女性二人が火花を散らす!異色の西部劇

大砂塵

4月10日(火)[BSプレミアム]後1:00

アリゾナの鉱山町にやってきた流れ者のギター弾き、ジョニー・ギター。ジョニーは、かつての恋人で酒場を営むビエンナを訪ねますが、駅馬車の襲撃をめぐって、ビエンナは地主のエマと対立、町には緊張が高まります…。
今回ご紹介するのは西部劇の傑作「大砂塵」(1954)。ビクター・ヤング作曲、ペギー・リー作詞・歌の、哀愁漂う主題歌も広く知られています。

女性二人の火花を散らす対決は迫力満点!

ビエンナを演じるのは、ジョーン・クロフォード。スレンダーで大きな瞳のクロフォードはサイレント時代から活躍した大スターで、「ミルドレッド・ピアース」(1945)でアカデミー主演女優賞を受賞しました。エマを演じるマーセデス・マッケンブリッジは、ラジオドラマやブロードウェイで活躍、映画初出演の「オール・ザ・キングスメン」(1949)でアカデミー助演女優賞を受賞した名女優です。とりわけ、声の表現力は高く評価され、「エクソシスト」(1973)では、悪魔の声を担当するなど、晩年も数々の名演技で活躍しました。鮮やかな衣装に身を包んだクロフォードと漆黒の衣装のマッケンブリッジが火花を散らす対決は、今見ても迫力に満ちています。

ジョニーを演じるのはスターリング・ヘイドン。大柄な体格と深い声で、西部劇やフィルム・ノワールに出演しましたが、海をこよなく愛し、俳優活動を一時休止して、ヨットで暮らし、海洋小説を執筆するなど、繊細で教養あふれる人物だったということです。

ゴダールやトリュフォーが絶賛!

監督はニコラス・レイ。1911年生まれのレイは、建築を学んだあと映画界に入り、「夜の人々」(1948)で監督デビュー、西部劇、史劇、戦争映画、メロドラマと様々なジャンルを手がけ、卓抜な映像表現と、俳優から見事な演技を引き出す演出で、善悪では割り切れない複雑な登場人物、ジャンルの枠を逸脱するような展開の作品を次々作りました。「大砂塵」も、女性同士の対決が主軸という異色の西部劇で、ヌーベルバーグの映画作家、ジャン・リュック・ゴダールやフランソワ・トリュフォーが絶賛しています。

レイ監督は、晩年、アルコールやドラッグの問題を抱え、体調を崩しがちでしたが、大学で映画を講義し、若者たちを指導しました。教え子の一人は、「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(1984)などのジム・ジャームッシュ監督です。そして、学生たちとともに作りあげた前衛的な傑作「ウィ・キャント・ゴー・ホーム・アゲイン」を最後に67歳で亡くなりました。

何度見ても、語りつくせない魅力にあふれた西部劇、ぜひご覧ください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「大砂塵」
4月10日(火)[BSプレミアム]後1:00〜2:51

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