ストーリー
名古屋の高校教師・橋口順平(32)は、ある日突然、養護学校への異動を命じられる。かつて陸上短距離のオリンピック候補にまでなった運動エリートで、「やれば出来る!」がモットー。だが、赴任先で命じられたのは「病院訪問教育」。いままでとは勝手が違う現場で、いたみを抱えた子どもたちを相手に、順平の新たな挑戦の日々がはじまる。
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各回のあらすじ
第1話「出前教師、橋口順平です!」
順平が最初に担当することになった益田洋二(7)は、交通事故で下半身不随。励ましながら授業を行うが、何気ない気持ちで発した言葉が洋二を傷つけてしまう。心を閉ざす洋二。そんなとき、順平は辻本未来(10)を訪ねる。未来は、重い病気にもめげず元気で学習意欲も高い。未来に渡されたウサギのぬいぐるみを使って、順平はなんとか洋二の心を開く…
第2話「信じる気持ち」
順平の新しい教え子、杉原友美恵(14)は、優等生で、母の栄子(41)は著名な料理研究家。一見理想の母子だが、友美恵は、摂食障害を抱えていた。順平は、気分転換のため友美恵を焼き物工房に連れ出すが、突然症状が悪化。責任を問われ、友美恵の担当をはずされる。しかし学級日誌をきっかけに、順平は友美恵の心情を聞きだす…。
第3話「未来からの贈り物」
辻本未来の症状が急変する。残された時間はあとわずか。限られた時間で何を教えられるのか、順平は苦悩する。同じ頃、順平たちは、校長と対立していた。問題は、退院後に学校になじめず不登校になった子どもへの対応。「出前教師」たちは、訪問授業の延長を要請するが、校長は認めない。夏休み直前、未来が静かに息を引き取る。初めて直面する子どもの死。深い悲しみと無力感。葬儀の数日後、未来の母親を訪れた順平は…。