岩合光昭さんが教える『ネコ歩き』撮影秘話とこだわりの“ネコ目線”

岩合さんインタビュー後編!なびお&なびこも興味深々の撮影秘話もりだくさんにゃあ♡

これ見てにゃん

今週のにゃびゲーター

潤(うる)
ロシアンブルーの潤(うる)。
世界ネコ歩きが大好き
プロフィール
『世界ネコ歩き』で、文字通り世界中のネコを撮り続けている動物写真家の岩合光昭さん。
多くの人の心を惹きつける写真と映像を生み出す岩合さんに、ネコとの出会いから『世界ネコ歩き』の撮影秘話までじっくりとうかがいました。


『世界ネコ歩き』が始まって1年ほどは、「この国で、ここに行けばネコがいる」という僕の持ち駒の中から、ロケ地を選ぶことが多かったです。それが、さすがに2年経つと出尽くしてしまって、今ではコーディネーターの方にお願いして候補地を探していただいています。ネコが居る場所を見つけて、知らせてもらうわけです。

その中から「ここはイケそうだ」というところをピックアップし、本格的なロケの前に1週間ほどディレクターが下見をするのですが、それでも実際ロケに行くと良い意味でも悪い意味でも想像を裏切られることがありますね。例えば、ベルギーでは撮影をお約束したお宅を訪ねると留守だったことがありました。そのお宅には絶対ネコがいるのに「しょうがないなぁ…」と。僕は「1匹ネコがいたら、近くに10匹いるだろう」と考えているので、周囲を探していたら、「あなた方、何をしているの?」とご婦人に聞かれて。撮影でネコを探しているのだと話すと、「早く言いなさいよ!うちにネコいるわよ(笑)」。お邪魔したら、かわいい盛りの子ネコがワラワラ出てきて、素晴らしい映像が撮れました。お昼になってもう一度、お約束していたお宅にうかがうと、「朝寝坊しちゃったわ。ごめんなさい」とおっしゃって、こちらでもイヌと仲良しのネコを撮影させていただけました。

『世界ネコ歩き』ではさまざまな国と地域を訪れましたが、なかでも印象的なのはヨーロッパですね。ヨーロッパはもう10か国以上でロケをしていますが、石畳の道と石造りの建物だけを見るとひんやりとした印象を受けるんです。そこにネコが一匹たたずんでいるだけで、風景が変わる。それを僕は「色気が差す」と言っているのですが、本当に温かい雰囲気になるんですよ。

ネコを撮影するときの僕なりの鉄則は、目の高さを彼らに合わせること。ネコの動きや声、周囲の音も非常に大切にしています。『世界ネコ歩き』を見てくれているネコが多いというのも、そのせいなんじゃないかな。彼らにしてみたら、画面の中に入っていけるように感じられるのかもしれません。怖がりの子は、ケンカしているネコが出てくるだけで、隠れちゃうらしいんです。そんな、ネコにも通じる「ネコ目線」を常に意識しています。

もうひとつ、ネコの前で早い動きをしないことも大切。スタッフにも厳守してもらっています。基本的にはネコを見下ろさないよう、全員座ってネコの目線に合わせる。彼らの嫌がることはしないということです。撮影時には、ネコの一挙一動、表情を見ながら、僕が距離を決めています。大勢で行くと怖がってしまうネコもいるので、最初は僕だけで入ることもあるんですよ。もちろん、大勢で行っても平気な子もいるので、みんな一緒に行って撮影することもあります。そこは「ネコ様次第」です。とはいえ、ネコの機嫌によっては撮影ができなくなることもしばしば。昨日はごきげんで撮影させてくれたのに、今日はダメだったり、その逆もあります。そこはもう臨機応変に対応するしかありません。

撮影は過酷です。ですが、1か国に9~10日間の撮影時間をいただけることはとても幸運だし、番組にとっても重要なことだと思います。時間的制限を受けず、じっくりネコたちと向き合って撮影できるのですから。よく視聴者のみなさんから、「岩合さんの周囲にはネコが寄ってくる」と言われるのですが、彼らの自然な姿を撮影できているのは、気長なネコとの対話や待ち時間があるからこそと思っています。すべては「ネコ様次第」。あるがままの姿こそが一番の魅力です。

岩合光昭さんインタビュー 前編

 今回にゃびゲーターたちが取り上げた番組はこちらです! 

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