崖っぷちの井伊家 おんな城主直虎、始動!

♢おんな城主 直虎

歴史が大好きな歴ドル・小日向えりさんが、大河ドラマや歴史番組を応援する連載企画。

崖っぷちとは、まさにこのこと。
平安時代から500余年続く井伊家は、最大のピンチを迎えています。

ドラマの第1回早々、亡くなった亀(直親)の父・井伊直満を皮切りに、桶狭間の戦いで、井伊直盛と、家臣16名が討ち死に。
その後、奥山朝利、孫一郎父子。
ついには井伊直親まで、松平元康(徳川家康)との内通を理由に、今川家に謀殺されてしまいました。

作り話だったら、こんなに早くヒーローが亡くなることはありえないと思いますが、歴史の筋書きはどんな悲劇も避けられないというのが、大河ドラマの残酷なところ。
その後、あれよあれよという間の早い展開で、齢70を超える井伊家の首(ドン)、井伊直平も亡くなり、1年後、井伊家の心強い味方であった新野左馬助、家臣の中野直由も討ち死に。

井伊家の人々は、悲しみと絶望に包まれ、流す涙もつき枯れ果てたことでしょう。
改めて、公式ホームページの人物相関図を見ていると、井伊家の男性陣がほとんど亡くなっていることに、呆然とします。
いつも前向きでまっすぐなヒロイン・次郎が自暴自棄に陥るのもしかたありませんね。

生き残ったのは、小野政次だけ。

今川に魂を売ったのか!? 帰ってきた政次は、見覚えのある髪型…頭をそったちょんまげ、狭い月代(さかやき)。父・政直を彷彿(ほうふつ)とさせるヘアスタイルは「今川寄り」の象徴!

幼なじみとして育った、おとわ、鶴、亀の仲の良かったころを思うと、政次の裏切りとも思える行為は悲しいですが、政次の気持ちもわからないではありません。
政次も最後の最後まで、直親を信じ、一緒に井伊家を盛り立てていきたい気持ちがあったはずです。だからこそ、直親が、元康のタカ狩りの招きに応じることを知っても、今川家に告げ口しませんでした。
井伊家が今川の下を脱した暁には、政次は次郎や直親と手を取り合って井伊家を盛り立てていく…そんな明るい未来を、片時でも頭に描いたに違いありません。
しかし、希望の光は一瞬で消え去ってしまったわけですが…、淡い期待と絶望を繰り返し、政次は、期待することに疲れてしまったのかもしれません。

一方の直親。
第11回「さらば愛しき人よ」のワンシーン。
「もし、おとわがおなごでなければ、俺のたった一つの美しい思い出がなくなってしまう」という直親のセリフには涙がとまりませんでした。

吸い込まれるような瞳で笑う直親ですが、その一生を振り返ると、決して恵まれた人生ではありませんでした。
小さいころに、父親が謀殺され、自分も命を狙われ、信濃に逃げ落ちます。故郷には10年帰れず、まだ幼いのに家族や友達とも会えず、寂しかったことでしょう。
大人になって井伊谷に帰ってこれて、最大の望みであった、おとわと結婚を願いますが、それもかないませんでした。妻となったしのとは、当初すれ違いも多く、なかなか赤ちゃんに恵まれず…直盛の死後は、家督をつぐと意気込みますが、自分ではなく別の家臣(中野直由)が継ぐことになってしまいました。そしていざ、舵取りを任されたとたん、今川家にだまされて、悲しい最期を迎えることになりました。
こう書いてみると、「よくグレなかったな直親、えらいぞ!」って思えてきます。

不幸の連続の井伊家の中で、疑心暗鬼に陥っていたことでしょう。人を信じるのが怖いから、幼なじみの政次に対しても「お前のこと、信じていいよな?」そんなふうに恐る恐る確認しながらでないと、心を開けなかったように感じます。

そんな直親にとって、心から信じられる人は、次郎しかいなかったかもしれません。陰の多い直親の人生の中で、次郎だけが、唯一無二、純粋で、美しい存在。彼の宝物だったのではないでしょうか。
井伊家ゆかりの龍潭寺には井伊氏歴代のお墓があります。次郎と直親が、隣どうし仲良く眠っています。
(直親は次郎としのさんに挟まれていて、両手に花です)

直親が亡くなり、いよいよ崖っぷちの井伊家、そして次郎。
おとわは昔、鬼ごっこで追い詰められたとき、川に飛び込んで活路を見いだしました。崖っぷちの井伊家の繰り出したウルトラC「女城主、直虎」の誕生です!

次回からはいよいよ、井伊直虎、城主としての物語が中心となっていきます。
さらに、おとわが家出したときに粥(かゆ)を食べさせてくれた、ムロツヨシさん演じる流れ者が、まさかの大変貌を遂げて再登場です!

大河ドラマ「おんな城主 直虎」

第13回「城主はつらいよ」
【放送】4月2日(日)[総合]後8:00〜 /【再放送】4月8日(土)[総合]後1:05~

番組公式ホームページはこちら→http://www.nhk.or.jp/naotora/

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