“死にざま” と “生きざま” を吉之助たちの心の中に

大河ドラマ「西郷(せご)どん」

吉之助たちの恩師・赤山靱負(あかやま・ゆきえ)の死。吉之助に多大な影響を与えた赤山の“生きざま”について、演じた沢村一樹さんにお話を伺いました。

個性を否定しないおおらかさがいい。

これは僕の解釈だけど、赤山靱負が先生として慕われた理由は、「個性を否定しない」ところにあるように思います。

もちろん当時の薩摩は、男はかく生きるべき、というのがドラマよりも厳しかったと思うけれど、いろんなタイプの人間がいるということには、今よりも社会全体が受け入れていたような気がするんですよね。そんな中でも、いっそう新しく柔軟な考えを持って生きていた人だと僕は思っています。

例えば吉之助にしても、ひとつ違えば変わり者だったかもしれないですよね。ウソも方便も知らずに、まっすぐにしか走れない人だから。だけどそれが人として大事なんだと赤山は感じていて、もっと伸ばしたいと思ったんでしょう。

赤山に切腹の命が下りて、教え子たちを集めて飲むシーンでも、色とりどりの彼らがいてくれるからこそ、ひと筋の光のようなものをそっと感じていたんじゃないでしょうか。吉之助にしても、正助にしても、成長途上にある彼らをものすごくまぶしく僕は感じていました。

鈴木亮平くんへの気持ちを、そこに乗せつつ。

当時の武士の死生観は、今とは全然違っていたんだろうとは思うんですよ。とはいえ、切腹とは無念で心残りだろうし、だけど赤山はそれを語らずして、未来を担う若者たちに背中で伝えたかったのかなと思うんです。僕にはとてもできないけれど。

切腹シーンと言うと、厳かな見どころのように感じるけれど、僕としてはものすごく痛そうに見えたらいいなと思いました。自ら命を絶つという心の痛みと、肉体を切るという体の痛み。一所懸命に格好よく見せようとしても苦しい、そんな生っぽさが伝わるといいなと思ったんです。そんな死にざまであり生きざまのようなものを、吉之助たちの心の中に残していくんだという思いです。

そこには、沢村一樹として、鈴木亮平くんへの“これから一年間がんばってね”という気持ちも含めて、その時を演じていました。

切腹して負けたとか終わったとかじゃなく、もしかしたら始まりなのかもしれないなと僕は思っています。赤山靱負という命は終わったけれど、彼らに託したここから、さぁ何が始まるんだろう?

2018年(平成30年)大河ドラマ「西郷せごどん」

【放送予定】毎週日曜[総合]後8:00 /[BSプレミアム]後6:00

▶番組ホームページ

取り上げた番組はこちらです!

検索 NHKサイトでもっと探す

関連記事

その他の注目記事