P・ニューマン×R・レッドフォード
アカデミー賞4部門受賞の傑作西部劇

明日に向って撃て!【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

3月6日(火)[BSプレミアム]後1:00

今回ご紹介するのは、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード共演の傑作西部劇「明日に向って撃て!」(1969)です。

ロバート・レッドフォードを大スターにした、出世作!

西部開拓史上にその名を知られた、ならず者ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド。銀行や列車の強盗を繰り返し、警察・鉄道会社の探偵から追われた2人は、南米ボリビアに向かい、生涯を終えたとされています。その実話に魅せられ、取材と執筆に10年近い歳月をかけて書きあげたウィリアム・ゴールドマンの脚本は映画会社で争奪戦となり、当時としては異例の高額となったということです。

口が達者なブッチを演じるニューマンと、すご腕の拳銃使いで無口なサンダンスを演じるレッドフォードは息もピッタリですが、当初はニューマンがサンダンス、ジャック・レモンがブッチを演じる案もあったということです。ブロードウェイでは評価されていたものの、映画ではそれほどの知名度ではなかったレッドフォードですが、ニューマン、ジョージ・ロイ・ヒル監督、脚本家のゴールドマン、さらにはニューマンの妻で名女優のジョアン・ウッドワードが強く推薦し、当初は乗り気でなかった映画会社社長のリチャード・D・ザナックも、撮影現場でのレッドフォードを見て、自分の誤りを反省したということです。
レッドフォードはこの作品で大スターとなり、ニューマンと意気投合、私生活でも良き友人となりました。この映画の撮影がいちばん楽しかったと語るレッドフォードは、自身が主宰する映画祭を「サンダンス映画祭」と名付け、若手映画人の発掘や育成を行っています。そして2人を愛する女性・エッタを演じるキャサリン・ロスの可憐かれんな美しさも印象的です。

青春を生きたブッチとサンダンスの数々の名場面が印象的

「マリアンの友だち」(1964)などで注目され、この作品を熱望したというジョージ・ロイ・ヒル監督は、音楽にポップスの名作曲家バート・バカラックを起用、随所にユーモアを盛り込み、スチール写真を巧みに使うなど、斬新で新鮮な演出が高く評価されました。名撮影監督コンラッド・L・ホールのセピア色を効果的に使ったリリカルな色彩も忘れられません。

B・J・トーマスの歌う「雨にぬれても」をバックに、ブッチとエッタが自転車に乗る場面、2人が川に飛び込む場面、ボリビアで懲りもせず銀行を襲撃するものの、ことばが通じず四苦八苦する場面など、数々の名場面がこの作品で生まれました。

時代に取り残され、それでも自分たちの青春を生きたブッチとサンダンスの結末は、何度見ても心が動かされます。ぜひご覧ください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「明日に向って撃て!」
3月6日(火)[BSプレミアム]後1:00〜2:52

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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