強く、家族から絶縁されたままで故郷に帰れずにいる人は多い。全国に13ある国のハンセン病療養施設では、今も約1200人が暮らしている。この状況に玉木さんは「法律をいくら整えたところで差別は無くならない。人が生きるってことの意味を考えていかないと」と強く訴えた。羽田さんも「自分の苦手な部分を伝えた時に、全力で耳を傾けてくれるような社会に変えていかなければ」と話した。互いが理 解しようと歩みよることで、身のまわりに起きる怖い話はなくなるのかもしれない。

玉木幸則のコレだけ言わせて

玉木幸則のコレだけ言わせて

「自分で決めつけた正義を振りかざすのは暴力」

例えば、空調とか換気扇とかの音が耳のそばで、うるさく聞こえてる人がいる。そういう状況で生きている人がいる、ということに気付いてほしい。それを知らずに、自分で決めつけた正義を振りかざすのは暴力やで。だから、バリバラではそういう人たちがいる、といろんな形で紹介し続けていかなあかん。ぼくも車椅子がぶつかりそうになって、チェッ!って舌打ちされることとかある。その人たちに悪気はないとは思うんやけど、そういう人たちはそういう人たちの中だけで生活してる。だから気付かない。知ろうとしない怖さもある。年々、世間が強いものに巻かれてるっていうか、事なかれ主義になっていってるのが怖い。