レジェンド飼育員、獣医師、訓練士!
動物のプロが集結!

プロフェッショナル 仕事の流儀

1月30日(月)[総合]後7:30

一流の「プロ」の仕事に密着し、その現場を追うドキュメンタリー「プロフェッショナル 仕事の流儀」。1月30日(月)は「動物と向き合うプロたち」と題して、動物に関わる仕事をしている4人のプロフェッショナルが登場します。

動物のお仕事というと、かわいい動物と触れ合うほのぼのとした仕事風景を思い浮かべてしまうワタクシ。きっと実際の現場では、我々が知らないような大変な業務がたくさんあるんだろうなぁ……。

今回の撮影でどんな発見があったのか、番組を担当する山本隆之プロデューサーに聞いてきました!

30年間ゾウ一筋の飼育員と、新たな手法を生み出したキリン飼育員

──「動物スペシャル」では、どんなプロフェッショナルが登場するのですか?

これまで50分の放送時間で1人のプロフェッショナルを取り上げていましたが、今年度から年に数回、73分に拡大、放送時間も夜7時30分に変更にして、新たな試みを行うことになりました。「動物スペシャル」はそのひとつ。4人のプロフェッショナルが登場します。

まず、ゾウ飼育の第一人者である椎名 脩さん。椎名さんは日本で初めてゾウを“家族として育てた”という、飼育員の誰もが認める「レジェンド」的存在です。番組では、8年にわたる取材の映像とともに、椎名さんの30年にも及ぶゾウ飼育の「流儀」をご紹介します。

椎名さんは“これぞ動物園の飼育員”というイメージの方なのですが、一方でニューウェーブ的な存在としてキリン飼育員の柴田典弘さんが登場します。柴田さんは「ハズバンダリトレーニング」と呼ばれる新しい飼育方法を実践しているんですよ。

柴田さんによるトレーニングで、ここまで人間に近づけるようになったキリン

キリンは非常に繊細な動物で、体が大きいため簡単な診察や病気の治療も難しく、突然死も珍しくありません。そうした事態を変えるために実践しているのが「ハズバンダリトレーニング」で、笛や手の動きなどの合図で特定の姿勢をとらせる、人間に慣らすための訓練なんです。日本ではキリンに導入するのはあまり例がなく、実践はなかなか難しいそうですよ。

今回、動物園の協力を得て、“異例”といわれる「キリンの檻(おり)へのカメラ密着」を行いました。最初に取材にうかがった際、まず柴田さんに言われたのは、「キリンにエサを直接あげてください」ということ。するとキリンは「この人はエサをくれる人だ」と認識し、おびえなくなるそうです。
これは、はじめての人間が来るたびにキリンが神経質になってしまうリスクを回避するため、柴田さんが訓練した成果なんだそうです。

数少ない介助犬トレーナーの奮闘に、個性的な獣医師の哲学

──ほかには、どんな方が登場しますか?

介助犬トレーナーと獣医師の方が登場します。

介助犬は車いす生活をしている方をサポートする犬です。まだ日本では認知度が低く、全国で130頭ほどしか実績がありません。そのうち20頭を訓練してきた水上 言(こと)さんに取材することにしました。

車いすですと、落ちたものを拾う動作ひとつでも大変なのですが、さらに飼い主の方の症状によって「特に難しい動作」が異なります。そうした一人一人がもつ課題に対して、介助犬をどのように訓練して、ペアとして暮らしていけるようにするか、トレーナー・水上さんの姿を追いかけます。

介助犬訓練士の水上さん。とても情に厚く、泣き虫な一面も……?

そして、獣医師の塩田 眞さんは「動物専用の救急車」を作って、夜間、連絡をもらったら駆けつける、日本では珍しい「夜の動物の往診」をしています。69歳になるベテランで、「対応できる命とできない命があるのはアンフェアだ」という哲学のもと、夜間救急を立ち上げたパイオニア。

塩田さんは、白衣を着ないなど少々個性的です。でもなぜか、病院に来た動物が塩田さんの前では怖がらないんですよ。理由を尋ねると「気を殺しているからだよ」と独特なコメントをおっしゃっていましたが……(苦笑)。“命の現場”に向き合う彼の姿は真剣そのものでした。

周囲から厚い信頼を寄せられている獣医師の塩田 眞さん

モノ言わぬ動物と向き合うことで見えてくる、“プロフェッショナリズム”

──登場する皆さんに、共通点はありましたか?

職業はバラバラですが、全員に共通しているのは「コミュニケーションの達人」ということです。実践しているのは、突飛な手法ではありません。「いかに相手のことを考えるか」「相手のためになにができるか」なのです。相手はものを言わない動物なので“対人間”以上に難しいかもしれませんが、同時にとても「純粋な」テーマだと思います。

例えば、ゾウ飼育員の椎名さんは、ゾウをとても大事にしつつも「飼育員がベタベタしすぎることは、ゾウの家族にとっては良くないこと」と考えているんです。また介助犬トレーナーの水上さんは「どんな小さなことでも、ちゃんと褒める」という行為を重要視されています。これって、人間の家族や職場での人間関係などでも同じですよね? そういうメッセージも、視聴者の皆さんに伝えられればと思います。

──取材を通して何か発見はありましたか?

個人的に、飼育員さんって「自然に動物と心が通じる」「表情を見て体調が分かる」というイメージをもっていました。しかし、例えばキリン飼育員の柴田さんは、感覚はもちろんですが、データをとても重視していて合理的なアプローチを心がけていました。飼育員さんのそういう一面は不勉強ながら知らなかったので、驚きました。

柴田さんは気象のデータを15分おきに取り、緻密な計算のもとキリンを飼育スペースから出すタイミングを決めています。そこに至ったのも、柴田さんご自身が多くのキリンの死に目にあうという、つらい経験をされたからこそ。そして試行錯誤の末「ハズバンダリトレーニング」に行き着いたんですよ。

──最後に、番組の見どころは?

カワイイ動物がたくさん登場します。動物好きの方はぜひ見ていただきたいですし、ふだんこの番組を見ない方にも気軽に楽しんでいただけるのではないかと思います。

そして、“動物園”という存在を改めて考える機会にもなると思います。飼育員の方が持つのは「動物が好き!」という思いだけではありません。限られた条件下で、さまざまな国から預かった動物たちについて「いかに寿命よりも長く育てるか」「どのように繁殖して、次の命につなげるか」を考えています。

なかには「動物園は動物にとって幸せなの?」という意見を持つ方もいると思います。ぜひ飼育員さんがどんな思いで動物と向き合っているか、感じていただきたいですね。同時にペットブームの今、介助犬トレーナーの水上さんや獣医師の塩田さんの姿を通して、私たちは「どういうふうに動物と向き合うべきか」と考えさせられます。

当たり前ですけど、動物って言葉をしゃべらないですよね。ですが今回登場するプロフェッショナルは、動物からのメッセージを受け止めなくてはいけない方ばかり。そこで“どういう方法で相手と向き合うか”に、それぞれの「仕事のやり方」が表れます。4人がもつドラマと、そこにある“プロフェッショナリズム”に、ぜひ注目していただきたいですね!

番組ではナビゲーターとして、森 泉さんと劇団ひとりさんが登場します!
森さんは介助犬トレーナーの訓練の現場に、劇団ひとりさんは、個性的な獣医師・塩田さんの現場を訪ねました。果たして、どんなお話が飛び出すか……放送までお楽しみに!

動物への愛情と現実のリアルさが交差する今回のスペシャル。どうぞお見逃しなく〜!

取り上げた番組はこちらです!

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