ストーリー

「思い出の食、捜します」

その一行広告を頼りにたどり着ける看板ものれんもない「鴨川食堂」。
京都の東本願寺近くにひっそりと建つその食堂へやってくるのは、悩みを抱えた現代の人々。
仕事、家族、人生、恋、人間関係･･･。悩みは千差万別だが、看板娘・鴨川こいし（忽那汐里）は客の悩みを真摯に受け止め、父・鴨川流（萩原健一）は元刑事の勘と洞察力を駆使して客の本当に望む食は何かを突きとめ、一流の京料理人としての腕をふるって食事を再現する。
“こいし” と“流” の努力の結晶である「思い出の食」を口にすることで、客は、生きる勇気、人生の喜びを見つけて鴨川食堂を後にする･･･。

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各回のあらすじ

第1回「母の肉じゃが」
鴨川食堂の看板娘・鴨川こいし（忽那汐里）と父・鴨川流（萩原健一）のもとへ若き経営者・伊達久彦（半田健人）が訪ねてきた。伊達に供されたのは京料理の絶品。常連客・妙（岩下志麻）も絶賛する自慢の「おまかせ」料理だ。伊達は雑誌の一行広告「思い出の食、捜します」に誘われてきた。探偵事務所へ案内された伊達は、あいまいな記憶をたどりながら思い出の肉じゃがについて話し始める。こいしは調査に乗り出し流は広島へ赴く。

第2回「別れた夫のとんかつ」
鴨川こいし（忽那汐里）と板前の父・鴨川流（萩原健一）を依頼人・廣瀬須也子（井上晴美）が訪ね、別れた夫が作ったとんかつを再現して欲しいという。妙（岩下志麻）も弟子を連れて来る。出町柳にあった「かつ傳」と言う店は元夫の店だったという。いまは入院していて料理もできないが、彼のトンカツを再現して食べさせたいのだと言う。早速、調査が始まった。流は亡くなった妻・掬子（財前直美）との思い出をこいしに話す。

第3回「祖父と食べたナポリタン」
京都、和食、人情ミステリー。本格的な食のドラマ。鴨川こいし（忽那汐里）と父・流（萩原健一）を明日香（鉢嶺杏奈）が訪ね認知症のおじいちゃん（織本順吉）に思い出の食を食べさせたいと依頼する。「おじいちゃんが喜んで食べていたナポリタンを再現すれば記憶が戻るのでは。」身につまされたこいしは自分が調べると言いだし調査に出かける。こいしが留守の間、流は妙（岩下志麻）に亡き妻・掬子（財前直見）の話をし始める。

第4回「妻の鍋焼きうどん」
京、和食、人情ミステリー。本格的な食のドラマ。こいし（忽那汐里）と父・流（萩原健一）を訪れたのは窪山（大地康雄）。流の刑事時代の同僚。近く再婚することになり、その前に亡き妻の鍋焼きうどんを食べたいとの依頼。しかもそれを新しい奥さんに作ってもらいたいと。こいしはすかさず「おっちゃん、それはないわ」。妻の鍋焼きうどんが忘れられないわけを窪山が語る。妙（岩下志麻）はこいしの浩（吉沢悠）への気持ちを聞く。

第5回「おじいちゃんのハンバーグ」
京都、和食、人情ミステリー。本格的な食のエンターテインメントドラマ。こいし（忽那汐里）と父・流（萩原健一）を有名なフードライター・竹田佳奈（酒井美紀）が訪れる。故郷・青森の父・佳生（三田村周三）が作ったハンバーグを再現し高級ステーキと食べ比べさせたいと言う。流が刑事時代に逮捕した横峯（豊原功補）が食堂に現れ、妙（岩下志麻）は動揺する。横峯がなぜ現れたのか。流は横峯を追いかけ、直接横峯に問いかける。

第6回「初恋のビーフシチュー」
こいし（忽那汐里）と父・鴨川流（萩原健一）のもとへ妙（岩下志麻）の親友・信子（左時枝）が訪れる。５５年前、初恋の大学生と食べたビーフシチューを再現してほしいと言う。調査のため、流は亡き妻・掬子（財前直見）の父・八十吉（麿赤兒）を久しぶりに訪ねるが八十吉は流と話そうとしない。鴨川食堂に現れた横峯（豊原功補）が流を連れ出そうとするが、妙が横峯と対じする。浩（吉沢悠）はこいしに自分の思いを話そうとする。

第7回「父の海苔（のり）弁」
こいし（忽那汐里）と父・流（萩原健一）を有名水泳選手・北野恭介（入江甚儀）が訪れる。母と離婚して以来長く会っていない父が入院した。会うかどうか悩んだ恭介は、決断するため、中学時代に父が作っていたのり弁を再現して欲しいと言う。こいしは、母・掬子（財前直見）の家出の真相を聞こうと、流に内緒で横峯（豊原功補）と食堂の外で二人きりで会い、ついに父と母の過去の真相を知る。そこへ流が来て、横峯と対じする。

第8回「金曜日のチャーハン」［終］
こいし（忽那汐里）を幼なじみでモデルの白崎初子（すみれ）が訪ねてきた。婚約した御曹司に幼いころ母親が作ってくれたチャーハンを食べさせたいと言う。華やかなモデルが御曹司にチャーハン？こいしは初子の悲しい過去を知る。一方こいしは、恋人・浩（吉沢悠）との結婚問題に悩んでいた。父・流（萩原健一）を一人残して浩の実家・金沢に行っていいものか？妙（岩下志麻）に後を頼むべきか。悩んだこいしはついに決断する。