“一度死んだ男” を生き返らせたのは「愛」だった!

大河ドラマ「西郷(せご)どん」

“菊池源吾”として大島(今の奄美大島)に流された吉之助。そこで待っていたのはとぅまとの運命の出会いでした。5月20日放送の第19回「愛加那」で、ふたりは晴れて夫婦に。ふたりがひかれあい、結ばれるまでの心の変化、そしてこれからへの思いを、演じる鈴木亮平さん、二階堂ふみさんが語ります!

とぅま、代官所を破る!

いわれのない罪で代官所に捕縛されてしまったとぅまの伯父・龍 佐民(柄本 明)と兄・富堅(高橋 努)。とぅまは、止める吉之助を振り払い、燃えるたいまつを片手に代官所破りを決行…。命をかけたとぅまのあふれんばかりの感情が、吉之助の魂を揺さぶりました。

強さの内側にある、壊れそうなもろさ。そのままにぶつけたいと思いました。

とぅま 役・二階堂ふみさん

ここは、としてすごく男気あるシーンだと思います。命をかけた相当な覚悟を胸に、たいまつを手にして先頭をかけていく……。見るからに野性的なとぅまさんがいるんですけど、その中にある心のもろさ、女の子の気持ちをかいま見せられたらいいなと思いました。それを唯一、心引かれている西郷さんには見せてしまうんです。

とぅまさんは強い女性なんですけど、とってもかわいい女の子でもあるんです。私は演じながら、いつもその二面性を感じています。

鈴木さんは体も大きくて、心も大きくて、小さなとぅまは体も心も引き寄せられていくような感覚があります。しっかりと心を通わせながら、共鳴し合っていくふたりを表現できていることが、すごく幸せだなと思います。

しびれるような体の痛みは、とぅまさんの心の痛み、そのものか。

吉之助 役・鈴木亮平さん

この瞬間、はじめて吉之助さんはとぅまどんへの恋心に気づいたんだと思うんですよ。それは、重罪である代官所破りで彼女を失いそうになったから。

この島に来てから、吉之助がはじめて本気になった瞬間です。これまで、ドラマの吉之助は女性に対して常に真摯しんしだし、「どん」をつけて呼んでいましたが、この瞬間だけ「とぅま!」と呼び捨てになりました。

このシーン、とぅまさんが吉之助に向けてたいまつを振り回す、という演出プランもあったんですけど、ふみちゃんは「西郷さんの胸をたたきたい」って言ったんですよね。「信じられんど! 信じらん! 信じらん!」って、何度も何度も。その目にすごいパワーがあって、こっちの体が動かなくなるような感覚でした。

そして、「いつか薩摩に帰るなん(あなた)にシマンチュのこーろは分からん」と言われたことが、とてつもなくショックだった。この島で生きることを決める、スイッチになったと思います。

喜びの祝言、“愛加那あいかな”誕生!

「…愛はどうじゃ?」にぎやかな祝言のあとの、ふたりだけの時間。とぅまは「愛加那」という名を授かり、吉之助は名を捨て「菊池源吾」として生きる決意をしました。しかし、あふれんばかりの幸せの陰には…。

幸せになればなるほど、心は切ない。背中あわせのいとおしさと不安。

とぅま 役・二階堂ふみさん

「旦那さま、わんなーをつけてくりしょり」
「島ぬ女子や、嫁に行くと名ぬ変わりょんど。名の下に『加那かな』ちつけて呼びます」。

このシーンのセリフは、何十回でも言いたいくらい、すてきな言葉が並んでいるんです。きっと、島に暮らすとぅまさんにとって、愛する人から名前をもらうことはものすごく憧れだったんだろうなと思います。現代の女の子がウエディングドレスに憧れるのと同じような。

幸せのピークがここにあると同時に、言葉にできない切なさもありました。この人と一緒にいられる時間はきっと永遠には続かない、ということをどこかで悟っている。ここで流した愛加那の涙は、愛にあふれる幸せの涙でもあり、この人と向き合って生きることへの覚悟の涙でもあり、そして、どれだけの時間を一緒に過ごせるんだろう?という不安の涙でもあったと思います。

実は、悲しい未来へのカウントダウンが始まった瞬間、なのかもしれないですね。

「おいは菊池源吾として、こん島で生きる」心のままにたどりついた、新たな生き方。

吉之助 役・鈴木亮平さん

この当時の島では、相手の名前を知ったり、自分の名前を教えるということはとても大きな意味を持つと聞きました。

とぅまさんに「愛加那」という名前を与えるこのシーンが、僕は好きです。「とぅまかな」は気に入らないけど、「愛加那」はすてきっていうところがいいですよね。おそるおそる「愛はどうじゃ?」って提案したら、ものすごく喜んでくれる彼女がいてほっとする。心からいとおしい愛加那さんがそこにいました。

そして、愛加那さんに名前を与えると同時に、吉之助は名前を捨てます。ここから「菊池源吾」という人格がくっきり形をなしていく。武士として生きる価値がないと痛感した吉之助さんにとって、この島の人たちと共に、この島のために生きたいという思いはごく自然な感情だったように思います。

薩摩に置いてきた西郷吉之助、この島で生きようとする菊池源吾……一体、今の自分はどちらなのか? 自分を示す「名前」が、物語のカギを握ることになるような気がします。

2018年(平成30年)大河ドラマ「西郷せごどん」

【放送予定】毎週日曜[総合]後8:00 /[BSプレミアム]後6:00

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