ストーリー
アルバイトや派遣で様々な職を転々としてきた柴田春子(27)。やりがいのある職を求め、博多織の職人養成学校「博多織キャリアカレッジ」へ入学、就職準備用の帯の図案を書きながら、機を織る毎日を過ごしていた。
カレッジは手織り職人を育成し、博多織の未来を託そうと作られた。講師は博多でも指折りの職人・岩井仙助(73)。しかし当の仙助は、今時の若者が根気よく技術を習得できるのかどうか、半信半疑である。
ある日、春子は普段から慕っている祖母・紀和(75)から、若い頃の浴衣姿の写真を見せられる。見たこともない素晴らしい絵柄の帯。今は失ってしまったが、夫に買ってもらった思い出のものだという。実はその帯は、若き日の仙助が情熱を込めて織り上げたものだった。