玉ノ井部屋の『“けんちん汁”風 豚ちゃんこ』~前編~

PR3号の“ちゃんこ”巡業

まもなく大相撲、夏場所が始まります!
力士の体を支えるのは、そう、“ちゃんこ”♪
相撲部屋を訪ねて“ちゃんこ”を紹介する、PR3号の“ちゃんこ”巡業・第3弾。
今回は、玉ノ井(たまのい)部屋のちゃんこを調査してきましたよ。

名横綱・栃錦の流れをくむ 玉ノ井(たまのい)部屋

東京・足立区

ドドーン! 堂々たる鉄筋コンクリート3階建ての建物が、玉ノ井部屋でございます。
扉をそろりと開けると…体と体がぶつかる重~い音が聞こえてきましたよ。

いざ、けいこ場へ。
上がり座敷の真ん中からけいこを見つめるのは玉ノ井親方、元大関・栃東(とちあずま)。
向こう側に見えるのは父上である先代で、元関脇・栃東…そう、父子二代で「栃東」を名乗ってたんですね!
それぞれが力士に、体がぶつかる角度、腕の使い方など、細かく指導なさいます。
お二方とも技巧派で知られた方ですから、いや、ぜいたくなけいこ環境ですね。

玉ノ井親方の両足首にミサンガ発見!

部屋で番付トップの富士東(ふじあずま)関は、「十両」というクラスの七枚目(上から7番目)。
地元、足立区出身の29歳です。

181.0cm、186.0kg(む、体重の方が数字が大きい…)。
実は、幼稚園などのイベントで子どもたちに「トトロ」と呼ばれて人気者なのだそうです。
子どもが大好きというご本人も、この呼ばれ方、けっこう気に入っているのだとか。
でも、「トトロ」のふんわかイメージとは違って、とっても強いです…。

こちらは、十両八枚目、モンゴル出身の東龍(あずまりゅう)関。
夏場所中に誕生日を迎えて29歳になります。富士東関と同い年ですね。

けいこの時間は空気がピーンと張りつめます。
一瞬の油断が即けがにつながりますし、何よりも少しでも強くなろうという真剣さがビシビシ伝わってきます。
関取が土俵に上がると空気は一層引き締まり、息が詰まるようなけいこが続きます。

キッチンに潜入!

激しいけいこが続く中、早めに終える力士たち…この日の“ちゃんこ番”です。
体についた土や汗を急いでシャワーでザッとだけ洗い流し、ちゃんこ作りにとりかかります。

ちょっとキッチンをのぞいてみると…なんということでしょう!!
まるで、レストランの厨房です。
先代の親方が新築したときに、「食事作りはとても重要だから」とプロ仕様の設備を取り入れたそうです。

というか、まさかの「まわし」1本で料理ですか! これって、ほぼ◯…

例えば、冷蔵設備。
奥に冷凍庫とチルド室、作業台の下は冷蔵庫。
ほかに、4畳半ほどの野菜用冷蔵室もあります。
聞けば、力士1人で普通の人の3人分は食べるのだとか。
玉ノ井部屋の力士27名の胃袋を満たすんですから、準備する食材の量も半端ではありませんね。
ちなみに、毎日12升のごはんを炊くそうですよ(12升は120合…)。

肉のかたまりを料理に合わせた厚さでスライスできるミートスライサー。左手奥はミンチ機。

業務用のフライヤーも設置。
6キロの鶏肉がまたたく間に、から揚げに変わります。

服もエプロンもなくて大丈夫なのかな…よい子はマネしないでね♡

大量の鶏のから揚げを、火力の強いコンロで野菜とザッと炒めて「甘酢炒め」の出来上がり♪

酢の香りがふわ~んと漂って、それはそれは恐ろしく食欲をそそります。

から揚げは、周りはカラッと、中はじゅわっとジューシー♡
甘酢あんでさっぱり仕上げてあるので食べやすく、「もう一つ、いいですか?」という言葉が喉まで出かかったのですが、このあと鍋が控えているのでガマン、ガマン…。

鍋はといいますと、直径45cmある大きな鍋に昆布だし、しょうゆ・みりんなどを入れ、豚肉、大根、人参、白菜、しめじ、油揚げ…火加減を気にしながら11種類もの具材を入れて、ぐつぐつ。
何度も味見をしながら、最後にごま油などで調えて、「“けんちん汁”風 豚ちゃんこ」の完成です。

ごま油を仕上げに入れて香り付け。注ぎ方が豪快! 計量スプーン、使わないんですね…。
豚肉はもちろん、例のミートスライサーでやや厚めの3ミリにカット。食感が良く、だしも出て、おススメの厚さなのだそうです。

3号、ガッツリいただきましたよー。
まず、スープをひと口…しょうゆ仕立てでスッキリしているのにコクがあって、じんわり体に優しそう。
ごま油の香りがふわわんと漂い、箸も進みます。
そして、とにかく具だくさん♪

こちら、「食べやすくて、何にでも合う」と力士に人気の鍋なんですって。
何に合わせるのがおススメかたずねると、食べ物談義が止まりません。
「もちを焼いて入れると、うまいんですよ~」
「けんちんそばもいいッスよ! そばに汁が絡んで、たまんないですね~」
「寒いときは、ほうとうを入れてもいいんですよね~」
みなさん一様に、やや遠くをみつめ、幸せそうな顔でウットリと語ります。
本当においしいんだろうなぁ…うぅっ、玉ノ井部屋に住み込みたい…。

磯東(いそあずま)さん(序二段 三十六枚目)

ちゃんこ番の中心的存在、ちゃんこ長の磯東(いそあずま)さんが「うまいですよ~」と勧めてくれたのが、ぬか漬け。
ポリポリッとかじると、やや浅漬けで、さっぱりした風味が口の中に広がります。

これが、驚きの自家製なんです。
ぬか床はみんなで世話しているそうですよ。
ある力士は、繰り返し主張しておりました。
「きゅうり、これから絶対うまくなるから、大量に漬けようよ、大量に!」
…これから夏に向けて、ぬか床フル稼働の予感ですね。

おっと、玉ノ井部屋のトトロ関…ではなく、富士東関のメインディッシュもご紹介しておきましょうね。

なんと、大きなボウルいっぱいのサラダ。
最近は、野菜とたんぱく質を中心に食べるようにしているそうです。
10代の頃は1回の食事でどんぶり飯を10杯ほど平らげていたそうですが、しっかりと体が出来上がった3年ほど前から、食欲がめっきり減ったのだとか。
この日は、サラダ(大)1杯、鍋を椀(大)1杯、ごはん(丼)軽め1杯、ハンバーグ、さつま揚げの炒め物…確かに“たくさん食べる普通の男性”レベル、かな…?
「食べりゃいいってもんじゃないッスねー。重くなると動きが鈍くなるし怪我も心配なんで、ベスト体重をキープするようにしてるんスよ」
ちなみに現在186kg。
ベスト体重は185kgくらいとのことですが… むむ、数字が大きすぎて感覚が…。
ちなみに、十両力士の平均体重は約155kgなのだそうですよ。

よく見ると「FUJI」って、お名前が入ってるんですね♡



“ちゃんこ”作りも見られて大満足した3号。
ふと、けいこ場をのぞくと、土俵が美しく整えられていました。

この土俵、じつは作りたてほやほや。
次回は、土俵作りのプロが登場ですよ。

〔写真・文 PR3号〕

大相撲中継夏場所 初日
5月8日(日)[BS1](サブch 102)後1:00 /[総合]午後4:00 /[ラジオ第1]午後4:05

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