坂本龍一が涙した、厳しかった亡き父への思い

ファミリーヒストリー

4月23日(月)[総合]後7:30
4月27日(金)[総合]前0:55 <再放送>※木曜深夜

著名人の家族の歴史を徹底的にリサーチし、本人も知らない家族の秘話を紹介する「ファミリーヒストリー」。4月23日(月)放送のゲストは、坂本龍一さんです。音楽グループ・YMOとしてデビューして以来、多くの功績を残し、現在はニューヨークに活動拠点を移して活動を続けています。

今回番組では、坂本家の歴史を江戸時代までさかのぼりました。すると、劇場経営や元首相・池田勇人との交流など、父方母方ともに華やかなルーツが明らかに! 厳格な父と坂本龍一さんの、複雑な親子関係にも迫った内容となっています。

どんな内容になっているのか、棟方大介ディレクターにお話を聞いてきました!

 「どこを切っても普通じゃない」膨大な資料にうれしい悲鳴!

──今回、坂本龍一さんが出演を決めた理由は?

ニューヨークでインタビューをしたときに、出ていただけた理由を伺ったところ「父も母も亡くなって、もっと話しておけばよかったと思っていたので」とおっしゃっていました。

私は個人的にYMO時代からのファンでしたが、龍一さんはマスコミに対しては、あまりプライベートを話したがらない方という印象がありました。「ファミリーヒストリー」は家族のことをすべて“さらす”番組なので、「すごく出たい人」と「絶対に出たくない人」にわかれるんですよ。龍一さんは後者かと思っていたので、OKをいただけてうれしかったですね。

──坂本龍一さんのルーツを調べるうえで大変だったことは?

龍一さんのご家族は、ひとりひとりが何かしら功績をもつ方ばかりだったのもあって、多くの資料が残されており、それらを読み解く作業に苦労しました。昔の方の資料は見つからないことのほうが多いので、うれしい悲鳴です(笑)。

同時に、膨大な資料をVTRにまとめるため、削らなくてはいけない箇所も多くありました。今回は龍一さんの父・一亀かずきさん、父方の祖父・昇太郎さん、母方の祖父・弥一さんといった男性たちに焦点を当てていますが、母・敬子さんや母方の曽祖母も、当時の女性としてはとても先進的な活動をされていたんです。

司会の今田耕司さんも、「どこを切っても、普通じゃない」とコメントしていて、どのように編集するかは本当に悩みましたね。昨年春から取材をはじめて、VTRにまとめるまでは約1年かかりました……。

 強烈なルーツを持った、音楽家・坂本龍一の原点に迫る!

──父・一亀さんのお話が中心ということですが、どんな方だったのですか?

一亀さんは三島由紀夫の作品を手がけた伝説的な編集者、仕事でも家庭でもとても厳しい方だったようです。新人発掘に力を入れていた一亀さんの口癖は「バカヤロウ!」。龍一さんは大人になっても、怖くて目を合わせて会話ができなかったとおっしゃっていました。番組でもご紹介しますが、YMOとしてデビューして奇抜なファッションで活躍する龍一さんに対して「音楽で勝負せんか!」と叱ることもあったんだそうです。

──母・敬子さんはどんな方だったのですか?

番組ではほとんど触れられなかったのですが、お母様の敬子さんは帽子デザイナーという職業のせいか、とてもアーティスティック気質の方だったようです。龍一さんに3歳からピアノや作曲を学ばせ、子どもの感性を大切にした教育方針。VTRに幼少期の龍一さんの写真が出てきますが、着ているおしゃれな服は敬子さんの手づくりなんです。性格はおおらかで、一亀さんが怒っていても「はいはい、言わせておけばいいの」と受け流していたそうです(笑)。旦那に黙って従う当時の女性像ではなく、自立した現代的なタイプだったようです。

とても厳しい父親のもとで育った龍一さんが音楽の道へ、しかも若者たちが憧れるような音楽家になった背景には、敬子さんの影響もあるでしょうね。

父・一亀さんと母・敬子さん

──VTRを見たあと、坂本龍一さんからはどんな感想がありましたか?

「映像にまとめられなかった部分があるんでしょう? もっと聞かせてください」と言うほど、内容に興味を持ってくださいました。また、龍一さんはVTRを見て涙が出ないよう事前に“泣かない練習”をしていたそうですが、最後には「泣かされてしまいました」と言っていましたね(笑)。

龍一さんは、一亀さんが亡くなる前に大げんかをしてしまい、最後まできちんと和解できなかったそうです。もっと話したかったという後悔があったんですね。番組最後のコメントに龍一さんの思いがつまっていますので、ぜひ注目してください!

父が怖かったので、用事があるときは母を通して伝えていたそうです。

──最後に、今回の見どころを教えてください!

まず“音楽家・坂本龍一”の原点を知ることができます。一亀さんと敬子さん両家のルーツを持つのは、一人っ子である龍一さんだけ。番組を見ていただければ、こんなに強烈なルーツを持っていたら、そりゃ「世界のサカモト」になるな、と納得できるはずです。そして、「家族や自分の内面について語る坂本龍一」は、ほかの番組ではほぼ見られない貴重な姿だと思います。

また個人的に今回のキーワードは「父と息子」です。最後まできちんと向き合えなかった龍一さんと一亀さんのエピソードはもちろん、祖父・弥一さんも晩年まで親孝行をしていたそうです。父と息子の不器用ながら熱い関係は、男性にはグッとくるものがあるのか、司会の今田耕司さんも泣いていましたね。

一亀さんのような方が身近にいたら大変かもしれませんが、自分の信念を曲げずに生きられる人はなかなかいません。その点は龍一さんも「真似できない」とおっしゃっていましたので、一亀さんの生きざまはぜひ見ていただきたいです。一亀さんは、表舞台に出ず裏方に徹して生きた方なので、もしご本人がいたら「こんな番組つくって!バカヤロウ!」と怒られるかもしれませんが(笑)

番組では古い記録をたどり、江戸時代に住んでいた場所にまで迫ります! 三島由紀夫に池田勇人など、歴史上の人物も続々登場する今回の放送。“世界のサカモト”の強烈なルーツを、ぜひご覧ください。

「ファミリーヒストリー」

【再放送予定】4月27日(金)[総合]前0:55 ※木曜深夜

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