聞いたことある! という映画音楽がいっぱい♪

エデンの東  ほか【渡辺祥子のシネマ温故知新】

2月19日(月)[BSプレミアム]後1:00 ほか

プレミアムシネマ2月の注目作品

最近はミュージカルや一部のアニメ映画を除くと、心に残る映画音楽にはなかなか出会えない。かつてディズニー・アニメなどは、台詞の少なさを補うために歌を利用したことで『白雪姫』(1937)の主題歌「ハイ・ホー」「いつか王子様が」や、『ピノキオ』(1940)の主題歌「星に願いを」のようないつまでも歌い継がれるスタンダード曲が生まれている。印象的な曲が多い宮崎アニメの場合は、おそらく宮崎 駿監督が1950~60年代にあった映画音楽の全盛期を知っていて、自作にも心に残る音楽があることを求めているのではないか、という気がするのだが。

1955年9月30日、主役のジェームズ・ディーンが事故死してすぐに日本公開されたのが『エデンの東』(1955)。レナード・ローゼンマン作曲、ビクター・ヤング楽団演奏の「エデンの東のテーマ」が、圧倒的人気で当時多くのファンがいたラジオ番組のリクエストでたちまち1位になった。以後1年以上にわたって毎週1位を独占し続けた、というのは有名な話。

【放送日時】
プレミアムシネマ「エデンの東」
2月19日(月)[BSプレミアム]後1:00~2:59

ブロードウェイの大ヒット芝居をイギリスの名匠デビッド・リーンが監督して映画化した『旅情』(1955)の主題曲「サマー・タイム・イン・ヴェニス」も大ヒット。ここで大女優キャサリン・ヘプバーンの相手役をつとめたイタリア俳優ロッサノ・ブラッツィが歌ったレコードも発売されている。

同じころ、フランスで生まれたのがアンリ・ベルヌイユ監督の『ヘッドライト』(1955)。トラック運転士とレストランのウェイトレスの恋のやるせなさが日本の中年男性のハートをわし掴み。ジョセフ・コスマの書いた主題曲も大ヒットしている。

【放送日時】
プレミアムシネマ「旅情」
2月13日(火)[BSプレミアム]後1:00~2:41

プレミアムシネマ「ヘッドライト」
2月23日(金)[BSプレミアム]後1:00~2:44

いまでは監督としてのほうが有名(でもないか?)なクリント・イーストウッドがイタリアの監督セルジオ・レオーネに呼ばれて主演したのが『荒野の用心棒』(1964)。これは本場ハリウッドの西部劇とは一味違う暴力と刺激の強さの魅力で世界を席巻することになったが、ただ暴力的なだけでなく、そこに叙情性や詩情を生み出す大きな力になったのがエンニオ・モリコーネの音楽だった。クレジットされているドン・サヴィオ、レオ・ニコルズはいずれもモリコーネの別名。主題曲の「さすらいの口笛」とラストシーンに流れる曲はのちの語り草になるほど強烈な印象を残して映画音楽の代表的名曲になった。

【放送日時】
プレミアムシネマ「荒野の用心棒」
2月26日(月)[BSプレミアム]後1:00~2:41

時代が少し下り、ビットリオ・デ・シーカ監督、主演がソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニというイタリア映画の黄金トリオによって生まれたのが『ひまわり』(1970)。第2次大戦に出征した夫が戦争が終わっても帰国せず、妻が夏場のいまはひまわり畑になっているかつての戦場を訪ねてみたら思いがけないことが・・・という戦争の悲劇を描いたドラマ。音楽担当は『ピンクパンサー』や『ティファニーで朝食を』(1961)、TV『刑事コロンボ』のヘンリー・マンシーニ。

【放送日時】
プレミアムシネマ「ひまわり」
2月15日(木)[BSプレミアム]後1:00~2:49

ここにとり上げた曲はどれも映画音楽特集のときには欠くことのできない名曲揃い。今月はぜひドラマと共に映画音楽のたのしさを味わってください。

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渡辺祥子

【コラム執筆者】渡辺祥子(わたなべ・さちこ)さん

共立女子大学文芸学部にて映画を中心とした芸術を専攻。卒業後は「映画ストーリー」編集部を経て、映画ライターに。現在フリーの映画評論家として、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等で活躍。映画関係者のインタビュー、取材なども多い。また映画にとどまらずブロードウェイの舞台やバレエなどにも造詣が深い。著書に「食欲的映画生活術」、「ハリウッド・スキャンダル」(共著)、「スクリーンの悪女」(監修)、「映画とたべもの」ほか。

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