今回ご紹介するのは、主演ジョン・ウェイン、監督ジョン・フォードの「捜索者」(1956)。
最高の西部劇にして、映画史上最高の映画ともいわれる、傑作中の傑作です。

主演ジョン・ウェイン×監督ジョン・フォード
映画史上 “最強コンビ” の最高の作品

南北戦争が終わり、弟の家族を訪ねたイーサン・エドワーズ。しかし、留守中に家族がコマンチ族に襲われ、娘たちが連れ去られてしまいます。怒りに燃えるイーサンは、仲間とともに、果てしない追跡の旅に出ますが…。

独善的で傲慢な人種差別主義者、イーサン。それまでの西部劇にはなかった、複雑で屈折した主人公を、ジョン・ウェインが鬼気迫る、圧倒的な迫力で演じています。
イーサンが何度もつぶやくセリフから、ロックンロール草創期の天才ミュージシャン、バディ・ホリーは“That’ll be the day”という名曲を作りました。

ジョン・フォード監督は、1895年、アイルランド移民の家庭に生まれ、サイレント時代から映画監督として活躍しました。美しい映像と詩情あふれるタッチ、ユニークなキャラクター、そしてアクション。映画を知りつくし、歴代最多、4度のアカデミー監督賞を受賞したフォード監督は、1973年、78歳でこの世を去りましたが、今なお“映画の神様”として称賛されています。

フォード監督が得意とした西部劇、なかでも、愛と憎しみ、人間の倫理とは何かを問うこの映画の気高い演出は、歳月を重ねるごとに評価が高まっています。
フォード監督とは名コンビの撮影監督、ウィントン・C・ホックが美しい色彩でとらえたモニュメント・バレーの雄大な風景、ショットの構図のすばらしさ、そしてダイナミックな移動撮影も忘れられません。

ジョン・ウェインはもちろんですが、ウォード・ボンド、ハンク・ウォーデン、ケン・カーティスといった“フォード一家”ともいわれる常連の出演者たち、なかでも、フォード監督の親友で、とりわけサイレント時代の作品で主役を演じ、この映画の10年ほど前に亡くなった、名優・ハリー・ケリーの妻オリーブと、その息子・ハリー・ケリー・Jrは深く印象に残ります。

デビッド・リーン、ジャン・リュック・ゴダール、セルジオ・レオーネ、フランシス・フォード・コッポラ、ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシ…、この映画に魅せられ、影響を受けた映画作家は数え切れません。

何度見ても、映画でしか味わえない興奮と鮮烈な感動に包まれる、映画史上最強のコンビの最高の西部劇「捜索者」。ぜひご覧ください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「捜索者」
6月8日(木)[BSプレミアム]後1:00〜3:00

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