長嶋茂雄が切望した“もうひとつの引退セレモニー”

アナザーストーリーズ 運命の分岐点

10月17日(火)[BSプレミアム]後9:00
10月23日(月)[BSプレミアム]後6:00(再放送)

若い世代は、長嶋茂雄はすごい人というのは何となくはわかっていても、現役の野球選手としての長嶋さんをリアルタイムで見ていたわけではないので、野球に対してどう向き合ってきたのかはあまり知らないのではないでしょうか。

10月17日(火)の「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」では、そんな長嶋さんの野球人生や、現役引退のセレモニーに隠された知られざる物語をひも解きます。さらに、長嶋さんご本人へのインタビューも実現!

少年時代にリアルタイムで引退セレモニーを見たという中村 裕ディレクターに、取材の裏話を聞いてきました。

「もうひとつの引退セレモニー」で明らかになったファンとの絆

──野球選手・長嶋茂雄は、何がすごかったのでしょうか?

長嶋さんと並んで評価される選手に王 貞治さんがいますが、2人は「記録の王、記憶の長嶋」と呼ばれていました。王さんもすごい記録を持っていますが、長嶋さんは人々の注目が集まる“決戦”での打率が非常に高いんですよ。オールスターゲーム、日本シリーズ、公式戦の3つで、すべて打率が3割を超えているのは長嶋さんのみ。さらに、たとえ直前まで調子が悪くても、皇室の方が見に来る試合の打率は4割を超えています。

通常ならプレッシャーを感じて本調子がだせない場面でも、長嶋さんは力を発揮しているように見えます。重圧のなかで結果を残し続けたからこそ、戦後最大のスーパースターとして愛され続けているのではないでしょうか。

番組では、「なぜそんなことができたのか」という理由も、ご紹介します!

──番組にはどのような方が登場するのですか?

長嶋さんの娘・三奈さん、そして引退当時の巨人軍広報部長・小野陽章(はるあき)さん、さらにチームメイトである「巨人軍V9戦士」と呼ばれた皆さんにお話を伺いました。皆さん、長嶋さんのことを話すのがうれしいようで、取材中はとても生き生きとしていました。

(左上から時計回りに)長島三奈さん、高田 繁さん、堀内恒夫さん、柴田 勲さん
(左上から時計回りに)黒江透修さん、高木守道さん、深澤 弘さん、新宅洋志さん

三奈さんは、家で長嶋さんの落ち込んだ様子や不機嫌な姿をほとんど見たことがないとおっしゃっていましたね。負けが続いているときや、怒りがこみ上げてくるような試合のあとでも、ニコニコして「ただいま」と帰ってきたんだとか……。

そんな長嶋さんが、いつもと違う表情を見せたことが2回だけあったそうです。引退の1年前に日本シリーズ中に指を怪我してしまい現役存続が危ぶまれたときと、今回取り上げる引退試合当日の朝です。

──「もうひとつの引退セレモニー」とは、なんでしょうか?

「我が巨人軍は永久に不滅です」の言葉が印象的な引退セレモニーですが、そのまえに、球場に来たファンだけに向けて行われたことがあったんです。

当時の広報部長である小野さんが引退セレモニーを取り仕切っていて、「試合が終わった夕暮れに、長嶋さんがグラウンドの真ん中でスピーチをする」という内容にしたいと思っていたそうです。ですが長嶋さんは、「グラウンドを一周して、ファンに挨拶をしたい」と提案したんだとか!

長嶋さんほどのスター選手が近づいたら、興奮した観客がなだれこみ大混乱が起こると思ったスタッフは猛反対。実際、過去には長嶋さんにファンが群がったことや観客が選手を襲撃するという事件も起こっていたので、心配する気持ちもわかります……。

長嶋さんは一度「わかりました」と引き下がったそうですが、試合の終盤になって「どうしてもグラウンドを一周したい」と小野さんに掛け合ったそうです。

小野さんは、いざとなれば自分がクビになればいいという覚悟でOKを出しました。当時の様子を「その日の観客は熱狂とは違う異様な雰囲気になっていて、長嶋さんもそれを見抜いたのでしょう」と語ってくださいました。それが「もうひとつの引退セレモニー」と呼ばれるものです。いかに長嶋さんがファンに愛されていたかを感じられるので、ぜひ番組でご覧ください。

「もうひとつの引退セレモニー」の鍵を握る、当時の巨人軍広報部長・小野陽章さん

誰からも愛された長嶋さんが抱える、意外な思いとは?

──長嶋茂雄さんご本人へのインタビューが実現したそうですが、会ってみていかがでしたか?

まさかご本人が出演してくださるとは思っていませんでしたね! 「過去のことを思い出して語ることは、リハビリにもいいから」と、90分も独占インタビューに応じてくれました。

とてもお元気そうでしたし、現役時代のことを尋ねると頬を紅潮させてうれしそうに話していたのが印象的でした。私の世代にとっての長嶋さんは“スーパースター”なので、お会いするまでドキドキしていましたよ……(笑)。でも、長嶋さんはテレビや球場で見ていたときと変わらず、とてもにこやかで、威圧感はまったく感じなかったですね。長嶋さんは現役時代から紳士的で、「いかにファンやお客さんを楽しませるか」を常に考えていた方です。決して偉ぶることなく、どんな相手でも平等に接してくださるんだなと思いました。

ご本人の口から語られる当時の思いとは……。

さらにインタビューでは、“孤独”と向き合っていたお話もしてくださいました。これまであまり語られることがなかった、現役時代の思いを聞くことができたと思います。

──それでは、最後に番組の見どころをどうぞ!

長嶋さんが現役を引退したことで「ひとつの時代が終わった」と報道されました。そこで今回は、長嶋さんご自身の思いにスポットを当てました。なぜどんなときでもにこやかでいられたのか、長嶋さんはファンのために陰でどんな努力をしてきたのか……本当のプロってなんだろう? と考えさせられる内容になっています。

どんな人物かは知らないという方に「長嶋さんはどこがすごいのか?」「なぜこんなに愛されているのか?」を伝えたいですし、そんな方にぜひ見ていただきたいですね。

誰にも見せなかった長嶋さんの個人練習をそばで見ていた方や、引退セレモニーに立ち会った選手たち。“ミスタージャイアンツ・長嶋茂雄”の引退の裏側にあった、関係者たちの思いが明らかになります。10月17日(火)放送の「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」どうぞお楽しみに!

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