最後の最後に見せた素直な心

大河ドラマ「西郷(せご)どん」

西郷家の“不吉な嫁”・須賀を演じた橋本 愛さん。つたないながらも献身的な須賀の“愛”について、お話を伺いました。

能面みたいな嫁の本心って?

須賀さんはとても繊細で複雑な女性なので、本心と、表向きの表現のバランスが難しかったですね。表情や行動のウラに、どんな本心が隠されているのか? だけど、彼女のベースはとっても素直で正直な人だと思うんです。

第7回の「こげな愛想のなか嫁ですんもはん!」「笑おうと思っても笑えんとでございもす」というセリフが気になって、私なりにその理由を考えてみました。きっと子どものころに素直さから何かをしでかして、ものすごく怒られたんじゃないかって。そこから笑うことに後ろめたさを感じるようになって、うまく感情を表現できなくなった。とは言え、空気を読んで愛想笑いするような器用さもない……、そんなふうに理解しています。

だからこそ、なるべく正直でいようと思いました。満佐まささん(松坂慶子)のウナギを遠慮なく食べちゃったり(笑)、そこは悪気のない素直さというか、少しチャーミングに見えたらいいなぁと思います。

大変だったのは、いつも「能面」のような顔でいること。一度、撮影の合間にみなさんと談笑したあとに、撮影で表情が戻らなくなってそこは反省しました(笑)。

須賀の歩幅でゆっくりと、旦那さまにホレていたんだと思います。

旦那さまへの心が動いたのは、第8回で「おはんは不吉な嫁なんかじゃなか」と励ましてくれた瞬間ですね。この時、吉之助さんを格好いいと思ったし、この人といれば大丈夫だと思えました。第7回で吉兵衛さんから「ホレることが大事だ」と聞かされて、須賀さんなりに真摯しんしにその意味を受け止め、その上で吉之助さんの言葉を受けて、恋心が動いたんだろうなと思います。

旦那さまを演じる鈴木亮平さんは、優しくて誠実で力強いイメージを持っていたんですけど、実際お会いしてはるかに強くて大きなエネルギーを感じました。須賀として隣にいることがうれしかったです。そういえば、鈴木さんはスタッフの皆さんにあだ名をつけていて、私のことは「アイマックスって呼ぶね」って言ってもらったんですけど、そのあと一度も呼ばれなくてずっと「愛ちゃん」でした。

須賀がみせた最後の素直。愛もあれば、きっと弱さもある。

須賀さんが選んだ離縁という方法には、いろんな感情があるように思います。決して、手切れ金を持たせて旦那さまを江戸に行かせた、っていう美談だけじゃないと思うんですね。そこには、本当に好きになってきた旦那さまと離れる不安、貧しい生活に耐えられない須賀さんの弱さもあっただろうと思います。大きな愛だけじゃなく、格好悪さもきっと内在している。

感情は決して一面じゃないし、それが人間なんだろうと思います。だけど、最後の最後に見せた須賀さんの素直な心に、見ている方の気持ちが動くといいなぁと思います。

2018年(平成30年)大河ドラマ「西郷せごどん」

【放送予定】毎週日曜[総合]後8:00 /[BSプレミアム]後6:00

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