養老孟司、角田光代 猫と作家の生活を追ったドキュメンタリー

♢ネコメンタリー 猫も、杓子も。

3月26日(日)[Eテレ]後11:00
3月30日(木)[Eテレ]後10:00
4月22日(土)[Eテレ]後2:00(二本連続再放送)

ものを書く人は、なぜ愛猫家が多いのでしょう? 猫を愛する作家にエッセイや小説などを書いてもらい、自由気ままな猫の姿と、作家たちの生活を追いかけた番組、「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」が2本シリーズで放送されます。番組に登場するのは、養老孟司さん、角田光代さん、そして2人が愛する猫たちです。

2人と暮らしているのは、一体どんな猫? そして猫を相手にした撮影は、果たして順調に進んだのでしょうか……?

2人を取材した寺越陽子ディレクターに、撮影裏話を伺ってきました!

性格も生活スタイルもまったく違う、2匹の猫が登場

──「猫と作家の生活を追いかける」というこの番組、どのように生まれたのでしょうか?

私個人は、特に「猫が好き!」というわけではないのですが……(笑)。周囲の猫好きの方を見て、犬好きとは少し違った独特の雰囲気があると思っていたんです。なので、猫そのものより「猫と暮らす人」って面白いな、と思ったのがきっかけです。

内容を詰めていくうちに、「もし作家さんに出演していただけるなら、猫について文章を書いてもらい、映像と文の両面から猫との生活を追いかけるのはどうだろう」という話になり、今回の企画が生まれました。

ですから、番組のために養老さんと角田さんが書き下ろしてくださった作品と、映像で追いかける猫との関係性の両方を楽しんでいただければと思います。

──番組には、どんな猫が登場するのですか?

26日は、養老さんと暮らすスコティッシュフォールドの「まる」(13歳オス)、30日は、角田さんと暮らすアメリカンショートヘアの「トト」(7歳メス)が登場します。偶然にも、住んでいる環境や性格が対照的な2匹なんです。

養老さんとまる。猫好きからは有名なようです。
養老さんとまる。猫好きからは有名なようです。

養老さんは学者でもあるので、日々さまざまな場所へ出かけます。まるも同じで、鎌倉にある自宅の庭やご近所を気ままにお散歩して、あまり1つの場所にじっとしていません。

一方、角田さんのもとで暮らす「トト」は、マンションの一室から出たことがない完全な「家猫」です。角田さんは毎日執筆をする仕事場とご自宅を行き来する生活を送っているのですが、トトはいつもお留守番です。

角田さんの「トト」は、少し繊細な女の子
角田さんの「トト」は、少し繊細な女の子

──養老さんと角田さんによる書き下ろし作品は、どんな内容ですか?

お2人の文章も対照的でした。養老さんはまるについてのエッセイ、角田さんはトトに限定せず広く飼い猫にまつわることを内包した短編小説です。番組では、養老さんのエッセイを森山未來さん、角田さんの小説を戸田恵梨香さんに朗読していただきました。

猫の撮影で、スマートフォンが活躍!?

──取材時に印象的だったエピソードはありますか?

鎌倉にある養老さんのご自宅は自然にあふれていて、四季折々の風景が楽しめる場所でしたね。取材中に「世界に同じものは2つとないと、まるから教えてもらった」とおっしゃっていました。

例えば、リンゴって少しずつ大きさや形が違いますよね。それを私たち人間は、すべて「同じリンゴ」と扱いますが、猫をはじめとする動物たちはすべて「違うリンゴ」として見るそうなんです。だから本当は、「世界はもっと豊かで違いに満ちあふれている」と。そんな哲学をお話してくださる養老さんの背後で、まるはダラーっとした姿でお昼寝していましたが……(笑)。

また、養老さんは「まるにとって、私は“エサをくれる人”」ともおっしゃっていました。お互いに、ただの猫とただの人間。きっと養老さんもそんな関係を大切にしているのだと思います。

一方の角田さんは、トトに対して「私のもとへ来てくれて本当にありがとう」と、かけがえのない存在であるという思いがあふれています。トトも、角田さんが何か作業をしていると、その後ろでいつもじっと待っているんです。まさに相思相愛という関係でしたね。

室内ではいつもお互いが見える場所にいる、角田さんとトト
室内ではいつもお互いが見える場所にいる、角田さんとトト

──撮影中、特に苦労されたことはありますか?

まるとトトは性格も本当に対照的でした。

まるはカメラを向けても全く動じない猫でしたが、トトはとても繊細で、大きなカメラの前では緊張して自然な姿ではなくなってしまったんです。角田さんも心配して一緒に作戦を練ってくださいました。小型カメラやスマートフォンを駆使したり、無人の固定カメラを様々な場所に設置したり、トトに気づかれないように段ボール箱でカメラを隠したり……とかなり試行錯誤しましたね。そもそも猫を撮るのは難しくて、「あ、今いい表情だ!」と思ってカメラを向けても、既に遅いということも多く、こちらの思惑通りに絶対にいかないというのも、まさに猫との向き合うことでの苦労でしたね(笑)。

猫は“生きていくうえでの伴侶”

──視聴者の方には、番組をどのように見てほしいでしょうか?

ぜひ2本シリーズで見て、お2人とそれぞれの猫の対比を楽しんでいいただきたいです。同じ「作家と猫」でもここまで違うのかと感じると思います。

興味深かったのは、お2人とも猫からインスピレーションを受けているわけではないところです。仕事とは関係なく、“生きていくうえでの伴侶”という存在のように感じました。

そして私自身も取材を通して、猫のちょっとした手足の動きに見入ってしまったり、細い路地があると猫がいるかなと気にするようになったり……猫の奥深さを感じるようになりました。猫好きではない方でも楽しんでいただける番組ですので、ぜひ見ていただければと思います!

まるで人間のように座る、通称「どすこい座り」にもご注目
まるで人間のように座る、通称「どすこい座り」にもご注目

「この番組を通して、猫の魅力に目覚めた気がします!」と語る寺越さん。養老さんのまると、角田さんのトト。それぞれどんな生活を日々送っているのか、気になりますね!

人と猫の不思議な関係と日々を追った「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」は、養老孟司さんの回は3月26日(日)午後11時~、角田光代さんの回は3月30日(木)午後10時~、Eテレで放送です。どうぞお見逃しなく〜♪

取り上げた番組はこちらです!

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