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強制された不妊手術 その背景にあったもの

放送日

4月30日(木)「バリバラ桜を見る会~バリアフリーと多様性の宴~ 第2部」をもとにした記事です

出演者

強制された不妊手術 その背景にあったもの
2019年度に起こった多様性・バリアフリーをめぐる大事な出来事をコントや漫才と共にふり返るお花見形式トークショー後編。伊藤詩織、崔江以子、コメディアンの松崎菊也&石倉チョッキ、時事ネタ漫才を得意とする三拍子、ダンサー森田かずよが登場。相模原・障害者殺傷事件や旧優性保護法を巡る裁判など、マイノリティーや障害者の声に耳を傾け、これから『バリバラ』が取り組む課題を確認する2020・巻頭言スペシャル!

内容

桜を見る会② 写真1

今回の「バリバラ桜を見る会 第二部」でトピックに挙がった相模原障害者施設殺傷事件、そして旧優生保護法をめぐる裁判。優生保護法とは、障害者などに対し本人の同意がなくとも強制的に不妊手術が行うことができる、という内容を含んだ法律で、1948年から1996年まで施行されていました。強制不妊手術の被害者は全国に2万5千人。この法律に関するみなさんの意見をご紹介します。

桜を見る会② 写真2

■3年前まで知らなかった


「“障害者は子どもを作るな!”そんな法律が最近まであったこと、知っていますか? 『不良な子孫の出生を防止する』とした法律のもと、“悪質遺伝をもっている人は、社会の経済を破壊し、秩序、安寧を乱す”と言われ、しばしば本人の意思に反して不妊手術が行われた」(玉木幸則)

「旧優生保護法の裁判については、一応その補償の制度ができて、謝罪もあったから、みんなは終わったものって思ってるんだけど、今は『母体保護法』って法律があって。その母体保護法も、お母ちゃんの命は守るけど、お腹の中の子どもの命を守るってことは一切書かれていない。お腹の中の子どもの命を、今の法律では守るとしてない。本当に命の重みを考えなあかんって思う」(玉木幸則)

桜を見る会② 写真3

「相模原の事件と優生保護法、この2つに共通するのは命の問題。優生保護法は“本人の承諾もなく、障害のある人が不妊手術をさせられてた”っていうのは女性の障害者として、とてもショッキング」(森田かずよ)

桜を見る会② 写真4

「(相模原障害者施設殺傷事件も)一部の異常者がやったこと? もう過去のこと? 違う。そこにも、ここにも、ぼくのなかにも、今も内なる優生思想はある。植松聖死刑囚を罰したとしても、彼を生んだ社会はそのままここに残っている」(玉木幸則)

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■社会はそのまま残っている


スタジオには、旧優生保護法をめぐる国家賠償訴訟の原告で、聴覚障害のある小林宝二さん・喜美子さん夫妻に来て頂きました。喜美子さんは、結婚したて25歳のとき、中絶手術と同時に、知らない間に不妊手術をされたそうです。


「医師から“お腹の子は腐っている”と言われ、悲しかったが中絶手術を受けさせられた」(小林喜美子)

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「ふたりで、また子どもを作ろうと話したがなかなかできない。兄弟や同級生が次々と子どもを作るのをみて、喜美子は悲しそうだった」(小林宝二)

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「その中絶手術のときに、不妊手術も受けさせられていたことを知ったのは、(聴覚障害者の団体が調べてくれた)たったの3年前のことです」(小林喜美子)

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「親も医師も誰も説明してくれなかった。優生保護法なんていう法律の存在も知らず、ふたりで60年生きてきました」(小林宝二)

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■どんな命も選別されてはいけない

「全く勉強不足で(優生保護法の)名前すら知らなかったんですけど、なんか信じられないって感じで今いっぱいですね。意味が分からないです。これは本当に」(副島淳)

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「(調査が行われていないために、本人たちも被害に)気づいていない、そういう人たちがいるっていうことを僕らは忘れたらアカン。それこそ相模原障害者殺傷事件で、“生産性”っていう言葉が出てきたけど、“障害がある人は生産性がないから生まん方がええんちゃうか?”っていう考え方がずーっとある。残念ながら今も、出生前診断を受けて、障害があるかもしれないっていうことだけで、この世に生まれてこない子どもたちがいる。そこは、やっぱし僕たちは考えていかなあかんと思った」(玉木幸則)

桜を見る会② 写真11

「ほんとにね。排除法ですよね、“優生(遺伝子)”だけ保護っていうのは」(石倉チョッキ)

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「優生保護法にしても優生思想にしても、最初の二文字が優しく生きるじゃないですか。全然優しくねーっていう。お二方の体験を聞いて、もう本当になんていうか、言葉を失うっていうか。なんか悲しくなってくるっていうか。怒りと悲しみが交差する」(TASKE)

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「やっぱりどんな命も選別されてはいけない。ほんとにそのメッセージを伝えてくださった(小林夫妻に)感謝しますし、そのボールを私たちがどう受け止めていくのか? やっぱり(優生思想は)消えてないですよね、その法律がなくなったとしても。私たち一人ひとりが考えていかないといけないこと」(伊藤詩織)

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「よくね、障害者運動とかでも、時間をかけてゆっくりと問題を解決していきましょうって言うのよ。確かに時間をかけて変えていくものもあるとは思う。でも一方で、今すぐにクリアにしていかなあかん問題もあると思っていて。今日は小林さん夫妻が顔と名前を出して訴えてくれた。今ここで私に起きていることなんやで、っていうことをきっちりと伝えてくれたことが大事やと僕は思ってる。僕らは本気で考えて、本気で動いていかんと、今日聞いてて思ったな」(玉木幸則)



※この記事はバリバラ 2020年4月30日放送「バリバラ桜を見る会~バリアフリーと多様性の宴~ 第2部」に関連して作成しました。情報は放送時点でのものです。