ここは宇宙? 湖の底にある原始の地球を撮影

南極 氷の下のタイムカプセル

2月24日(土)[BSプレミアム]後9:00

なぜ地球は生命あふれる星になったのか?

その答えが南極にあるといいます。実は南極には厚い氷に閉ざされた湖があり、その湖底には太古の地球に似た景色が広がっているそうです。

2月24日(土)放送の「南極 氷の下のタイムカプセル」では、その湖に世界で初めてテレビカメラが入り、超高精細8Kカメラでの撮影に成功しました。
一体、そこはどんな世界だったのか。筒井芳典ディレクターに話を聞きました!

いつまでたってもたどり着けない!

今回のロケは、撮影を始めるまでにとても時間がかかりました。南アフリカのケープタウンから拠点となる南極の基地まで飛行機で6時間、天候が悪かったのでそこで1週間待機し、スノーモービルで120キロメートル離れた撮影地のアンターセー湖まで12時間かけて行きました。湖に着いたのは日本を出発してから20日後でしたね。

南極に到着して驚いたのが、遠くのものが近くに見えること。南極って地球上で最も乾燥している場所の一つです。空気も澄んでいるので、実際の距離より近くに見えてしまうんですね。近くに見える山に向かって進んでも、なかなか到着しない……。

近くに見えるけど、進んでも進んでも山が全く近づいてこないそうです! 奥の山のふもとは6キロメートル先です

──荷物も多かったと思いますが、運ぶだけでも大変そうですね。

撮影機材だけでなく、生活用品もすべて用意していかなくてはならないので結構大変でした。今回はディレクター1人、潜水カメラマン3人、コーディネーター1人、そして海外の研究者5人で南極に行ったのですが、予備の機材や悪天候で帰りが遅れるリスクにも備えなくてはいけないので、日本チームの荷物だけで大きなトランク40個にもなりました。これでも必要最小限にとどめたんですけどね。

今回の撮影チーム&研究者たち。左下の赤い帽子をかぶっているのが筒井ディレクター

──氷の下の撮影はどのように行ったのですか?

アンターセー湖は人工的なものが何もありません。まずは湖の氷に穴を開けて飲み水を汲みあげたり、皆でご飯を食べる食堂のテントやトイレのテントを建ててベースキャンプをつくりました。これだけでも数日かかりましたね……。

その後、水中に潜る際の入口になる穴をあけました。氷の厚さは約3.5メートルあり、穴を開けるのに3日もかかるんですよ! ドリルで掘ってからそこに温水を通すパイプを入れ、4時間ごとに燃料を追加しながら熱で氷を溶かすんです。

これが3日かけて開けた穴。出入り口がここだけとは、ドキドキですね……

見たことがない青、まるで宇宙空間

──氷の下はどんな世界でしたか?

驚きました! 研究者の先生から事前に話を聞き、写真も見せてもらっていたのですが、やっぱり映像で見ると全然違いましたね。まず驚いたのが水の色。すっごく深いブルーのグラデーションなんですよ。カメラマンは世界中の海に潜っていますが、「こんな青は見たことがない」と驚いていました。

今回撮影した湖は厚い氷でフタをされた状態なので、太陽の様々な色の光の中でも青い光だけを通すんです。通常水面の波で水中がキラキラと光るのですが、ここは厚い氷のおかげでそういったきらめきもなく、色がずっと均一でした。さらに不純物の散乱とかもないので透明度がすごく高く、くっきりと遠くまで見えるんです。カメラマンいわく、宇宙を漂っていると錯覚してしまうような世界なんです。

湖の底には35億年前の地球

湖の底には不思議なコブが一面に広がっていました。そのコブはふわふわと柔らかく、触るとすぐ壊れてしまう。それがシアノバクテリアという太古の微生物の塊です。シアノバクテリアは地球に酸素を生み出した微生物で、シアノバクテリアだけの生態系は世界でもここだけでしかありません。すごく慎重に撮影しました。

このコブが、シアノバクテリアの塊。この光景が広がっているのは世界でもここだけ

──最後に、番組の見どころをお願いします。

シアノバクテリアの研究は太古の地球を知ることだけにとどまらず、実は地球外の生命の可能性にもつながる、すごくロマンのある話なんです。最近では、地球外生命が近々見つかるかもしれないと注目されています。

たとえば、木星や土星の衛星の表面は氷が覆っているんですけど、その下には海があることがわかっています。そこに行けば未知の生命がいるかもしれないと言われているのですが、今回撮影したアンターセー湖を研究することが、そのヒントになるかもしれないのです。

「地球上に残された最後の秘境を、最高の映像で撮っている」という自負はあるので、ご期待ください!

南極の氷の下にそんな豊かな世界が広がっていたんですね。ちなみにアンターセー湖の貴重な環境を守るため、取材班は、余計な菌や微生物を残さないよう、自分たちが出した排泄物も持ち帰ったそうですよ。

南極での生活と湖の青さを、ぜひ映像でご覧ください。

「南極 氷の下のタイムカプセル」

【放送予定】2月24日(土)[BSプレミアム]後9:00

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