迫力のマカロニ・ウェスタン特集!

シルバー・サドル 新・復讐の用心棒 ほか

7月14日(金)[BSプレミアム]後1:00 ほか

プレミアムシネマ 7月の注目作品

今月は『ドリームガールズ』(2006)、『イースター・パレード』(1948)、『ジャージー・ボーイズ』(2014)、とミュージカル・ファンには見逃せない3作が豪華です。加えてローリング・ストーンズあり、ビートルズもあり、そして『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013)、『あの頃ペニー・レインと』(2000)、『ジャズ大名』(1986)のように音楽への愛着が溢れる映画が揃って最後に控えるのがバレエ映画の名作『赤い靴』(1948)。と、パフォーミングアーツ好きにはたまらない夏の映画ですが、ここではあえて5作品の揃い踏みが迫力のマカロニ・ウェスタン特集で行きましょう!

日本ではマカロニ・ウェスタン、西部劇の本家アメリカではスパゲティ・ウェスタンと呼ばれたイタリア製西部劇はアメリカ製がアメリカの歴史や生活をベースに生まれたのとは違い、娯楽一辺倒。イタリアだけでなく、西ドイツ、フランスなどでも製作されてスペイン、イタリアで撮影された。過激な残酷描写、裏切りや復讐の話が多く、日本でも1960年代半ばから1970年代にかけてブームを呼んだ。
まだマカロニ・ウェスタンという呼び名もなかったころに登場した西ドイツ製『シルバーレークの待ち伏せ』(1963)は、どこから見ても西部劇。ヨーロッパ製西部劇など初体験だったはずの映画評論家・双葉十三郎さんは「なんだか変な感じがする」と洋画ファン雑誌『スクリーン』に書いている。この違和感が残る西ドイツ製西部劇の少しあとに日本公開されたのがボブ・ロバートソンの名でセルジオ・レオーネが監督した『荒野の用心棒』(1964)。ごぞんじ黒澤 明監督の『用心棒』(1961)の焼き直しで、この公開前後からマカロニ・ウェスタンという言葉が使われるようになった。

マカロニ・ウェスタンで売り出した俳優が『裏切りの荒野』(1967)、『ガンマン大連合』(1970)のフランコ・ネロと『シルバー・サドル 新・復讐の用心棒』(1978)のジュリアーノ・ジェンマ。日本では甘い二枚目のジェンマがCM出演するほど人気があったが、アメリカやヨーロッパではフランコ・ネロが大人気。ブロードウェイ・ミュージカルの映画化『キャメロット』(1967)でランスロット役を演じたほか『ダイ・ハード2』(1990)に出演。『カーズ2』(2011)にも声の出演を果たしている。2006年には『キャメロット』の恋人役で共演した英国の大女優ヴァネッサ・レッドグレーヴと結婚。彼女とは『ジュリエットからの手紙』(2010)でも共演して話題になった。

【放送日時】
プレミアムシネマ「裏切りの荒野」
7月11日(火)[BSプレミアム]後1:00〜2:41

プレミアムシネマ「ガンマン大連合」
7月12日(水)[BSプレミアム]後1:00〜3:00

プレミアムシネマ「シルバー・サドル 新・復讐の用心棒」
7月14日(金)[BSプレミアム]後1:00〜2:39

彼ら以外のもう一人の話題のマカロニ俳優(!?)が『野獣暁に死す』(1968)の仲代達矢。極悪ぶりで日本のファンを驚かせたが、彼を起用した人はきっと『用心棒』の彼の悪役ぶりが気に入ったのだろう。マカロニ人気が下火になりかけたころに登場した『ミスター・ノーボディ』(1973)は原案と製作がセルジオ・レオーネ。主演がなんとヘンリー・フォンダだったのでびっくり。アメリカ市民の良心を演じて定評のあるフォンダとマカロニ・ウェスタンの奇妙な取り合わせ。監督のトニーノ・ヴァレリはクリント・イーストウッド主演の『夕陽のガンマン』(1965)でレオーネ監督の助監督を務めていた。

【放送日時】
プレミアムシネマ「ミスター・ノーボディ」
7月10日(月)[BSプレミアム]後1:00〜2:57

プレミアムシネマ「野獣暁に死す」
7月13日(木)[BSプレミアム]後1:00〜2:36


【コラム執筆者】
渡辺祥子(わたなべ・さちこ)

共立女子大学文芸学部にて映画を中心とした芸術を専攻。卒業後は「映画ストーリー」編集部を経て、映画ライターに。現在フリーの映画評論家として、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等で活躍。映画関係者のインタビュー、取材なども多い。また映画にとどまらずブロードウェイの舞台やバレエなどにも造詣が深い。著書に「食欲的映画生活術」、「ハリウッド・スキャンダル」(共著)、「スクリーンの悪女」(監修)、「映画とたべもの」ほか。

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