松田優作が蘇える! ハードボイルド映画の快作

蘇える金狼【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

5月26日(土)[BSプレミアム]前0:15(金曜深夜)

平凡なサラリーマンとして一流企業に勤めながら、夜はボクシングで身体を鍛え、犯罪に手を染めることもいとわず、あらゆる手段で会社をのっとろうと企む男・朝倉哲也。
今回ご紹介するのは、クライムアクション「蘇える金狼」(1979)です。

大藪春彦の小説を、主演・松田優作、監督・村川 透の名コンビで映画化!

主演は松田優作さん。1949年、山口県・下関市出身、長身で類まれな身体能力、低くとおる声、ユーモアが魅力的な、70年代、80年代の日本映画を代表するスターです。マイケル・ダグラスや高倉 健さんと共演した、リドリー・スコット監督のアクション大作「ブラック・レイン」(1989)での強烈な存在感が国際的にも注目された矢先、40歳の若さで亡くなってしまいましたが、不世出の俳優として、今も多くのファンから熱狂的に愛されています。この映画での主人公・朝倉は、まさに優作さんにピッタリです。

原作は大藪春彦さんが1960年代に発表した長編小説。アメリカのハードボイルド小説やクライム・ノベルから影響をうけ、鍛えあげた肉体を武器に、善悪をこえて権力にあらがい、野望を成し遂げようとする、タフで野性味あふれる主人公、即物的な暴力描写、車、銃、酒にステーキといったディテールの綿密な描写が印象的な大藪さんの小説は、昭和の高度経済成長の時代、馬車馬のように働いていたお父さんたちから大人のファンタジーとして広く支持されていました。その代表作ともいえるのが、この作品です。

共演者は、映画ファンなら思わず笑みのこぼれるクセのある名優ばかりです。
会社を私物化する、朝倉の上司や重役を演じる佐藤 慶さん、小池朝雄さん、成田三樹夫さん、草薙幸二郎さん、興信所の男をエキセントリックに演じる岸田 森さん、さらに、安部 徹さん、南原宏治さんに待田京介さん、アクションスターとして海外でも人気の高い千葉真一さん、女優では、真行寺君枝さん、結城しのぶさん、吉岡ひとみさん、中島ゆたかさん、そして、現在放送中の連続テレビ小説「半分、青い。」で、ヒロインの祖母と語りを担当している風吹ジュンさんが、朝倉の餌食になるヒロイン・京子を官能的に演じています。

松田さん主演の快作アクション3部作「最も危険な遊戯」(1978)「殺人遊戯」(1978)「処刑遊戯」(1979)をてがけた製作の黒澤 満さん、村川 透監督、撮影の仙元誠三さん、息の合ったチームが、この作品でも力を発揮しています。

70年代の東京の街並みをとらえたブルーの色彩の映像、絶妙なユーモア、テンポの良い展開の娯楽活劇をお楽しみください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「蘇える金狼」
5月26日(土)[BSプレミアム]前0:15〜2:27(金曜深夜)

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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