大女優・原 節子の主演作をまとめて4本放送!

わが青春に悔なし  ほか

4月17日(月)[BSプレミアム]後1:00 ほか

プレミアムシネマ 4月の注目作品

今月は2015年に95歳で亡くなった大女優、原 節子の主演作がまとめて4本放送される。

17日の『わが青春に悔なし』(46年)に始まり18日『山の音』(54年)、19日『青い山脈』(49年)、20日『麦秋 デジタル修復版』(51年)の4作。『麦秋』の監督小津安二郎は、「原節子の良さは内面的深さのある演技で脚本に提示された役柄の理解力とカンは驚くほど鋭敏です。演技指導の場合もこちらの気持ちをすぐ受け取ってくれ、すばらしい演技で解答を与えてくれます」と言っている。そんな優れた女優だったが、1962年11月3日封切りの『忠臣蔵 花の巻・雪の巻』で大石内蔵助(先代の松本幸四郎)の妻・りくを演じた後、42歳の若さで引退、2度と銀幕に戻らなかった。日頃から40歳を過ぎたら衰えた容姿をさらさずに引退したいと言っていたそうだが、その言葉通りの引退だった。この早すぎる引退は、1941年の映画『奥様は顔が二つ』を最後に引退したハリウッドの大スター、グレタ・ガルボ(1905~1990年)と比較されたりしていた。
ガルボの引退も、衰えた美貌を人目にさらしたくないという理由だったようだが、こちらは35歳で引退。映画界に戻ることなく1990年に84歳で亡くなった。原節子の方は義兄・熊谷久虎の鎌倉の家に住んでいて、新聞を読むのが大好きでたくさんとっていた新聞各紙を毎朝丹念に読み、古くからの友人たちと電話でおしゃべりを楽しんでいた、という話をかつての共演者から聞いたことがある。

また今月は、スローモーションを多用したバイオレンス描写の美しさで見る者を魅了するサム・ペキンパー(1925~84年)の監督作が2本ある。どちらも彼の代表作だ。 『慕情』『第十七捕虜収容所』などに主演、1950年代ハリウッドを代表する大スターだった、ウィリアム・ホールデンの出演作。ロバート・ライアン、アーネスト・ボーグナイン、ウォーレン・オーツなど、ペキンパー好みのアクの強い性格俳優と共に骨太の魅力を見せて健在ぶりを示した『ワイルドバンチ』(69年)がその1本。 “バイオレンスの巨匠”“最後の西部劇監督”と言われるペキンパーは、『ダーティハリー』が有名なドン・シーゲル監督の弟子筋にあたる。ということはクリント・イーストウッドの兄弟弟子ということだが、86歳のイーストウッドが今なお元気に新作に挑んでいるのとは違い、麻薬と酒に溺れたペキンパーは59歳で亡くなった。 そんなペキンパー映画のもう1本が『砂漠の流れ者』(70年)。西部開拓時代も終わりに近い頃、砂金掘りのケーブル・ホーグという男が仲間に裏切られて砂漠に置き去りにされ、辛くも生き抜いて復しゅうの機会をねらう。ペキンパーはこれがお気に入りで、自分の代表作と言っていたそうだ。

今月は、ローレンス・カスダン監督が伝説の保安官ワイアット・アープの半生を描いた『ワイアット・アープ』(94年)、肉弾相打つ歯切れの良いアクションに定評のあるロバート・アルドリッチが監督した『ワイルド・アパッチ』(72年)もある。どちらも実話がモデルの西部劇だが、もはや西部劇がハリウッド映画の王道のジャンルではなくなった時代の映画だけに、ひねりのきいた面白さが楽しめる。


【放送日時】
プレミアムシネマ「ワイアット・アープ」
4月10日(月)[BSプレミアム]後1:00〜4:12

プレミアムシネマ「ワイルド・アパッチ」
4月11日(火)[BSプレミアム]後1:00〜2:44

プレミアムシネマ「ワイルドバンチ」
4月12日(水)[BSプレミアム]後1:00〜3:26

プレミアムシネマ「砂漠の流れ者」
4月13日(木)[BSプレミアム]後1:00〜3:02

プレミアムシネマ「わが青春に悔なし」
4月17日(月)[BSプレミアム]後1:00~2:52

プレミアムシネマ「山の音」
4月18日(火)[BSプレミアム]後1:00~2:36

プレミアムシネマ「青い山脈」
4月19日(水)[BSプレミアム]後1:00~2:32

プレミアムシネマ「麦秋 デジタル修復版」
4月20日(木)[BSプレミアム]後1:00~3:06

【コラム執筆者】
渡辺祥子(わたなべ・さちこ)

共立女子大学文芸学部にて映画を中心とした芸術を専攻。卒業後は「映画ストーリー」編集部を経て、映画ライターに。現在フリーの映画評論家として、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等で活躍。映画関係者のインタビュー、取材なども多い。また映画にとどまらずブロードウェイの舞台やバレエなどにも造詣が深い。著書に「食欲的映画生活術」、「ハリウッド・スキャンダル」(共著)、「スクリーンの悪女」(監修)、「映画とたべもの」ほか。

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