これまでの放送

敏感くんのゆううつ ~HSCの子どもたち~

放送日

8月29日(木)夜8:00

再放送9月1日(日)0:30(土曜深夜)

出演者

りゅうちぇるほか

敏感くんのゆううつ ~HSCの子どもたち~
ひといちばい敏感な子ども、HSC(Highly Sensitive Child)の知られざる世界を伝える。元気くん(小6)は、生まれつきとても敏感。他人のさまざまな感情や場の空気を感じ取ってひどくつかれてしまうため、学校に行けない日も多い。しかし、祖母のすみ子さんからは「学校に行くべき!」「がんばれるはず!」と言われ続け、悩んでいる。そこで元気くんは「自分のしんどい気持ちをおばあちゃんにわかってもらいたい!」と、2人きりの旅に。果たして2人の心は通じ合うのか?

内容

出演者

  • りゅうちぇるさん (タレント)
  • 元気くん     (HSC/小学校6年生)
  • すみ子さん    (元気くんの祖母)
  • 長沼睦雄さん   (精神科医)

HSC(Highly Sensitive Child)って知ってる?

敏感くんのゆううつ ~HSCの子どもたち~ 写真1

今回のバリバラは、ひといちばい敏感で周囲の空気や感情に反応してしまい、生きづらさを抱えがちな「ハイリーセンシティブ」と言われる人たちに寄り添う。HSC(Highly Sensitive Child=ひといちばい敏感な子ども)は、あまり聞きなれない言葉だが、不登校や引きこもりの子どもたちの気持ちを理解するヒントが隠れているかもしれないと、今、注目を集めている。
番組には、HSC、HSP(Highly Sensitive Person)の当事者や親たちから、たくさんのメールが寄せられた。「小5の娘が非常に敏感な性質で、友だちのけんかなど自分に直接関係のないことにも心を痛め、頭痛や腹痛など身体的症状も。担任の先生の理解のなさから、保健室を利用できず不登校になってしまった」という声や、「知らない人でも困っている表情を通りすがりに見ると、帰宅してからもその人のことが心配になり眠れなくなることがある」など、敏感すぎるゆえのリアルな悩みが見えてきた。

悩める敏感くん 小学6年生の元気くんの場合

敏感くんのゆううつ ~HSCの子どもたち~ 写真2

HSCの思いを知るため、北海道に住む小学6年生の元気くんを訪ねた。すると、浮かない顔で帰宅する元気くんの姿が。「給食の時間に友だち数人から話しかけられたが、全員には返事できなかったので、悲しい思いをさせてしまったのではないか」と、ひどく落ち込んでいたのだ。ほかにも、運動会は大の苦手で、負けて悔しがっている子や転んで泣いている友だちを見ると、自分のことのように傷ついてしまう。こんなふうに、人の感情を敏感に感じ取りやすい元気くんは、学校ではひどく疲れることが多いのだそう。

敏感くんのゆううつ ~HSCの子どもたち~ 写真3

そんな元気くんを支えるひとりが、精神科医の長沼睦雄さんだ。これまでも多くのHSCを受け入れ、常に緊張した状態にある彼らに、不安を和らげる方法を伝えてきた。長沼先生によると、不登校やうつの子どもの中には、極度の敏感さを抱えている子どもも多いという。「いろんなものを感じとってしまうので、その刺激が自律神経を乱して、睡眠障害や倦怠感を引き起こすこともある」と分析する。

周囲はどう支えたらいい?

敏感くんのゆううつ ~HSCの子どもたち~ 写真4

そんな元気くんを、どう支えたらよいか。学校の先生や家族など、彼に関わる大人たちが長沼先生のクリニックに集まった。学校の先生も「ほかの児童を強く指導したときに、それを見ていた元気くんが泣いてしまった。その次の授業中もずっと泣いていた」と、なやんでいる様子だ。長沼先生は「(ほかの子を強く指導してしまうことはあるかもしれないが、)問題は、そのあとに、“気をつけていたんだけどごめんね”と謝るかどうか。(先生が)その子のことを気にしていることに気づいてもらえること、そして配慮が必要なことを周りの子どもたちにも気づいてもらうことが大切」とアドバイスした。

敏感くんのゆううつ ~HSCの子どもたち~ 写真5

長沼さんによると、HSCの特徴は大きく分けて4つ。
① 深く考える ②過剰に刺激を受けやすい
② 共感力が高い ④ささいな刺激を察知する
これらの特徴を周囲が理解して接することが大切だという。また、HSCは心理学的な概念のため、病名や障害名とはされていないが、玉木さんも「診断名がついたから良いということではなくて、その子どもの特徴として見ていくことが大切」と強調した。
周囲のマイナスの感情をスポンジのように吸収してしまうHSCは、「神経質」「臆病」という言葉で片付けられ、傷つくことも多い。元気くんもそういう言葉をかけられることが多く「自分がダメなんじゃないかと、ネガティブになったりする」と自らを責めてしまうこともあるという。

おばあちゃんと分かり合いたい!

