時代劇シリーズ
「蔵」




初回
放送

2002年2月15日(金)から放送[連続6回]
毎週金曜午後9時15分  総合

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各回あらすじ

第1回
正8年冬の夜明け、新潟の酒造家・田乃内家に九人目の娘が生まれた。「死神にも負けない名前を」と思い、当主の意造は「烈」という名前を与える。意造43歳、その妻、賀穂33歳の時である。
烈が無事1歳を過ぎた頃、意造は病弱な賀穂を気遣い、妻の実家・佐野家から未だ嫁に行っていない義妹の佐穂を烈の養育係に招いた。烈は佐穂の親身な世話によくなつき、順調に育った烈は誰よりも佐穂を好いていた。そして烈6歳、大正13年の春、佐穂は小学校入学を控えた烈の目に異常を発見する・・。

第2回
意造と佐穂は、目に異常の見つかった烈を東京の帝大病院へ連れて行く。若い医師は職業的な正確さで、「網膜色素変性症で、緑内障も伴い、間もなく視力が落ちます。視野狭窄が進行し、やがて失明します。残念ながら治癒法はありません」と告げる。
 意造は烈に眼鏡を与えるが馴じめない。むらも賀穂も悲しみにくれ、むらは水垢離の行に、賀穂は三十三ケ所観音詣を申し出る。
 そんなある日、田乃内家は酸っぱい匂いに包まれる。造っている酒に雑菌が入り起こる”腐造“である。大きく掘った穴に菌に冒された酒が惜しげもなく捨てられる。腐造を出した杜氏は辞めるのがこの世界の掟で、蔵人全員が田乃内家を去っていった…。

第3回
大正14年秋、痛手から立ち直った意造は、古町の料亭で出会った芸者・せきを後添えにしようとする。それに反対するむらは、賀穂の遺言だと、密かに意造に思いを寄せていた佐穂を口説く。意造は決心して佐穂を呼ぶが、その口から出たのは佐穂にとって余りに酷な答えだった。
 そっと手荷物をまとめ、佐穂は田乃内家を出る。蒼白な顔をした烈は、佐穂を追って新発田へと雪の道を行く…。
第4回
烈とせきの関係が悪くなる中、せきは意造の子を妊娠する。喜んだ意造は何かとせきの面倒を見るが、その年の暮れ、病んでいたむらは「あんげな財産目当ての女を寄せ付けては、田乃内家も危ね…」と嘆きつつこの世を去る。
 年を越え、せきは元気な男の子を産んだ。丈一郎と名付けられたその子は意造の溺愛を受ける。最初は反発していた烈も、幼子の可愛さにいつしか丈一郎の面倒を見るようになる。
 ところがある日、とつぜん丈一郎の姿が見えなくなる。家中総出で丈一郎を探すのだが、目を離した隙に丈一郎は事故死してしまう。力を失った意造は家中の者を集め、意外な宣言をする…。

第5回
烈は、閉じられて久しい藏を開きたい…と意造に申し出る。しかし意造は、藏に女は入れない習慣だとこれを拒む。しかし烈は、酒造りの神と言われる京都の松尾神社へ連れて行って欲しいと頼み込む。意造も気分を変えようとそれ許し、二人で京都へと行く。
 昭和9年3月、烈は松尾神社の神職に、なぜ女は酒造りが出来ないかと問う。しかしその答えは意外で、松尾神社には男神・女神の二体が祀られており、女でも別にかまわないと言うのだ。烈に計られた形で、意造は烈が酒造りをすることを許す。こうして烈の酒造りが始まるのだが…。

第6回
意造は「烈が蔵人の涼太を好いている」と佐穂から聞くが、それを一笑に付す。烈は、意造とせきが結婚していることを非難して、身分の違いは関係なく、なぜ自分は涼太と結婚できないのかと質す。意造は答えに詰まるが、征義との結婚が一年後に控えていると烈を怒る。
 昭和10年4月、せきが再び妊娠する。しかし、せきと意造にはもう関係がなかった。意造はせきを突き飛ばして責めるが、体面を気にして離縁を認めようとはしない。二人が離縁したのは秋風が吹く頃であった。
 11月になり、今年も酒造りのために蔵人がやって来た。しかし、今年の蔵人の中には涼太の姿はなかった…

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