ストーリー
中学1年の谷口一香(橋本麻由)は、津波で家が流され母親が亡くなった。今は、田野畑中学校のグラウンドに建つ仮設住宅で、漁師の父・喜一(三浦誠己)、祖父・朝夫(運萬治男)と3人で暮らしている。
一香の冬休みが始まった日、ひとりの女性が都会から喜一を訪ねてくる。近藤公子(一青窈)は、数年前、夫をこの村で亡くしていた。断崖から飛び降りたのだ。その時、捜索してくれたのが田野畑の漁師たちであり、なかでも熱心に探してくれたのが喜一であった。公子は、しばらくこの村に残ることを決め、息子の司(津波古太輝)を呼び寄せる。
公子と司に田野畑を案内することになった一香は、一緒に海沿いを歩く。更地となってしまった家の跡、崩壊した防潮堤、列車が来ることのない線路。子どもらしい無邪気さで線路を歩く一香と司だったが・・・・・・。