岩合光昭さんに聞いた、ネコとの出会いから、被写体にするまで

ドキドキ!岩合さん直撃インタビュー前編にゃ♪

これ見てにゃん

今週のにゃびゲーター

ギュウー
「ネコ歩き」が始まるとTVから離れられない。お風呂場でお湯を手ですくって飲むのが日課。
プロフィール
『世界ネコ歩き』で、文字通り世界中のネコを撮り続けている動物写真家の岩合光昭さん。
多くの人の心を惹きつける写真と映像を生み出す岩合さんに、ネコとの出会いから『世界ネコ歩き』の撮影秘話までじっくりとうかがいました。


僕は東京で生まれ育ったので、自然や動物に親しんで大きくなったわけではありません。家は京浜工業地帯の蒲田にあった都営住宅。ですから、子ども時代はイヌやネコを飼ったこともなかったんです。ただ、父が動物写真家だった関係で、家に時々昆虫の卵が来て、それを孵化(ふか)させていました。気が付いたら布団の中がカマキリの赤ちゃんだらけだったこともありましたね(笑)。

イヌは近所の大工さんの家に飼われていたコロのことをよく覚えています。飼い主が大工さんだけに、立派なイヌ小屋に住んでいて、そこに入ってみたいと思ったり(笑)。一方、ネコについてはすごく奥手で、初めて間近に見たのは高校生になってからでした。ただ、その印象が非常に強烈だったんですよ。友達の家に遊びに行ったら、28匹もネコがいて(笑)。そのうちの一匹を友達が肩に抱き上げながら僕に見せてくれました。ネコは肩に乗っていますからこちらを向いていて、友達は向こうを向いている状態。生まれて初めて、手を伸ばせば届くような距離でネコを見た瞬間、「すっごい動物だな!」と、かわいいを超えて、その魅力というか魔力にハマってしまったんです。一瞬にして目頭が熱くなり、涙が流れそうになったから、友達が振り返ってこちらを見るまでに繕わなきゃいけなくて。まだ高校生だったので、恥ずかしくてね。友達もたくさんいる中で一番かわいいのを抱き上げたのだと思うけれど、その存在感に圧倒されてしまいましたね。

初めて自分でネコを飼ったのは、大学生になってから。雨の日に電信柱の前を通り過ぎようとしたら、段ボール箱が目に入って…。中をのぞいてしまったんです。オス、メスの子ネコがみゃーみゃー鳴いていたのを見て、連れて帰らざるを得なくなった。それが最初でした。その頃すでに、写真家を目指していたのですが、実は動物写真家にはマイナーで地味なイメージがあり、一見きらびやかなファッションや女性を撮るカメラマンに憧れていました。父の職業柄、当時から家には写真集や写真にまつわる本はたくさんあって、僕はそのなかでヨーロッパの女流作家が撮ったネコの写真集をすごく気に入っていました。ある時それを見て、「僕も挑戦してみよう」と思い立ち、家に来た子ネコを撮ってみたんです。でも、当然のことながら写真集に載っていた作品のようには上手く撮れず、「どうしてだろう?」と思ったのが、動物写真を撮り始めたきっかけですね。一朝一夕ではできないと身に染みました。そこからは挑戦で、機会があるごとにネコの写真を撮っていたんです。

実は一番最初に出した写真集もネコ。当時はネコの写真と言えば、バスケットに入ったペルシャやシャムネコが、こっちを向いて首をかしげている「かわいいでしょ?」というような写真が主流。でも僕にとっては、街で出会うネコが魅力的でした。野生動物を見ていたからか、野良ネコが時折見せる野生にすごく惹かれたんです。だから、ステージングされた写真ではなく、本来の輝きを撮ってみたいと思ったのですが…、やはり当初は受け入れられなかったですね。「こんな汚いネコの写真、なんで?」とよく言われたものです(笑)。

ネコ好きな人はもとより、どちらかというとイヌ派の人をネコ好きにもさせるには、やはりネコの動きを含めた輝きを切り取ってお見せしなくては! そんな風に思い、僕が試みたのは、そのネコを育てた風土を取り込みながら、出来る限りネコの側に寄って撮影することでした。その土地、土地の特色を入れようとしたんです。それを雑誌に発表したら、すごく反響があって、連載が始まりました。それからかな、街で出会うネコの写真が認知され始めたのは。今では、写真展を開催させていただいた際に「いやぁ、昨日までイヌ好きだったけど、ネコもいいね」とおっしゃっていただけることがあり、すごくうれしいですね。僕にとっては最高の賛辞、満面の笑顔でお礼をいっています(笑)。

岩合光昭さんインタビュー 後編に続く

 今回にゃびゲーターたちが取り上げた番組はこちらです! 

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