年越しは「映画マラソン」であの名作を観よう!

七人の侍、タイタニック ほか

プレミアムシネマ12月の注目作品

大みそかの「年越し映画マラソン」は、この日の朝の『七人の侍』(1954)に始まる世界の人気監督・黒澤明特集でスタート。元旦には韓国映画『私の頭の中の消しゴム』(2004)でしみじみ気分に浸り、次に来るのが黒澤監督を師と仰ぐスティーブン・スピルバーグ監督の大ヒット『ジョーズ』(1975)。そして男性の圧倒的共感を得た『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)、女性の涙を絞った『タイタニック』(1997)と続いて、2018年は、やはり映画っておもしろい! というステキな気分で始まりそう。

「七人の侍」(1954)

【放送日時】
年越し映画マラソン「七人の侍」
12月31日(日)[BSプレミアム]前9:33~後1:01

年越し映画マラソン「私の頭の中の消しゴム」
1月1日(月)[BSプレミアム]前8:05~10:04

年越し映画マラソン「ジョーズ」
1月1日(月)[BSプレミアム]前10:04~後0:09

年越し映画マラソン「ニュー・シネマ・パラダイス」【インターナショナル版】デジタル・レストア・バージョン
1月1日(月)[BSプレミアム]後0:09~2:13

年越し映画マラソン「タイタニック」
1月1日(月)[BSプレミアム]後2:14~5:30

この「年越し映画マラソン」の前に放送されるのが黒澤監督の戦後第1作『わが青春に悔なし』(1946)と、スピルバーグ監督が黒人女性作家アリス・ウォーカーの小説を原作に映画化した『カラーパープル』(1985)。『カラーパープル』は第58回アカデミー賞で10部門11個の候補に挙がりながら、受賞ゼロの記録を作ってしまった。ライバルだったのはシドニー・ポラック監督の『愛と哀しみの果て』(1985)。こちらも11部門の候補で受賞は作品賞を含む7部門。

他の候補には黒澤監督の『乱』(1985)が監督、撮影、美術、衣装デザインの4部門で候補に挙がっていて、受賞は衣装デザイン賞のワダエミだけ。これは英語映画ではないので作品賞の対象にはならず、日仏合作で配給権を持つフランスが外国語映画賞部門へ応募しなかったため対象にはなっていなかった、というのが日本人には残念。

黒澤作品では、第48回アカデミー賞で『デルス・ウザーラ』(1975)が外国語映画賞を受賞しているが、こちらはソ連映画としての受賞だった。

「カラーパープル」(1985)

【放送日時】
プレミアムシネマ「カラーパープル」
12月15日(金)[BSプレミアム]後1:00~3:34

プレミアムシネマ「わが青春に悔なし」
12月18日(月)[BSプレミアム]後1:00~2:52

さて、今月の滅多に見られない珍しい映画はジョージ・キューカー監督の『フィラデルフィア物語』(1940)。これはブロードウェイで大ヒットしたフィリップ・バリー原作の舞台劇の映画化。再婚の日を迎えたヒロインのトレイシーをキャサリン・ヘプバーン、彼女に未練を残す前夫がケーリ-・グラント、トレイシーの再婚の取材に来る記者がジェームズ・スチュワートで、彼はこの役で第13回アカデミー賞の主演男優賞を受賞している。

舞台劇から映画になった『フィラデルフィア物語』は、56年にチャールズ・ウォルタース監督がミュージカル映画『上流社会』でリメイク。キャサリン・ヘプバーンに代わってグレース・ケリーがヒロイン役を演じてハリウッド映画への最後の出演になり、このあとモナコ公国の大公と結婚した。ミュージカルなので前夫役はビング・クロスビー、取材記者はフランク・シナトラ、というどちらもアメリカの国民的歌手が演じている。

またこの『上流社会』は1998年にブロードウェイ・ミュージカル化され、トレイシーのおしゃまな妹キャロライン役を演じた子役のアナ・ケンドリックは、トニー賞史上2番目に若い助演女優賞候補になった。アナはその直後に映画界入り。『マイレージ、マイライフ』(2009)でアカデミー助演女優賞候補になり、『イントゥ・ザ・ウッズ』(2014)のシンデレラや、『ピッチ・パーフェクト』シリーズ(2012~)のヒロイン役などで歌える女優として人気がある。フィリップ・バリーの戯曲は映画化され、ミュージカル映画になり、ミュージカルの舞台になってまたブロードウェイに戻って来たのだ。

「フィラデルフィア物語」(1940)

【放送日時】
プレミアムシネマ「フィラデルフィア物語」
12月13日(水)[BSプレミアム]後1:00~2:53


【コラム執筆者】
渡辺祥子(わたなべ・さちこ)

共立女子大学文芸学部にて映画を中心とした芸術を専攻。卒業後は「映画ストーリー」編集部を経て、映画ライターに。現在フリーの映画評論家として、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等で活躍。映画関係者のインタビュー、取材なども多い。また映画にとどまらずブロードウェイの舞台やバレエなどにも造詣が深い。著書に「食欲的映画生活術」、「ハリウッド・スキャンダル」(共著)、「スクリーンの悪女」(監修)、「映画とたべもの」ほか。

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