2019年、雨がふりしきるロサンゼルス。高い知性と身体能力の人造人間=レプリカントが反乱を起こし、地球に戻ってきます。捜査を開始した特捜班“ブレードランナー”のリック・デッカードはレプリカントを追い詰めていきますが…。今回ご紹介するのは、SF映画の金字塔「ブレードランナー ファイナル・カット」(2007)です。

原作者も絶賛した 独創的な未来世界

なんといっても見所は、細部まで徹底的に作りこまれた独創的な未来世界。強烈な光と影に彩られ、西洋と東洋の文化が融合した都市や世界観は、小説やCM、アニメなど、さまざまな分野に今なお影響を与え続けています。

当時人気上昇中だったハリソン・フォードは、人生や生きる意味、すべてに疲れながらも、レプリカントと対決する主人公デッカードを、ときにユーモアを交えて演じています。レプリカントのリーダー・ロイ・バッティを演じるのは、オランダの名優ルトガー・ハウアー。一つ一つのことばをかみしめるように語る演技は、実存に苦悩するレプリカントの哀しみを見事に表現しています。ショーン・ヤング、ダリル・ハンナ、ジョアンナ・キャシディといった女優たち、レプリカントを創造した天才科学者・エルドン・タイレルを演じる、S・キューブリック作品の常連だったジョー・ターケル…、どの俳優も抜群の存在感です。ギリシャ出身のヴァンゲリスのシンセサイザーを駆使した音楽も忘れられません。

原作は、アメリカを代表するSF作家フィリップ・K・ディックの傑作小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』。1950年代から小説を発表し、SFならではの設定のなかで、「人間とは何か」を問い続けたディックは、物語も登場人物も大きくアレンジされた映画化に不安を感じていましたが、試写で特撮の映像を見て、「君たちはどうやってあんなものを作ったんだ。どうして私が感じたこと、考えていたことがわかったんだ。」と絶賛したということです。

フューチャー・ノワールともいわれた、暗く、重いこの作品、最初の公開時にはヒットしませんでしたが、歳を経るごとに評価が高まり、今年、35年ぶりの続編が公開予定です。

この作品、現在まで5つのバージョンが存在しますが、今回は、スコット監督がデジタル技術で映像・色彩を修正、再編集した、「ファイナル・カット版」です。また、困難を極めたという製作過程を、スタッフ・キャストの貴重な証言と映像で描くメイキング・ドキュメンタリーも放送します。あわせてぜひご覧ください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「ブレードランナー ファイナル・カット」製作年:2007(オリジナル1982年)
6月27日(火)[BSプレミアム]後1:00~2:59

プレミアムシネマ「デンジャラス・デイズ:メイキング・オブ・ブレードランナー」
6月27日(火)[BSプレミアム]後3:00~4:46

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