“世紀の恐竜発見”に関わるプロの熱き思いにせまる

♢NHKスペシャル「世紀の発見!日本の巨大恐竜」

5月7日(日)[総合]後9:00
再放送:5月10日(水)[総合]前0:10(火曜深夜)

今、日本で恐竜の化石が続々と発見されていることをご存じですか?

そんな“化石発見ラッシュ”のなか、北海道・むかわ町で日本初の大発見が! 5月7日(日)の「NHKスペシャル」では、“世紀の発見!日本の巨大恐竜”と題し、ドラマチックな発掘ストーリーと恐竜研究の最前線に迫ります。

いったいどんな発見があったのか? 番組の見どころや撮影の裏側について、植田和貴ディレクターに聞いてきました。

歴史を揺るがす大発見とは!?

――2016年8月にもBSプレミアムで「知られざる恐竜王国ニッポン」が放送されましたが、今も“化石発見ラッシュ”は続いているんですか?

昨年の番組では、兵庫県、群馬県、香川県で発見された恐竜を紹介しました。その後も、徳島県など日本全国で化石が発見されていますし、これからもどんどん発見されると思います。

昨年の番組の最後に北海道のむかわ町で発見された化石について「おそらく全身骨格の化石で、その後も調査は続いている」と紹介しました。今回の「NHKスペシャル」では、その“むかわ竜”を中心に紹介していきます。

日本で発見される化石は、部分的にしか発見されなかったモノがほとんど。なので、“むかわ竜”のような大型恐竜の全身骨格は、非常に貴重なんですよ。すべての骨が見つかったとは言い切れないのですが、少なく見積もっても7割くらいはあるのではないでしょうか。

むかわ竜と小林先生。発見された化石がとても大きいのがわかります!
むかわ竜と小林先生。発見された化石がとても大きいのがわかります!

――恐竜は、どのくらいのサイズになるのでしょうか?

全長8m以上にもなる恐竜です。大きな化石なので、発掘も大掛かり。重機も活用しながら山を削るように掘ったそうです。その後は“クリーニング”といって、化石を包んでいる岩を取り除く作業を4年にわたり行っています。今年の1月に小林先生から、「クリーニングが進んだから、3月くらいに化石を並べようと思う」と連絡があり、「これは番組にしたい!」と思いました。

クリーニングは失敗が許されない繊細な作業。専門のスタッフが行います。
クリーニングは失敗が許されない繊細な作業。専門のスタッフが行います。

“ハヤブサの目を持つ男”が大興奮!

――今回のプロジェクトは、どんな方たちが関わっているんですか?

アメリカの大学で博士号を取っている化石発掘のプロである北海道大学の小林先生、カナダで首長竜の研究をしていた佐藤たまき先生、そしてアンモナイトの専門家・西村智弘先生などです。

発見当時、“むかわ竜”は、首長竜だと思われていたので、初めは佐藤先生が調査にたずさわっていたそうです。西村先生は“むかわ竜”の死の謎を研究しています。今回、ある実験を行ったことで死の原因が見えてきました。その内容はぜひ番組でご覧ください!

そして、“むかわ竜”の化石を最初に発見したのが化石愛好家の堀田良幸さんと、地元の博物館の学芸員・櫻井和彦さん。この方たちがいなかったら今回の大発見はありませんでした。

“むかわ竜”の第一発見者・堀田さん(左)と櫻井さん(右)。
“むかわ竜”の第一発見者・堀田さん(左)と櫻井さん(右)。

――取材中印象的なエピソードはありましたか?

むかわ竜の化石を並べるだけで4時間もかかりました。撮影は2日の予定で、一晩そのままの状態で置い下さる予定だったんです。ところが、化石を並べた場所が地元の体育館だったので、もちろん警備員もおらず、盗難を心配した櫻井さんが「ここに泊まる!」と言いだしたんです。なので、僕も化石と一夜をともにすることになりまして……今では良い思い出になりました(笑)。大変貴重な化石なので、たしかに放置しておくのは心配ですよね。

――それは貴重な体験ですね(笑)。ほかには何かありましたか?

ふだんは冷静な小林先生が、化石を並べている最中は興奮していたことに驚きました。小林先生とは10年以上のお付き合いになりますが、あんなに饒舌(じょうぜつ)な姿を見たのは初めてです。

2003年に初めて化石が発見されて、2013年から本格的に発掘を開始。2017年にようやく並べられたわけですから、この瞬間を心から待ちわびていたんだと思います。「全身骨格がある!」という確信のもと、発掘を進めているわけですが、“掘ってみたらなかった”というリスクは常にあります。そんな不安のなかで実際に化石が見つかって、長年のクリーニングを待ち、ようやく化石を並べられる。その喜びがあふれているようでした!

2015年放送「プロフェッショナル 仕事の流儀」では“ハヤブサの目を持つ男”と称された小林先生
2015年放送「プロフェッショナル 仕事の流儀」では“ハヤブサの目を持つ男”と称された小林先生

――今回は“むかわ竜”がCGで再現されるそうですね!

今回のCGも、VFXスーパーバイザーの松永孝治さんが関わって制作しています。実は、前回放送した番組のCG映像が『VFX-JAPANアワード2017』のテレビ番組部門で最優秀作品に選ばれました。ほかの部門の最優秀作品は『シン・ゴジラ』『君の名は。』『FINAL FANTASY XV』ですから、名実ともに日本でトップクラスのCG映像です。今回もハイクオリティーな映像になっているのでご期待ください!

――最後に、番組の見どころをお願いします。

最新のCG技術で再現された“むかわ竜”はもちろん、発掘プロジェクトにたずさわる人たちの人間ドラマを見ていただきたいです。発見から今にいたるまで、さまざまな人の思いが交錯した物語になっていますので、お楽しみに!

「“むかわ竜”の発見は、日本における恐竜発掘の意識改革を起こす発見。間違いなく歴史の節目になる」と言っていた植田ディレクター。その世紀の発見を、どうぞお見逃しなく!

取り上げた番組はこちらです!

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