過去の放送2017年度

長文問題に強くなる!芥川賞作家の文章術

2017年7月31日(月) 放送

芥川賞作家直伝!長文問題に強くなる文章術/カワイイ厳禁!?形容詞を使わない表現術/“怪談話”に読者を引き付ける秘策が/続きが読みたくなる“書き出し”テクニック/シソンヌ日本史コントも!

国語で苦手な問題は何ですか?
街で中高校生に聞いてみると、長文読解や、文章を読んで人の気持ちを読み解くなど、長文問題が一番苦手だってことが多いみたい。

一方、女子聖学院中学校高等学校の生徒たちは、「国語の授業が好き」「授業が楽しみ」なんだって。
彼女たちが受けているのは「物語」を書く授業。登場人物の設定から、物語の構成、文章のテクニックまで教えてるんだ。
物語を書くことで、考えをまとめるチカラ、文章を読み解くチカラが身につくので、国語の成績アップにつながるんだって。

というわけで! 今回はみんなで、イケてる文章を書くテクニックを学んじゃおう!

出演:板倉俊之(インパルス)、山口綾子(怪談師)、羽田圭介(作家)

言いたいことが上手く文章で伝えらない①

文章力は勉強に役立つ。でも、イケてる文章を書くのって難しい。
では、ダメダメな文章を書いてしまう理由はなんだろう?

ダメダメな文章、その1。それは、何が言いたいのかわからない文章。
言いたいことが、上手く文章で伝えられていないんだ。

写真の内容を伝えてみよう

この赤ちゃんの様子を誰かに伝える時、どのような文章を書けばよいか、考えてみよう。
例えば「かわいい赤ちゃん」と書くと、「かわいい」の基準が人によって違うので、抽象的な表現になってしまう。読み手にとっては、写真がどうかわいいのか、想像しにくいんだ。

読み手に伝わる文章を書くためのポイントは、具体的に描写することなんだ。
では、具体的な描写をするには、どうしたらいいのだろう。

テクニック1 形容詞を使わない

1つ目のイケてる文章を書くテクニックは「形容詞を使わない」こと。
かわいい、うれしい、たのしい、うつくしい、おいしいなど、すぐに使いたくなっちゃう形容詞。でも、それを使わないことで具体性が生まれるんだ。

<例>

ほっぺがぽちゃぽちゃの赤ちゃんが、私にニコニコ笑いかけた

赤ちゃんのかわいさを「かわいい」という形容詞を使わず、「ニコニコ笑いかけた」という動詞を使って表現する。すると、赤ちゃんの様子が具体的になって、読み手に伝わりやすくなるんだ。

言いたいことが上手く文章で伝えらない②

次の文章を読んでみよう。

放課後にトイレに行った時に、とても怖い体験をしました。変なにおいがしたので、何だろうって思ってトイレの中をのぞいたら、赤い服の女がでてきて、追いかけられてすごく怖かった。猛ダッシュで逃げ切ったけど、とても怖かった。

この文章は「怖い」と言うだけで、具体的な怖さがあまり伝わってこない。
では、どうやって「怖さ」を伝えたらいいのだろう。

テクニック2 五感に訴える

具体的な描写をするテクニック。2つ目は、五感を使うこと。
五感とは身体で感じる5つの感覚。目で見る視覚、耳で聞く聴覚、触って感じる触覚、においをかぐ嗅覚、そして味わう味覚の5つ。

文章の一部を、五感を使って表現すると次のようになる。

そのドアの前まで言ってピタっと触ってみると、何だかいつもよりヒヤッと冷たい感じがする(触覚)。
「わ、何だろう…」と思うと同時に、ギィー、音を立てて(聴覚)
ゆっくりと開いていく(視覚)。
開いていくのに合わせて、そのにおいがモワッとキツくなり(嗅覚)
ピチャン、ピチャン…… 何かが滴り落ちる音もする(聴覚)

まるで、その場にいるような文章になるんだ。

普通にドアを開けたという事実があったとしても、どう聞こえたのか、聴覚を使ってギィーっと音を入れてみたり、自分がどう感じたかを入れることによって臨場感が出ます。
自分しか体験してないこと。それを五感を使って伝えることは、すごい大事だと思います。
(怪談師 山口綾子)

僕の小説は「においが伝わってくるね」と言われることがあります。実際には鼻がすごく悪くて、においはわからないんです。
だからこそ、嗅覚が悪い分、想像してにおいを書く。それが効果的に小説の中で出せていると思います。
五感を想像しながら書くのは、効果的です。
(作家 羽田圭介)

五感を使って表現すると、具体的で伝わりやすい文章になるぞ。
そして、テストにも役立つんだって。

作家も五感を使って登場人物を描写することが多いので、五感を使うトレーニングを積めば、登場人物の心情を読み解く問題などで、点数アップを狙えます。
(女子聖学院中学校高等学校 国語科教諭 筑田周一さん)

読みたいと思ってもらえない

ダメダメな文章、その2。それは、読みたいと思わない文章。
次が気になって読まずにはいられない。そんな「心をつかむ文章」を書くにはどうすればいいのだろう。

心をつかむ書き出し

心をつかむ文章の第一歩、それが心をつかむ書き出し。
文章の最初で、読みたいと思わせる重要な部分なんだ。

読み手を引きつける書き出しにはパターンがある。
それは「意外性」「奇妙」「セリフ」の3つ。それぞれ、代表的な作品で見てみよう。

<パターン1 意外性>

「朝、目を覚ますと巨大な虫になっていた」という「意外性」のある書き出し。
これだけで、その世界に引き込まれて、続きが気になっちゃうよね。

<パターン2 奇妙>

「猫が主人公?しゃべるの?」という「奇妙」な書き出し。
当時は猫目線の物語はなかったので、賛否両論を巻き起こしたんだって。

<パターン3 セリフ>

しゃれたセリフは、まるで映画の1シーン。
いきなり作品の世界に入り込み、臨場感を味わうことができるんだって。

そして、心をつかむ書き出しも、テストに役立つ!

書き出しを工夫すると、読み手を意識するので、説得力のある文章が書けるようになります。また短くまとめる力もつくので、「何文字以内に答えなさい」という問題が、得意になります。
(女子聖学院中学校高等学校 国語科教諭 筑田周一さん)

さらに、志望理由書でも役に立っちゃうんです。

心をつかむ書き出しは、志望理由書でも役立ちます。多くの志願者がいる中で、書き出しを工夫すれば、印象に残るので、面接に呼びたいと思われます。
(AO・推薦入試専門塾代表 小杉樹彦さん)

イケてる文章を目指そう

最後に、作家の羽田圭介さんからメッセージがあるよ。

国語の読解力で重要なことは、読書です。 本を読みさえすれば、文章能力は無意識の内に上がっていきます。だから、読むことは書くことでもあると思います。
僕も書くトレーニングはたいしてしてなかったけど、そのかわりに本をたくさん読んでいたので、文章の型ができあがって、書けるようになりました。
文章能力を向上させたいなら、読書が一番有効です。

いろんな本を読むと、作者がどうやって伝えたいのかがわかってきます。そして、こう書かないと伝わらないということも。
それは、量をこなすしかありません。
(作家 羽田圭介)

長~い夏休み、イケてる文章を書けるように、キミもどんどん本を読んでみよう!

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