土曜ドラマ
「ロング・グッドバイ」

初回放送

2014年4月19日から放送[連続5回]
毎週土曜午後9時  総合

ストーリー

ハードボイルドの金字塔「ロング・グッドバイ」(レイモンド・チャンドラー作)を戦後の日本を舞台にドラマ化。
浅野忠信が連続ドラマ初主演、「カーネーション」の渡辺あやが脚本、「あまちゃん」の大友良英が音楽を担当。
私立探偵・増沢磐二(浅野忠信)は、女優殺人事件の犯人と疑われた親友(綾野剛)の無実を信じ、権力に立ち向かう。事件の鍵を握る美女・亜以子(小雪)に隠された真実の愛とは。

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各回のあらすじ

第1回「色男死す」
私立探偵・増沢磐二(浅野忠信)は、キャバレーの駐車場で一人の男(綾野剛)と出くわす。男は妻で女優の原田志津香(太田莉菜)の車から、雨の中に放り出された。それを見ていた磐二は、男を自分の事務所に連れ帰り、暖かいコーヒーを淹れてやる。
「何の得も無くても、クズを拾ってきてコーヒーを飲ませたいと思う人間だっているんだよ」という磐二の言葉に目を潤ませた男の名は保といった。以来、二人はたびたびバーに一緒に飲みに行くようになる。
数か月後の深夜、血まみれの保が磐二の事務所に現れる。「これから台湾に逃亡するから横浜港まで連れて行ってくれ」という保を磐二は黙って車に乗せる。別れ際に保は言う。「あなたのように、何の見返りも求めず、ただ自分が正しいと思う方を選ぶことのできる人間になりたかった」と。そして、もし台湾なんかに逃げずに警察に行くべきなら僕を呼び止めてくれ、と言い残し、船に向かって歩き出した。磐二は激しく迷うが、何も言わずに港をあとにする。
翌朝、志津香が死体で見つかった。そして磐二は妻を殺した保の逃亡を幇助したという容疑で逮捕された。磐二は手荒い取り調べを受けるが口を割らない。ところが数日後、磐二は突然釈放される。保が台湾で自殺を図ったとの知らせが入ったのだ。磐二は釈放されたが、世間は意外なほど静かだった。金、セックス、血の匂い。ゴシップ欄一面を何週間も飾れるはずのネタだというのに・・・。
警察署の表に出ると、新聞記者の森田が一人待ち構えていた。「おかしいと思いませんか?この事件にはピタリと蓋がされたんです」殺された志津香の父・原田平蔵は次の衆院選に出馬する。しかしこの騒ぎが長引くほど選挙に不利。保を殺した方が話は早い…。
「あなたこそ原田保の無念を晴らしてやるべきじゃないでしょうか」
森田は挑発的に磐二を見上げるのだった。

第2回「女が階段を上る時」
増沢磐二(浅野忠信)が釈放されてすぐ、事務所に不快な電話と不可解な客があった。不快な電話は一度警察署の接見室で会った遠藤弁護士(吉田鋼太郎)。一方不可解な客というのは正岡虎一、通称正虎(やべきょうすけ)。正虎は戦後の闇市を牛耳り、今は賭場とキャバレーを仕切る男だ。戦時中、保に命を救われたことがある。以来正虎は何があっても保の面倒は自分が見ると心に決めていた。しかし、よりによって一番肝心な時に保は磐二を頼った。それが許せないと言うのだ。奇妙なことに、弁護士と正虎は同じことを要求していた。つまり「この事件から手を引け」と。話を聞いた記者の森田は「その二人は事件に裏があることをご丁寧に教えてくれたようなもんじゃないか」と目を輝かす。
その後、増沢磐二事務所に出版社の社長・羽丘(田口トモロヲ)から仕事の依頼が入る。
磐二への依頼は、上井戸譲治(古田新太)というベストセラー作家が酒浸りで執筆が滞っているので立ち直らせて欲しいということだった。磐二はそれは医者の仕事だと断る。しかし翌日、事務所を訪ねてきた譲治の妻・亜以子(小雪)から、行方不明になった夫を探し出すだけでもお願いできないかと懇願され、渋々引き受ける。亜以子から、どこかの病院に匿われているのではないか、ということを聞き、磐二は闇医者から情報を集め、上井戸譲治が入院している病院を特定、譲治を上井戸家に連れ戻すことに成功する。帰り際、「怖いからもう少し家にいてください」という亜以子に磐二は強引にキスをした。「私をあまり買いかぶらないでください」と。
数日後、台湾に渡った保から手紙が来る。「僕の事で多大な迷惑をかけました。ヴィクターズでギムレットを一杯注文して、僕の事は忘れてください」と書いてある通り、磐二はバーで一人ギムレットを注文する。そこに一人の女(冨永愛)が近寄ってきて隣に座る。
「私の名は高村世志乃、旧姓原田世志乃。女優をやっていた妹がこのまえ死んだわ」
女は原田志津香の姉だったのだ。女は磐二をテーブルに誘う。磐二は黙ってその後に続くのだった。

