松下将子役 新垣結衣

特集ドラマ「絆~走れ奇跡の子馬」

東日本大震災で傷ついた、ひとつの家族の物語――。さまざまな困難と闘いながら、震災の日に生まれた子馬を夢の競走馬へと育てていく家族の姿を、福島県の相馬を舞台に圧倒的なスケールで描くスペシャルドラマが2夜連続で放送されます。

NHKのドラマへの出演はこの作品が初となる新垣結衣さん! 松下家の長女・将子役を演じて見えた南相馬や作品への思い、撮影現場でのエピソードなどを伺いました!

――南相馬の風景や馬とのふれあいなど美しい映像が印象的ですが、撮影時の思い出は?

 去年の6~8月までの3か月間、この物語の舞台となった福島県の南相馬市と北海道の牧場などでロケをさせていただきましたが、実は北海道の牧場地は高原なので、気候的には夏というより朝晩寒くて少し着こまないといけないくらいで驚きました(笑)。一方、南相馬では地元の方のご協力で「野馬追」のお祭りを再現していただいたのですが、その時は蒸し暑く、普通の服を着ている私たちよりも甲冑をつけて祭りに参加する皆さんが本当に大変そうでしたね。


――ドラマには南相馬の地元の方たちも、たくさんエキストラとして登場されているそうすね。

 そうなんです。東日本大震災という災害を描くドラマですし、最初はとってもデリケートな部分があるなと思って撮影に臨んだのですが、むしろたくさんの元気を地元の方たちからいただいて……。本当に大変なことが起きたけれど、前を向いていこうとするエネルギーを、皆さんとの触れ合いの中でひしひしと感じることができました。

野馬追のシーン。将子の兄・拓馬 を演じる岡田将生さん

――相馬野馬追の撮影はいかがでしたか?

 野馬追を再現していただくなかで、私たちにも改めて、地元の皆さんがどれだけこのお祭りを大切にしているかがすごく伝わってきました。千年以上続く、町の誇りなんだなって。東日本大震災が起きて、町の人たちもこの祭りを続けるか続けないか、すごく迷ったそうなんです。でもこの祭りがなくなってしまうと“南相馬の町ではなくなってしまう”というくらい、地元の人にとっては魂のようなものなんだなと感じることができました。そういう祭りや、馬への思いの根っことなる部分を皆さんのお話から知ることができて、役を演じるうえでも生かすことができたような気がします。


――新垣さん演じる将子という役については、どんなふうに思いましたか?

 東京で働き1人暮らしをしていた将子ですが、本当は彼女には彼女なりに描いていた夢があったのだと思います。それが震災で大切な家族を失い、大きく運命が変わって……。その悩みや苦しみは、私が共感できるレベルをはるかに超えていました。でも将子がリヤンという子馬を育てることに没頭することで自分や家族、故郷を見つめ直したように、私も子馬と演技をしているうちに、自然とこの役の気持ちに寄り添えたような気がしたんです。ぼんやりしていると馬は私をよく見ているので、なめられてはいけない、しっかりしなきゃって……。まさに将子のように、馬と成長していくような感じが自分の中にありました。


――将子の父を演じた役所広司さん、母を演じた田中裕子さんとはどんなことを話しましたか?

 私も役所さんも田中さんも、そんなに言葉数が多い方ではないタイプなのですが(笑)。一緒にいてとても心地よい空気をお二人が作ってくださいました。言葉がなくてもむしろ自然でいられるような。それと役所さんは、「自分が考える演技を、どんなふうにでもぶつけてきてくれていいよ。受け止めるから」と言ってくださったのが印象的でした。久しぶりにお会いしたときに、感謝の気持ちを込めてそのことをお話したら、「え!? そんなこと言ったっけ?」と覚えていらっしゃらなくて(笑)。でも、とてもさりげなく支えていただけてうれしかったですね。田中さんは、本当の母のように、ロケの待ち時間でもすっと肩が触れるような距離でいてくださったり、ぽつぽつと話す言葉がとても優しくてじんわり心にしみたり、「ああ、将子のお母さんはこの人だなぁ」と自然と思える方でした。


――また、将子の兄・拓馬を演じた岡田将生さん、幼なじみの夏雄を演じた勝地 涼さんとの共演はいかがでしたか?

 岡田くんは実は年下なんです。これまでにも共演させていただいたこともあり、撮影前は「お兄ちゃん役で、大丈夫なのかなぁ」なんて二人で話していたのですが、現場に岡田くんが立っていたときにはもう堂々とした、松下家の太陽のような存在の、将子自慢の“兄・拓馬” でいてくれて、「さすがだな」と思いました。なので私も安心して妹でいられました(笑)。勝地さんとは“初めまして”だったのですが、ご本人のキャラクターなのか、将子にとって一番安らぐ存在が夏雄だったのと同じように、とても和やかなムードで接してくれてありがたかったです。アドリブもときにうまく交じえて、こちらが幼なじみとして入っていきやすいような雰囲気を作ってくださって。夏雄は方言で話す場面も多いので大変そうだったのですが、いつも明るく現場を盛り上げてくれていました。


――ドラマを見る方にメッセージをお願いします。

 今回は東日本大震災ということが根底に流れてはいますが、登場人物それぞれが家族や故郷、そして人生の夢や目標など、さまざまな壁にぶつかりながら懸命に生きている物語です。将子をはじめ、いろいろな役柄の人に共感してドラマを楽しんでもらえると思うので、ぜひたくさんの方に見ていただけたらうれしいなと思っています。

プロフィール

新垣結衣(あらがき・ゆい)
新垣結衣(あらがき・ゆい)
1988年、沖縄県生まれ。2001年、女子小中学生向けファッション誌『二コラ』にてモデルデビュー。2004年から女優として活躍。以後、ドラマ、映画、テレビCMで幅広く活躍。「マイ☆ボス☆マイ☆ヒーロー」(日本テレビ系)、「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」「リーガル・ハイ」各シリーズ(フジテレビ系)など出演作多数。2016年は「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)の森山みくり役でお茶の間の人気をさらう。NHKでのドラマ出演はこの作品が初となる。

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