金田一耕助が活躍する探偵ものが4日連続で登場!

犬神家の一族/八つ墓村 ほか

10月16日(月)[BSプレミアム]後1:00 ほか

プレミアムシネマ 10月の注目作品

今月は過ぎ去った夏を惜しむかのように『ブエナ★ビスタ★ソシアル★クラブ』(1999)が常夏のキューバの風を運べば、『愛と哀しみの果て』(1985)では公開当時ハリウッドきってのイケメンだったロバート・レッドフォードがメリル・ストリープの髪を洗うシーンが楽しめる、という大サービスがあります。

【放送日時】
プレミアムシネマ「ブエナ★ビスタ★ソシアル★クラブ」
10月14日(土)[BSプレミアム]前0:15~1:57

プレミアムシネマ「愛と哀しみの果て」
10月20日(金)[BSプレミアム]後1:00~3:42

サスペンスの神様アルフレッド・ヒッチコックの最後の監督作『ヒッチコックのファミリー・プロット』(1976)、スティーブン・スピルバーグの劇場映画第1作の『続・激突!カージャック』(1974)は、彼の輝かしい映画人生の出発を祝福するかのように面白さが満載。日本では劇場公開されたが、実はTV用だった『激突!』(1971)にあやかってつけた『続・激突!』の邦題は内容とはだいぶ違う。

『続・激突!カージャック』(1974)

【放送日時】

プレミアムシネマ「ヒッチコックのファミリー・プロット」
10月13日(金)[BSプレミアム]後1:00~3:01

プレミアムシネマ「続・激突!カージャック」
10月24日(火)[BSプレミアム]後1:00~2:51

そんな賑やかな話題が揃う10月は、横溝正史の金田一耕助が活躍する探偵ものが4日連続の登場。一世を風靡(び)することになった角川映画(見てから読むか、読んでから見るか・・・え、逆ですか!?で有名になったキャッチコピーがさすが本屋さんの映画進出でしょう)の第1作『犬神家の一族』(1976)に始まり、原作とは違って季節が冬になった『悪魔の手毬唄』(1977)、結末が原作と違うと評判を呼んだ『獄門島』(1977)。以上3作が市川崑監督、石坂浩二の金田一耕助もの。
4日目に放送される『八つ墓村』(1977)は松竹映画で監督はミステリー好きの野村芳太郎、渥美清が金田一耕助、という意外(?)版だが、原作者は、渥美のほうが原作のイメージに近いと思っていたようだ。ある日、横溝と出会った野村監督が「金田一物を撮りたいんだがね、でも石坂はダメだし」とぼやくと「お宅(松竹)には渥美清がいるじゃないか」と言われたという。横溝が頭に置いていた金田一像は背が高くスマートな石坂浩二ではなく、渥美清だった。横溝は金田一耕助をA・A・ミルンの探偵小説『赤い館の秘密』に登場するアントニー・ギリンガムの和製版と考えていた、と彼自身のエッセイに書いていて、見かけのモデルは劇作家の菊田一夫だったと色々なところで言っていた。一見小柄で貧相だが内に大きな才能を秘めているというのがモデルにした理由。横溝が菊田に会った頃、新聞で小島政二郎の小説が連載されていて、そこに登場する劇場の座付き作者が着物で袴姿だったので、それが実際に見かけた菊田と重なって金田一像になっていったそうだ。

『八つ墓村』(1977)

【放送日時】
プレミアムシネマ「犬神家の一族」
10月16日(月)[BSプレミアム]後1:00~3:26

プレミアムシネマ「悪魔の手毬唄」
10月17日(火)[BSプレミアム]後1:00~3:25

プレミアムシネマ「獄門島」
10月18日(水)[BSプレミアム]後1:00~3:22

プレミアムシネマ「八つ墓村」
10月19日(木)[BSプレミアム]後1:00~3:33

石坂浩二が金田一を演じた映画は今回放送される3作の他に3作あり、1978年『女王蜂』、1979年『病院坂の首縊りの家』の他に角川映画30周年記念とし2006年に『犬神家の一族』が再映画化されている。

名探偵金田一耕助がマンガになった第1作が週刊少年マガジンの『八つ墓村』(1968)。この成功で文庫化されたが、金田一その人が初登場した小説は46年の「本陣殺人事件」。これの75年版映画化作品には中尾彬がヒッピー風の衣装で登場している。

最後の小説は『悪霊島』。長い歴史のあるシリーズでファンも多いから映画化作品も多く、金田一耕助を演じたのは、古くは片岡千恵蔵から池部良、高倉健、西田敏行、古谷一行、新しいところでは豊川悦司、稲垣吾郎と名前を並べるだけで日本映画俳優史になりそうだ。


【コラム執筆者】
渡辺祥子(わたなべ・さちこ)

共立女子大学文芸学部にて映画を中心とした芸術を専攻。卒業後は「映画ストーリー」編集部を経て、映画ライターに。現在フリーの映画評論家として、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等で活躍。映画関係者のインタビュー、取材なども多い。また映画にとどまらずブロードウェイの舞台やバレエなどにも造詣が深い。著書に「食欲的映画生活術」、「ハリウッド・スキャンダル」(共著)、「スクリーンの悪女」(監修)、「映画とたべもの」ほか。

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