これまでの放送

“きょうだい”の悩み

放送日

12月16日(日)夜7:00

再放送12月21日(金)0:00(木曜深夜)

出演者

鈴木奈々ほか

“きょうだい”の悩み
今回のテーマは“きょうだい”。障害のある兄弟姉妹を持つ人たちのことだ。お便りを募集したところ、150通を超えるメールが寄せられた。そこには、兄弟姉妹への複雑な感情や、将来への不安など、多くの人が悩みを抱えながら誰にも相談できずにいる姿が浮き彫りになっていた。番組では、“きょうだい”当事者で、これまで障害のある姉へのわだかまりを拭えずにいたという若手ディレクターが、姉と向き合う姿をドキュメントする。

内容

出演者

  • 鈴木奈々さん (タレント)
  • 持田恭子さん (障害者のきょうだいを支援する「きょうだいの集い」代表)
  • 東 佳実さん (障害者自立生活センタースタッフ)
  • 安西真弓ディレクター

あなたは「きょうだい」という言葉を知っていますか?

““きょうだい”の悩み 写真1

障害のある人の兄弟姉妹を指す言葉でもある、“きょうだい”という言葉を知っていますか?バリバラでも初めて扱うこのテーマ。そんな「きょうだい」の声を募集したところ、150通ものメールが!そこには、「兄のことを好きになれない」「将来の面倒は誰がみるの?」など、切実な悩みが綴られていた。
今回、このテーマに向き合うのは、NHK入局2年目の安西真弓ディレクター。自身も、知的障害のある姉をもつ「きょうだい」だ。バリバラでは「本人の意思」を読み取ることの大切さを繰り返し伝えてきたが、自分の姉・由佳のことになると、そんな風には思えなかったという安西。幼いころから姉に対して抱いてきた複雑な気持ちがあったことに気づき、今回の企画を通して、初めて姉と向き合う覚悟を決めた。

初めて話す“きょうだい”のこと

““きょうだい”の悩み 写真2

安西家は、父、母、姉、弟の5人家族。今年30歳になる姉の身の回りの世話は、ほとんど母が行ってきた。そんな姉のことを安西は、「お姉ちゃんは、家の中では赤ちゃん。私たちが守らなきゃ」と話す。久しぶりに実家に帰った安西は、弟と姉について語り合うことに。実はこの2人、これまでお互いが姉のことをどう思っているか、話し合ったことがなかった。弟の真也さんは「小学生の頃は、友達に由佳ちゃんの存在を知られるのが嫌で、でもお姉ちゃんだからって思う気持ちもあって」と当時の複雑な心境を吐露。安西も「あの頃の家の空気がめちゃめちゃ嫌だった。由佳ちゃんが何かしてママが怒って、自分らは見て見ぬふりをして…」初めて明かす正直な気持ちに、声を詰まらせた。

““きょうだい”の悩み 写真3

同世代の「きょうだい」たちはどんな思いを抱えているのか? 自閉症の兄をもつ24歳のまさおさん、脳性まひと知的障害のある妹をもつ18歳のあずみさんに話を聞いた。2人とも、これまで周囲の視線や言葉に傷つく出来事が多かったそう。また、「将来どうしたいのか」「どこで暮らしたいのか」などの話題になると、兄や妹の意思を知ることは、なかなか難しいと感じているようだ。

““きょうだい”の悩み 写真4

自身もダウン症の兄をもち、東京できょうだい支援の活動をしているゲストの持田恭子さんは、「小さい頃から周囲の無理解の中で育っているので、悩みを打ち明けようと思った時に、周囲の反応を気にしてしまい、相談できずに孤独を感じる人も多い」と話す。しかし、きょうだいたちの「障害のある本人の意思をつかむことは難しい」との意見に、自立生活センタースタッフの東佳実さんは、「決して意思が無い訳ではない。周囲の分かろうとする気持ちが大事」と、相手と向き合う重要性を主張した。

初めて知る姉の姿

““きょうだい”の悩み 写真5

「お姉ちゃんとの会話は成立しない」そんな風に思い込んでいた安西だったが、取材の過程で弟と話すうち、姉は日中通う施設で、家とは全く違った表情を見せていることを知る。そこで、姉と向き合う一歩として、その福祉施設に行ってみることに! 気づかれないよう、こっそり様子をのぞくと…そこには、包丁を使って野菜を切ったり、仲間を盛り上げようと活躍する由佳さんの姿が! さらに、施設職員が利用者の意思を引き出せるよう、「今できないことでもこれからどんどんできるようになっていく」と考えて接していることも知った。

自分も姉の意思と向き合い、もっとコミュニケーションを取りたいと思った安西は、姉と二人きりで外出してみることに。

二人きりのお出かけがスタート!

““きょうだい”の悩み 写真6

行き先を決めようとしたところ、突然「大阪のUSJに行きたい」と言いだした由佳さん。二人きりで出かけるのは人生初…安西も不安なため、まずは近場の下北沢に行くことに。散歩をしたり、買い物を楽しんだり。古着屋さんで、真っ赤な服を選んだ由佳さんに、「普段は母が買ったものを着ているので、姉の好みの服を全く知らなかったし、即決していたので決断力があるのかも」と、安西。1対1で向き合ったことで初めて気づくことも多い外出だった。買い物を終え、「このあとは?」と聞かれた由佳さんは「大阪!」と元気よく答えていた。

““きょうだい”の悩み 写真7

「今回のように、生活の中で意思疎通ができていると実感できれば、きょうだいが抱える“自分が代わりに決めてあげなければいけないのでは”などの不安も解消されていくのでは」と持田さん。障害のある兄弟姉妹が地域で暮らしていくためには、親やきょうだいだけではなく、社会全体で支え合うことが大切だと再確認した。第2弾の大阪編も実現するかも!?

玉木幸則のコレだけ言わせて

玉木幸則のコレだけ言わせて

「本人の能力というよりも、経験が大事やねん」

まず、よかったところは“きょうだい”の安西さんと弟さんがお姉ちゃんの話をしたこと。それがあって安西さんが施設に行き、家とはぜんぜん違うお姉ちゃんを知ることができたわけで。そもそもきょうだい同士で話すのが初めてというのはみんなびっくりするかもしれん。でも安西さんの家庭が特殊かといえば、違う。普通やと思う。この子は重度だから…と勝手にリミッター(制限)を付けてしまうことはそんなに特殊じゃない。でも僕が「重度」「軽度」という分け方でその人を判断するのがいやなのは、それぞれに個性があって工夫できることがあるから。つまり本人の能力が、というよりも経験が大事やねん。経験で理解していくことがあるから。