第3回「妹の愛人」
磐二は世志乃とバー「ヴィクターズ」で初めて会ったが、それは偶然ではなく、世志乃が磐二のことを調べて近づいてきたのだった。今時珍しいくらい誠実な磐二という男に会ってみたくなったのだという。しかし磐二は世志乃の父が保を消した可能性があるとして「平蔵が真犯人を見つけていれば保は死なずに済んだかもしれない」と責める。
世志乃はその言葉が聞き捨てならず、磐二の頬をピシャリと殴り店を出て行った。
数日後、上井戸家で行われた譲治の文学賞受賞記念パーティーで磐二は世志乃と再会。磐二は、譲治と志津香はかつて関係があったことを世志乃から聞かされ驚く。
パーティーが終わり、磐二は亜以子に何故譲二と結婚したのかを聞く。
第4回「墓穴にて」
原田邸に呼び出された磐二の前に、原田平蔵が姿を現した。「娘を殺したのは保だ。浮気現場に出くわし衝撃的に志津香を殺した。自首しろと言ったんだが保は台湾に逃げ、怖気づいて自殺した。ただそれだけのことだ」平蔵は磐二にテレビを見せる。そこにはプロレスが映っていた。「日本人は戦争に負けて心にポッカリと穴をあけた。それを埋めるのがテレビだ。仁義、礼節、忠誠、そのような日本人が信じてきたものがあの戦争で灰になった。今、頭をカラッポにしてテレビを見てその不安を忘れればいいのだ」磐二は平蔵に食い下がって言う。「頭をカラッポにしたところで、苦痛は紛れても、この国にとって最も大事なものを奪い潰してしまうじゃないか!」それに対して平蔵は激昂するが、そこに世志乃が割り込んで二人を引き離した。磐二は世志乃に送られて事務所に戻るが、強い敗北感を感じていた。
事務所に戻ると記者の森田が待ち構えていた。森田は、保が元々松井誠一という名前だったが、戦後に戸籍を偽造して城崎保と名乗り、志津香と結婚して原田保になった、さらに保が出征前に結婚していたという情報もつかんでいた。
数日後の夕方、この日は花火大会。事務所に上井戸譲治から電話が入る。「原田保は志津香を殺していない。あの事件の事を君に話す決心がようやくついたから、今すぐ来てくれ」磐二は電話を叩ききって上井戸家に車を走らせた。上井戸家では酔っ払って上機嫌な譲治がいた。譲治は亜以子に飲まさされたらしい。譲治はその時間が楽しく、結局亜以子の魅力には叶わないとつぶやきながら寝入ってしまった。そのときドン!という花火の爆発音が響き渡る。
数時間後、亜以子が帰ってきた。磐二は譲治に酒を勧めたことを咎めるが、亜以子は知らないという。磐二は「今日は譲治の話を聞くまでは帰らない」と言い残し部屋を出て行った。そのまま2階に上がって行き譲治の寝室の前に来てみると壁に血しぶきが散っている。ベッドの中の譲治がピストルを片手に握ったまま死んでいたのだ。
パトカーが到着し、警察が半狂乱の亜以子を譲治が引き離そうとしたその時、亜以子が「この人が主人を殺しました」と磐二を指差す。
数日後、磐二の事務所に岸田刑事が来る。岸田は犯人は亜以子だと踏んでいた。眠っている譲治の手にピストルを握らせ、花火の爆発音に合わせて発砲した、その後こっそりと勝手口から出て行き、玄関に回りこんでチャイムを推したのだと。
ビルの屋上で磐二は森田に語る。原田志津香を殺したのも亜以子ではないかと。原田志津香が殺された夜、寝室にいた間男ってのが上井戸譲治だった。それで亜以子の犯行を見た。上井戸はその事実を話そうと磐二を呼びつけた。それを亜以子が察して殺した・・・。しかし、それほど愛してもいない譲治を寝取られただけで亜以子は志津香を殺すのか?磐二にもそれはまだわからなかった。
磐二は自分から亜以子を訪ねる決意を固めた。亜以子が直接会いたくないというので出版社の羽丘を間に立たせることにした。磐二は羽丘に言う。上井戸譲治の死は自殺じゃなかったと。そして磐二は静かに事件の真実を語り始める。素直に聞く羽丘は突然泣き出した。羽丘は事件の真相を薄々分かったいたのだ。ただ羽丘は曇った眼鏡ごしに亜以子を見つめていたかった。亜以子に恋をしていたのだ。羽丘を見つめる磐二の目には同情の色が滲んでいた。

第5回「早過ぎる」
増沢磐二(浅野忠信)は志津香殺しの犯人を割り出した。磐二は調査した事実をもとにギリギリまで犯人を追い詰めるが、うまくかわされてしまう。しかし翌日、犯人は遺書を残して自殺。遺書には生々しい事件の真実が書かれてあった。そうして一連の事件が結末を迎えたころ、磐二に会いたいという台湾人が現れる…。

キャスト

増沢磐二(浅野忠信)
原田保(綾野剛)
上井戸亜以子(小雪)
上井戸譲治(古田新太)
高村世志乃(冨永愛)
森田記者(滝藤賢一)
原田平蔵(柄本明)

脚本・主題歌など

【原作】
レイモンド・チャンドラー
【脚本】
渡辺あや
【音楽】
大友良英

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