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もうひとつ、元気くんの前に立ちはだかる大きな壁がある。それは、祖母・すみ子さんだ。「どうして人の顔色を気にするの?自分の気持ちをしっかり持てば、他人のことなんて気にならないはず!」と言うおばあちゃんの言葉に、「相手を気にしなくていいよって言われるけど、それができなくて困っている。おばあちゃんとは理解し合いたい」と話す元気くん。すみ子さんも、毎日つらそうに帰宅する孫の姿に心を痛めるようになり、自分の考え方がこのままでいいのか、悩んでいた。

敏感くんのゆううつ ~HSCの子どもたち~ 写真7

そこで、お互いの気持ちを理解するための二人旅をバリバラがプロデュース! まずは旅の中で感じたことをノートに記録し、感じ方の違いを発表し合うことに。
訪れたのは帯広市にある庭園。さっそく、池の鯉にエサをあげてみた。大胆に、大きなかたまりのままエサをあげるおばあちゃん。「迫力あるエサの取り合いが面白かった」とノートに書いたすみ子さんに対し「鯉が飲み込めなくて苦しくなったらかわいそう」と心配でたまらない元気くん。続いて訪れたカフェでは、「おいしかった。取り替えっこして食べて満足」と、ランチを楽しんだすみ子さんだったが、元気くんは「赤ちゃんが泣くんじゃないかとドキドキした。店員さんが忙しそう」と、周りの人たちのことがとても気になる様子。お互いのノートを読み終え「(人間だけでなく)魚の争いも嫌いだなんて。元気はいつもアンテナをピリピリ張っているのが分かった」と、元気くんの気持ちを少しずつ理解してきたすみ子さんだった。

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そこで、二人に、もうひとつのイベントを仕掛ける!その名も「背中を合わせて本音をさけべ!」 事前に、相手に伝えたいことを書いてきてもらい、本音を伝え合うというもの。顔色や表情に左右されないよう、背中合わせで話すのがポイントだ。その際、第三者が公平に見守ることでおだやかに発言しやすくなるため、長沼先生にも見届け人として参加してもらった。
まずは、すみ子さんから。「元気の気持ちが分からなくて悩んでいます。学校で楽しい思い出をいっぱいつくってほしい。おばあちゃんは、元気のことを大事に思っているから、もっと分かり合いたいよ!」次は元気くんの番。「どうして学校に行けないの?って言わないで。自分でもどうしてこんなに疲れやすいのか分からなくて苦しいんだ。僕がおばあちゃんの前で本音を言えないのは、僕のことで悲しんだり怒ったりするのを見るのが辛いから。おばあちゃんのことは大好きだからね」本音をはき出して、距離がちぢまった二人。最後はハグで、大切に思う気持ちを確かめ合った。

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旅が終わってから、以前よりおばあちゃんに本音を話しやすくなったという元気くん。長沼先生によると、スポンジのようにマイナスの感情を吸収してためこんでしまうHSCにとって、その気持ちをはき出すことがとても大切。元気くんも「とても心が軽くなった!」と晴れやかだ。

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番組に寄せられたお便りの中には「HSP=生きづらいではなく、感度セレブだってこと」というポジティブな意見も。ゲストのりゅうちぇるさんも「これは才能だと思うから、もっとナルシストになってもいい」とエールを送った。

敏感くんのゆううつ ~HSCの子どもたち~ 写真11

収録の最後、突然「謝りたいことがある」と言い出したすみ子さん。「元気が敏感になったのは、今まで母親の育て方が悪いからだと思っていたけど、そうじゃないってことが今回のことで分かった。娘に謝りたい」。元気くんへの理解を深めたことで、母親である娘さんの思いにも気づき、家族の距離がちぢまったようだ…!

玉木幸則のコレだけ言わせて

玉木幸則のコレだけ言わせて

「なんでだろう? と考える力を周りがもつことが大事」

HSC(ハイリーセンシティブチャイルド)っていうのはぼくも今回初めて知ったんやけど、病名や障害名じゃないから周りが認識するのもなかなか難しいんやと思う。だから元気くんのおばあちゃんみたいに「もうちょっとがんばったら、学校も行けるやん」ってたぶんみんな言ってしまう。その人の特性、性質を理解した上でまわりも工夫していくことが大事やと思う。一方で、「HSC」とラベリングすることが大事なんじゃなく「なんでこの人は、この子はこんなに気にするんかな?」とか疑問を持って考える力や、子どもの特徴のひとつとしてとらえる力を、周りが持てるようになれればいい。バリバラはもちろんやけど、もっと発信する場所が増えていけばいいんやけどな。