西郷のまっすぐさに思わず負けた

大河ドラマ「西郷(せご)どん」

とうとう将軍になる決意をした慶喜。決断に至るまでの心の機微を、一橋慶喜 役の松田翔太さんにお話を伺いました。

決めつけず、柔軟に、中園さんが描く慶喜像に乗ってみる。

今回、「ヒー様」と「慶喜」というふたつの顔がありますが、僕としては大きくキャラクターを変えず、ひとつのラインを保ちながらやっていますね。

この慶喜という人物は、現実的なタイプなんじゃないかと僕は思っています。身分は関係なく遊びにも行きたいし、ネガティブなことは好きじゃない。そして、当時の西洋が日本より進んでいることは理解していて脅威と感じていたんだろうし、だからこそ将軍になることに逃げ腰なのか、みずからの宿命から背きたいのか、争いごとが嫌いなのか……。

そこはまだ決めつけずに、西郷(鈴木亮平)たちと関わるなかでどう感情が変化するのかを、僕自身も探っているところです。

僕の周りをうろちょろ動いている西郷と橋本(風間俊介)に対しては、煙たいと思いながらも、意外と自分から呼び込んでいますからね(笑)。日頃、水戸の父だったり年上の大名たちと接することが多いなかで、どこか彼らに心を許して甘えているのかもしれないな、と。実際、ふたりのキャラクターに助けられて、わがままな殿様キャラを楽しませてもらってます。

計算のない西郷の心の熱さについつい揺さぶられる。

西郷しかり、演じる鈴木くんがすてきだなと思うのは、“ごく自然に熱い男”であることなんですよね。したたかに熱くしている感じがまったくしないから、例えば彼がごはんを食べておいしそうな顔をすると「あぁ、なんかいいな」って素直に思う。僕はわりと意識して、逆に熱さを冷ましているところがあるから、意識せずに熱くなれることはすごく憧れますね。

その感覚は役でも通じるところがあって、慶喜を暗殺しようとした男を西郷があやめた時、その亡骸なきがらに涙して「命は同じじゃ」と言う言葉を聞いて、ふと人間の原点に戻されたような感覚がありましたね。

そのまっすぐさに思わず負けたといいますか。それが、井伊いい直弼なおすけのもとへと向かわせたんだろうと思います。

井伊を目の前にして、決断せざるを得ない思いに。

井伊直弼を演じる佐野史郎さんとは、ここ最近連続してご一緒していることもあって、不思議なご縁を感じています。やっぱり佐野さんの集中力がバン!と空気を変えてくれるので、対立する側としてこちらもやりやすいです。

今回の対峙たいじするシーンは、あまりに井伊が冷静なので、井伊の目を見ながら、逆にこちらの思いが湧き立っていくところもあったりして。やはり侍と侍が相対するというのは、戦のようなものですからね。

目の前にいる難敵への攻撃として、「俺が将軍になろう!」と強く言い放つ表現が自然と生まれたように思います。

2018年(平成30年)大河ドラマ「西郷せごどん」

【放送予定】毎週日曜[総合]後8:00 /[BSプレミアム]後6:00

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