土曜ドラマ
「氷壁」

初回放送

2006年1月14日(土)から放送[連続6回]
毎週土曜午後10時 総合

ストーリー

世界的なトップ・クライマーの奥寺(玉木宏)がついに最難関の高峰K2に挑む。ザイルパートナーは友情で結ばれた北沢(山本太郎)。用具を取り揃えた大手スポーツメーカー・ヤシロの全面バックアップを受け、日本を代表する二人のクライマーがK2マジックライン登攀に挑む。

K2登攀の途中、奥寺は北沢から、北沢の妹・ゆかり(吹石一恵)の気持ちを告げられる。北沢もまた奥寺からヤシロの八代社長(石坂浩二)の妻・美那子(鶴田真由)への気持ちを問いただされる。K2で二人は次第にお互いの心をさらけ出していく。日本に残った八代と美那子もK2にそれぞれの思いをはせていた。「K2から生還したら美那子さんをください。」八代は、出発直前に北沢から妻・美那子への気持ちを告白されていた。

登攀4日目。奥寺たちはついにマジックラインの核心・トラバース区間に到達する。標高8000m。極端な低酸素の中、二人の体力は消耗していく。翌日、急峻な岩溝“三日月のガリー”に達した二人の前に70メートルもの垂直の氷壁が聳え立つ。低温のためベース・キャンプとのトランシーバーが交信不能になった直後、雪崩が襲い北沢は足を骨折。そこは雪崩の巣だった。復旧したトランシーバーで奥寺はアタック中止を伝える。K2登攀は失敗した。どう生還するかが次の問題だった。奥寺は、雪崩の巣を避け、北沢とともに氷壁をいったん登り、ノーマルルートへ出て下山する方法を選ぶ。最後の力を振りしぼってロープを氷壁に張り、奥寺は北沢を先行させ氷壁を登り始める。しかし、北沢は滑落してしまう。

その死は大きな謎に包まれていた。帰国後、ヤシロを代表した智之(武田真治)は、滑落は北沢の操作ミスが原因とマスコミに話す。それを否定した奥寺は、ヤシロの用具・カラビナに不具合があったと発言し、大騒ぎになる。

社長の八代は北沢の操作ミスを主張し、信用毀損で奥寺を訴える。友の名誉を守るため、奥寺は北沢の妹・ゆかりや、母・秋子(吉行和子)とともに、法廷で戦うことになる…。

もっと読む

各回のあらすじ

第1回 「運命のザイル」
世界的クライマー・奥寺恭平(玉木宏)は親友・北沢(山本太郎)から難関の高峰K2挑戦に誘われる。スポーツ用具メーカー・ヤシロの社長・八代(石坂浩二)と息子の智之(武田真治)は会社の生き残りをかけ、北沢のK2挑戦を全面援助する。スポンサーが付くことを嫌う奥寺は誘いを断り、北沢の母・秋子(吉行和子)と妹・ゆかり(吹石一恵)は北沢の身を案じる。そんな折、奥寺は八代社長の妻・美那子(鶴田真由)と知り合う。

第2回 「生死を賭けた挑戦」
奥寺(玉木宏)と北沢(山本太郎)はK2マジックラインルートに踏み出す。八代(石坂浩二)は、妻・美那子(鶴田真由)への北沢の思いを知り悩んでいた。ヤシロ製登山用具カラビナを作る美那子の兄・工藤(高橋克実)は、八代と美那子の夫婦仲を心配する。登攀(はん)4日目、奥寺たちは標高8000m「三日月のガリー」に到達。70mもの垂直の氷壁が現れる。そこへ雪崩が襲い北沢は足を骨折する。そこは雪崩の巣だった。

第3回 「愛と疑惑」
北沢(山本太郎)の葬式に、妻・美那子(鶴田真由)と出席したヤシロ社長・八代(石坂浩二)は、山仲間たちに責められる。カラビナを作った工藤(高橋克実)は、八代にカラビナの故障はありえないと断言。八代は発言を撤回するよう奥寺(玉木宏)に迫るが、拒まれる。八代は信用棄損で奥寺を訴える。裁判が始まった。美那子への思いをつづった北沢の手紙を奥寺は隠し通したため、不利な状況に追い込まれる。
第4回 「裁かれたプライバシー」
奥寺(玉木宏)は、美那子(鶴田真由)への思いを抑えきれなかった。裁判が始まる。奥寺が氷壁を登ったのは、北沢(山本太郎)を救助するためであることを知っているはずの森脇(石丸謙二郎)が寝返り、奥寺は苦境に。さらに、北沢の美那子あてのメールを突き止めた智之(武田真治)が法廷でそれを暴露し、奥寺は窮地に追い込まれる。孤立する奥寺に八代(石坂浩二)は和解案を示すが、奥寺は応じない…。

第5回 「戻れないふたり」
奥寺(玉木宏)は、裁判で敵側の八代(石坂浩二)の妻・美那子(鶴田真由)とデートをする。今は亡き北沢(山本太郎)の思い出を話すうちに2人は思いを寄せ合い、唇を重ねる。その直後、八代が病で倒れ息子の智之(武田真治)は美那子を責める。デートを知った秋子(吉行和子)たちも奥寺から離れていく。鑑定実験でカラビナは壊れず奥寺は窮地に立つ。そしてついに美那子が証言台に立つが、予想外の証言に法廷は大騒ぎになる。

第6回 「山男の伝説」<終>
美那子(鶴田真由)と暮らすため、奥寺(玉木宏)は山を捨てることを決意。智之(武田真治)の進言を聞かず、八代(石坂浩二)は離婚を拒否。北沢(山本太郎)の遺体が発見され、奥寺は、K2で亡骸(なきがら)に向き合う。北沢の死の真相がついに判明する。再び山への思いが募る奥寺を、秋子(吉行和子)やゆかり(吹石一恵)は止めようとする。美那子との将来も考え、奥寺は苦悩する。

キャスト

奥寺恭平(玉木宏)
八代美那子(鶴田真由)
北沢 彰(山本太郎)
八代智之(武田真治)
北沢ゆかり(吹石一恵)
工藤敬一(高橋克実)
南部大介(伊武雅刀)
北沢秋子(吉行和子)
八代哲夫(石坂浩二)

脚本・主題歌など

【脚本】
前川洋一
【原作】
井上 靖「氷壁」
【主題歌】
リベラ「彼方の光」
【音楽】
村松崇継

ページトップへ