ドラマとドキュメンタリーで「京都人が愛する京都」を描く人気シリーズ「京都人の密かな愉しみ」2ndシーズンの主人公となるのは、5人の若者たち。庭師、陶芸、京料理など、京都の伝統的な仕事や文化を継承するべく奮闘する姿を描きます。
今回は、一人前の庭師を目指す主人公「若林ケント幸太郎」を演じる林 遣都さんにインタビュー! 京都が大好きだという林さんに、撮影の裏話などを詳しく聞いてきました♪
庭師役を通して、苔にハマる人の気持ちに共感
──林さんが演じる若林ケント幸太郎はどんな役柄でしょうか?
“京都で庭師の修業をしている苔マニアの青年”という役柄なのですが、これまで苔マニアの方に出会ったことも、そんな観点で苔を見たこともありませんでした(笑)。なので、苔マニアの方のブログを読んで、その魅力を調べました。
幸太郎は、子どものころイギリスに住んでいて、いまは父親と離れて暮らしている……という少し複雑な生い立ちなんです。今回の放送では、幸太郎の母親・若林志保を演じる秋山菜津子さんとのシーンで家庭環境にも触れています。
──庭師の技術はどの程度勉強をされたんですか?
実際に、庭師の先生から基本的な作業をレクチャーしていただきました。技術的なことよりも、苔を扱うときの基本的なマナーや心がまえを教わりました。先生が「庭師としてのセンスやこだわりは人それぞれ」とおっしゃっていたので、実際の撮影では自分なりに自由に演じました。
──撮影を通して、苔の魅力は発見できましたか?
ふだんは公開されていない瑠璃光院という場所で撮影をしたのですが、そこには何百種類という苔があるんです。観賞用に大切に育てられている苔をじっくりと見たのは、初めての経験でした。苔は、水に濡れているだけで香りや色が変わりますし、間近で見るとひとつひとつ表情が違うんです。ハマってしまう人の気持ちがわかりました(笑)。

──共演した役者さんたちの印象について教えてください。
物語の中心になる幼なじみを、相楽 樹さん、矢本悠馬くん、趣里さん、毎熊克哉さんが演じているのですが、初対面だったので「昔からつるんでいる幼なじみ」という雰囲気づくりが難しかったです。でも、難しさや不安を感じていたのは同じだったようで、役づくりの意見を出し合ううちに打ち解けることができました。
また同世代だからか、撮影以外でも役柄と同じような立ち位置でした。矢本くんがムードメーカーで、相楽さんと趣里さん2人がツッコミ、毎熊さんは冷静にみんなの話を聞いて、僕はそれを温かく見守っている。波長が合うというか、バランスがとても良かったんだと思います。

撮影の合間には、おいしい京都グルメに夢中!
──撮影の合間に、京都の街へ出かけましたか?
出かけましたよ! もともと京都が大好きなのですが、今回の撮影でますます好きになりました。源 孝志監督に飲みに連れていってもらう機会が何度かあり、京都のおいしいものを食べながらさまざまな話ができました。特に川魚がおいしかったですね。京都料理は、旬の食材を上手に取り入れていてすてきだと思います。
共演した皆さんも京都が好きな方ばかりなので、楽しみ方をたくさん教えてもらいました。僕はまだ“子ども”なので、お酒のかっこいい飲み方があまりわからなくて……。でも今回は、カウンターしかないお店にも行けたので、少し成長したと思います(笑)。「この料理には、このお酒が合う」など、知らないことを板前さんに教えてもらいながら食事をするのは楽しかったです。
──ドラマでは京都の伝統や文化が登場しますが、興味が湧いたものはありますか?
「五山の送り火」ですね! 僕は隣の滋賀県出身なのに、実は見たことがなくって……。
毎熊さんは、撮影で送り火の準備から参加していて、うらやましかったです。眺めていると、人の手でつくられているということを忘れてしまいそうですが、裏方の人たちはとても大変なんですよね。
──京都の魅力とはなんでしょうか?
京都にしかない文化や伝統が今も残っているところです。たとえば、宮川町の趣のある町並み。歩いているだけで、さまざまな興味をそそるんです。今回のドラマでは、月日がたつにつれて忘れ去られてしまいそうな京都の文化や伝統を大勢の人に届けたいという監督の思いを感じました。
ドラマの主人公5人にはそれぞれ物語があり、もがきながらもイキイキと人生を送っていきます。視聴者の皆さんには、主人公たちが京都で生まれ育ち、奮闘する姿を見て「なぜそこまで京都にこだわるのだろう?」と興味を持っていただきたいです。僕も自分の出演シーン以外は撮影を見ていないので、仕上がりが楽しみです!

多くの人が魅了される街・京都。ドラマではセリフやセットにいたるまで、こだわりや生き様がつまっているようです。伝統文化と自分の夢のあいだで揺れる、京都の若者たちを描いた「京都人の密かな愉しみ Blue修業中 送る夏」をどうぞお楽しみに〜♪