これまでの放送

震災から いのちを守る

放送日

3月4日(日)夜7:00

再放送3月9日(金)0:00(木曜深夜)

出演者

立木茂雄(同志社大学教授)ほか

震災から いのちを守る
東日本大震災から7年。災害時、障害者など支援が必要な人たちへの対策は、どこまで進んでいるのか?南海トラフの巨大地震で大きな被害が予想される高知市では、支援が必要な人の個別計画の策定率はまだ1%未満。待っていられないと、自力で避難計画を作り始めた人もいる。大阪では、「外出先で被災したらどうしよう?」という当事者の声をもとに、ユニークなプロジェクトが始まった。いざというとき、どう命を守るのか、考える。

内容

出演者

  • 立木茂雄さん  (同志社大学社会学部教授)
  • 椎名保友さん  (まちなか被災シミュレーション)

東日本大震災から7年 障害者の防災対策は進んだ?

震災から いのちを守る写真1

東日本大震災では、障害者の死亡率は住民全体の死亡率のおよそ2倍に上ったという。2013年には、いざというときに支援が必要な人たちの名簿作りが自治体に義務づけられた。しかし、ひとりひとりの支援をどうするか定める個別計画づくりは、あくまでも「努力目標」で、なかなか進んでいないのが現状だ。日本障害フォーラム(JDF)とNHKが共同で行った調査では、既に計画が策定されているという人は5%以下だった。

高知市に住む当事者の取り組み

震災から いのちを守る写真2

南海トラフ巨大地震の被害が予想されている高知市。災害時に支援を必要とする人は約3万8千人、しかしそのうち個別計画が作られているのは1%未満だ。市の対応が進まない中、人工呼吸器をつけ、24時間介助を受けながらひとり暮らしをしている村田一平さんは、自力で個別計画を作り始めた。

自分で作った避難計画を検証

震災から いのちを守る写真3

村田さんの電動車椅子は非常に重く人の手では動かせない。そこで、計画では、まず手動の車椅子に乗り換えることに。しかし、実際に検証してみると、乗り換えるには人工呼吸器を外さなくてはならず、リフトを使っても5分はかかる。もし停電などでリフトを使えないとなると、さらに時間がかかり呼吸が苦しくなる。ヘルパー1人で村田さんを抱えられるかどうかも不安の一つだ。

震災から いのちを守る写真4

うまく手動の車椅子に移乗できたとして、次は安全な場所への移動。地域で指定された避難場所は高台にある市民会館だが、ここには自家発電機がなく、人工呼吸器のバッテリーの充電ができない。少し先にある病院に行くことを考えているが、津波による浸水予測範囲のすぐ近く。どこへどうやって避難すればいいのか――市の保健師にも相談しながら、個別計画を練り直している。

なぜ進まない?個別計画

震災から いのちを守る写真4

災害時、支援が必要であるにもかかわらず、それぞれの個別計画の策定が進まないのはなぜか。その背景には、個別計画づくりを直接担うのが原則、地域の人(町内会や民生委員など)であるという事情がある。地域の力をどう高めていくかが大きな課題だ。福祉防災学が専門の立木さんによれば、鍵を握るのは、障害のある人たちの日常の支援計画づくりに携わっている相談支援専門員らに、災害時の計画づくりにも“お助け役”として関わってもらうことだという。

まちの課題を発見! まちなか被災シミュレーション

震災から いのちを守る写真5

番組後半では、「もし外出先で被災したら、どうする?」という当事者の声から大阪で始まったユニークなプロジェクト「まちなか被災シミュレーション」を紹介。障害のある人たちが、土地勘のない場所に出向き、まちの人たちと一緒に行う避難訓練だ。

震災から いのちを守る写真4

今回の舞台は、大阪市東淀川区。参加したのは、脳性まひで車椅子ユーザーの夫婦、弱視の盲導犬ユーザー、難聴の女性の計4名。
自分たちで情報を収集し、避難所まで歩いてみる。その中で見えてきた課題を町の人たちと共有し、町づくりに生かしてもらう。今回は「商店街が狭く、災害時には車椅子が通れる状況でなくなるのではないか」「視覚障害の人たちにもわかるような音声が出る仕組みがあれば」「聞こえなくても見てわかる案内がほしい」といった課題が出された。

震災から いのちを守る写真5

スタジオでは、「ふだんから『もっとこうしてほしい』ということを発信していくことが、災害時にも生きてくる」ことを確認。バリバラレギュラー陣からも、「当事者なのに意識が低かった」という反省の声が上がった。

玉木幸則のコレだけ言わせて

玉木幸則のコレだけ言わせて

「具体的な想定をすると個別の計画が作りやすくなる」

状況としては、まだこのテーマをやらなあかんくらい対策が進んでない、ということやと思う。阪神淡路(大震災)からは23年も経ってるのに…。バリバラとしても、やりっぱなしではなく熊本地震のその後とかを続けて伝えていくべき。収録では言えなかったけど、地震のときに家族でどこに集まるか?などを日常の中で決めておかないと困るよ。具体的な想定をすると個別の計画が作りやすくなるはず。ちなみに、ぼくの家族は近くの小学校に集まることを決めてる。あと、災害のときは被災地から早く出ることもおすすめ。自分の経験からやけど、被災地を離れると精神的に楽になれる。その準備しておくことは大事やと思う。