人間らしい家定の、優しさあふれる最期

大河ドラマ「西郷(せご)どん」

篤姫との穏やかな生活のさなか、突然の最期を迎えた徳川家定。「西郷どん」で描かれた家定像について、演じた又吉直樹さんにお話を伺いました。

根底に愛があって、すぐそばに死がある。

家定といえば、病弱でちょっと不思議な行動をとったりする奇人のイメージが強いですよね。だけど今回の脚本を読んでみると、その根底にはものすごい優しさや愛があって、家定を動かしている大きな力なんだなと思うんです。

ドラマでも描かれているけれど、動物に対して強い愛情を持っていて、そして「死」をものすごく恐れている。動物が死んでしまった時には、人間の死とまったく同じように悲しむんですよね。「命あるものはやがて死ぬ」という絶対的な法則を、僕らは日頃、つい忘れて行動する瞬間があるんですけど、家定は常に死が身近にあるように思います。だとしたら、生きていくこと自体が、相当つらいでしょうね。

現代人の僕らには理解できない、家定にしか分からない苦しみというものがあったんやろうな、って想像します。いつか自分も死ぬと分かっていても、それを突き詰めて考えると絶対に怖いものがある。家定という方は、きっとものすごく繊細で、ある意味、哲学的な生き方をしているような気がします。

笑ってしまうほどに、人間らしい。

僕はお芝居の経験がほとんどないので、ものすごく緊張感を持ってやってるんですけど、家定があまりにかわいらしくて、ちょっと笑ってしまう時があるんですよね。お殿さまのことをこんなふうに言ったらダメなんでしょうけど、人間としていいヤツやな、なんて。人間的なかわいらしさが僕にはすごく魅力に感じます。

周りから変わり者として扱われていることは、本人は意外と冷静に認識していると思うんですよ。だけど篤姫だけは、家定と一緒に何かを喜んでくれる存在だから、それがうれしいし、好きなんでしょうね。

例えば、篤姫と練習した通りの言葉をハリスに伝えられたことを自慢げに語って、「どうじゃ?」って聞くあたりとか。あまりに単純でストレートだけど気持ちが分かるし、人間らしくて僕はすごく好きです。近くで篤姫と目が合って、ついたじろいだりするんですけど、なんせ相手が北川景子さんなんで、僕は意識しなくてもちゃんと戸惑えました。

そして、自分の死の間際にあっても、「御台に食べさせてくれ」と柿の絵を残すわけです。この気持ちも、自分の欲求じゃなくて、相手への優しさだけですもんね。そうして死んでいくことが、家定らしいのかなと思ったりもします。

2018年(平成30年)大河ドラマ「西郷せごどん」

【放送予定】毎週日曜[総合]後8:00 /[BSプレミアム]後6:00

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