ロバート・レッドフォードの隠れた名作2本立て!

普通の人々/ナチュラル ほか

11月20日(月)[BSプレミアム]後1:00
11月21日(火)[BSプレミアム]後1:00 ほか

プレミアムシネマ 11月の注目作品

今月は映画ファンの間で長年愛され続けてきた作品が揃いました。なんといってもスティーブン・キング原作の『ショーシャンクの空に』(1994)は、時間がたつほど人気が上昇、いまではアンケートを取るたびに『ローマの休日』(1953)や『風と共に去りぬ』(1939)と並んで上位にランクイン、と頼もしい。アメリカ映画のオールドファンは『駅馬車』(1939)、フランス映画好きの男性が愛してやまない『ヘッドライト』(1955)、映画音楽愛好家には『ひまわり』(1970)。

【放送日時】
プレミアムシネマ「駅馬車」
11月6日(月)[BSプレミアム]後1:00~2:37

プレミアムシネマ「ショーシャンクの空に」
11月6日(月)[BSプレミアム]後9:00~11:24

プレミアムシネマ「ひまわり」
11月13日(月)[BSプレミアム]後1:00~2:49

プレミアムシネマ「ヘッドライト」
11月15日(水)[BSプレミアム]後1:00~2:44

でも、その一方、地味で目立たないけれど、一度見たら忘れられなくなるのが今月ご紹介したい2本、ロバート・レッドフォードの『普通の人々』(1980)と『ナチュラル』(1984)です。

『普通の人々』はミネアポリスに住む38歳の主婦ジュディス・ゲストがはじめて書いて全米図書賞を受賞した大ベストセラー小説の映画化。レッドフォードの監督デビュー作になり、80年度(第53回)アカデミー賞の作品、監督、助演男優、脚色賞を受賞、当時ハリウッドを代表するスーパースターだったレッドフォードは初監督でアカデミー賞監督になってしまった。

助演男優賞を受賞した次男コンラッド役のティモシー・ハットンはのっぽで軽妙な演技が得意だったハリウッドの人気俳優ジム・ハットンの息子。レッドフォードは原作小説がまだ本になる前のゲラの段階で映画化の契約を済ませ、監督デビューのチャンスを待っていたそうだ。もともと本が好きな彼は『大統領の陰謀』(1976)の時もワシントンポスト紙の記者カール・バーンスタインとボブ・ウッドワードが書いた「すべて大統領の臣下」をゲラの段階で読み、自ら製作。クレジットの最初に名前の出るバーンスタイン役にダスティン・ホフマンを誘い、自分はボブ・ウッドワード役で映画化に乗り出した。ホフマンも自身で映画化を希望していたのだが、レッドフォードに先を越されて主演だけになったそうだ。

【放送日時】
プレミアムシネマ「普通の人々」
11月20日(月)[BSプレミアム]後1:00~3:05

『ナチュラル』は、今は亡き映画評論家の双葉十三郎さんが“とてもうれしいクラシック・ムードの野球映画”と書かれているが、野球ファンをうれしがらせるだけでなく、ヒーロー映画が好きな人にもぜひおすすめだ。

ピューリッツア賞受賞作家バーナード・マラマッドの小説を原作にした野球話。スカウトされて故郷ネブラスカから大都会シカゴに出てきた野球青年が思いがけない不運に遭遇、苦労を重ねた末にすてきな幸せを手に入れる。子供のころの落雷で裂けた木で手作りするバット作りのエピソードから、照明灯に大ホームランを打ち込む衝撃のシーンまで、温かな雰囲気の中に展開していくドラマはスリルとサスペンスもたっぷり。監督のバリー・レビンソンは1920~30年代の空気感をだすために窓からの逆光で人物をとらえたり、シルエットを利用したりしてノスタルジックなムードを盛り上げている。レッドフォードは大の野球好きで、大学は野球で奨学金をもらって進学の予定だったと言うだけに吹き替えなしで演じた。

今月はあまり見る機会のない隠れた名作の2本立てにご注目下さい。

【放送日時】
プレミアムシネマ「ナチュラル」
11月21日(火)[BSプレミアム]後1:00~3:19


【コラム執筆者】
渡辺祥子(わたなべ・さちこ)

共立女子大学文芸学部にて映画を中心とした芸術を専攻。卒業後は「映画ストーリー」編集部を経て、映画ライターに。現在フリーの映画評論家として、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等で活躍。映画関係者のインタビュー、取材なども多い。また映画にとどまらずブロードウェイの舞台やバレエなどにも造詣が深い。著書に「食欲的映画生活術」、「ハリウッド・スキャンダル」(共著)、「スクリーンの悪女」(監修)、「映画とたべもの」ほか。

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