これまでの放送

新型ウイルスより怖い!?コロナ差別を考える

放送日

8月23日(日)「24分テレビ~愛と憎しみのパンデミック~」をもとに作成しました

出演者

新型ウイルスより怖い!?コロナ差別を考える
バリバラ恒例、夏の生放送。今年は“withコロナ”で「新しい生活様式」が叫ばれるなかでの「24分テレビ」。「不安な気持ち」が社会を覆い、愛よりも憎しみが蔓延しがちな世の中で“おいてきぼり”にされがちな人たちの声に耳を傾けてみよう!「夜の街」に生きる人たちの声。職場でクラスターが発生したとき、関係者の身になにが?真夏の夜にお送りする、新型コロナより、もっとずっと怖い!?かもしれないこと。

内容

出演者

マスター

山本シュウ

常連客

玉木幸則


パフォーマー

ベビー・バギー(ドラァグクイーン/ゲイ)

ゆうや佑哉(ものまねタレント/ゲイ)

桂福点(落語家/全盲)


ゲスト

LOVE MAMA(元ショーパブ経営/トランスジェンダー)

山城清重(ハンセン病元患者)

山村茜(風俗嬢アイドル)


愛と憎しみのパンデミック

放送内容

いま、新型コロナの影響で、社会には不安と憎しみが溢れているかもしれない。身近な人を感染から守りたいという「愛」が、「憎しみ」へと転じてしまう例が後を絶たない。マジョリティーの「正義」が物言えぬ人たちへの排斥を正当化し、これまで潜在的にあった差別を助長したり、新たな差別を産み出してしまっている。
「新型コロナより怖い!?」かもしれないコトについて、考えてみたい。

院内感染した病院への誹謗ひぼう中傷

放送内容

4月に院内感染が発生した京都の堀川病院では、まるですべての職員が感染したかのような扱いを社会から受けることとなった。脅迫や誹謗中傷が相次ぎ、ある職員は行きつけのレストランから入店を断られるなどの事例も。その結果、職員はできるだけ人目につかないような行動を取らざるを得なくなってしまった。
「これまで病院を応援してくれた人から、誹謗中傷を受けると10倍くらいの威力で言葉が刺さってくる。人間は悲しい、と思ってしまった」と堀川病院事務長の山田正明さん。

「もし自分が(病院の職員ではなく)逆の立場なら、ひょっとしたら傷つける立場の方になっているかもしれない。人間は恐れるものを遠ざける性質がある。それはハラスメントや差別につながる」とも。誰もが差別をする側に回ってしまう可能性があることも痛感したのだという。

新型コロナウイルスの感染者差別は「ハンセン病のときと同じ」

放送内容

「新型コロナが広がり始めたとき、防護服を着て消毒していた光景はハンセン病のときと同じ。背筋がゾッとした」と話すのはハンセン病の元患者の宮良正吉さん。
ハンセン病は、らい菌に感染することによって、皮膚や末梢神経に症状が現れる病気。感染力は極めて弱く、他人にほぼ感染しない、と当時から確認されていたにも関わらず、患者は国や自治体、そして住民からの通報で排除、強制的に隔離された。

ハンセン病患者が隔離収容された療養所の一つ、岡山県の長島愛生園に案内してくれたのは元患者の山城清重さん。入所して、最初に入れられたのは“消毒風呂”、高濃度のクレゾールを入れた浴槽に、頭まで浸けられたのだという。「人間がやることじゃない」と山城さんはつぶやいた。療養所では、社会から見捨てられたと絶望し、自殺する者が相次いだという。

19歳で療養所を脱走した山城さんは、その後の半世紀、結婚もせず、病院にも行かず、ハンセン病だったことをひた隠しに生きてきたという。ハンセン病患者の強制隔離の根拠となった「らい予防法」は、1996年になって、ようやく廃止された。山城さんはこうつぶやいた。「ハンセン病を背負って生きてきた人は、そのことを死ぬまで忘れられない。家族には捨てられたと思って生きてきた」

「思いやることが大事。社会に寛容な気持ちが必要」

放送内容

「レッテルを貼って排除する。それは傷つきます。誰だって患者になりたくてなったわけではありません。それは新型コロナもハンセン病も同じ」と山城さん。メディアや国家によって煽られた“感染への恐怖”、そこから生まれる「正義」が差別につながることがある。誰かの人生を奪ってしまうことがあるのだ。想像力のない「正義」は、実際に感染することより恐ろしいことかもしれない。

バリバラ・コメンテーターの玉木幸則さんは最後にこう話した。「差別は取り返しのつかない被害を与えることもある。日常から他の人を思いやって生きているか?たとえば、いまはマスクをつけないと白い目で見られがちだ。でも、“マスクをつけろ”と言う前に、なにか事情があるのかも知れないと思いやることが大事。社会に寛容な気持ちが必要だと思う」