「明日の天気は晴れです!」
…って実は彼女、すご〜く怖いんです

誘う女【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

2月17日(土)[BSプレミアム]前0:15(金曜深夜)

今回ご紹介するのは、ニコール・キッドマンが、怖~い女性を演じる「誘う女」(1995)です。

キッドマン演じるスザーンは、テレビに出て有名になりたいという野望をもつ女性。イタリア料理店で働くラリーと結婚し、地元のテレビ局のお天気キャスターとなったスザーンは、もっと有名になるには、夫が邪魔だと感じ、取材で出会った高校生たちを巧みに誘い、夫を殺害する計画を思いつきます。その結末は…。

大げさでエキセントリックなニコール・キッドマンを見よう!

野望のためには手段を選ばない女性を演じたキッドマンは、90年代は、夫だったトム・クルーズとの共演作で知られていましたが、「めぐりあう時間たち」(2002)でアカデミー主演女優賞を受賞、作家性の高い作品からエンターテインメントまで、幅広く活躍する現代最高の女優の一人です。この映画でも、大げさでエキセントリックのようでいて、計算しつくされた演技は絶賛され、ゴールデングローブ主演女優賞をはじめ、数々の映画賞を受賞しました。

夫のラリーを演じるのは、80年代を代表する青春スターのマット・ディロン。そして、ホアキン・フェニックス、ケイシー・アフレックといった、現在、大活躍中の俳優たちが高校生を演じ、カナダを代表する世界的映画監督デビッド・クローネンバーグが出演しているのも見どころです。

知性あふれるスタッフ・キャストが描く
シニカル&ブラックな大人のエンターテインメント作品

実話をもとにした小説を映画化したこの作品、あさはかな犯罪劇と現代社会の空虚さを鋭く描き、優れたエンターテインメントに仕上げたのは、ガス・ヴァン・サント監督をはじめ、知性あふれるスタッフ・キャストの力だと思います。

脚本のバック・ヘンリーは「卒業」(1967)や「天国から来たチャンピオン」(1978)など、コメディーを得意とし、俳優としても活躍する才人で、この映画でも、そのユーモアは健在です。

製作者のローラ・ジスキンは、ジュリア・ロバーツ主演の「プリティ・ウーマン」(1990)やサム・ライミ監督の「スパイダーマン」シリーズを大ヒットさせ、映画会社の社長として、テレンス・マリック監督の超大作「シン・レッド・ライン」(1998)や、公開当時物議をかもし、現在では90年代を代表する作品として高く評価されている「ファイト・クラブ」(1999)を世に送り出しました。ガンのため、61歳の若さで亡くなりましたが、アートとビジネスを両立させた映画を次々製作した、ハリウッドを代表する傑出した才覚の女性プロデューサーとして、今も多くの映画人から尊敬されています。

シニカルでブラックな大人のエンターテインメント、じっくりお楽しみください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「誘う女」
2月17日(土)[BSプレミアム]前0:15~2:02(金曜深夜)

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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