あぜん&笑える!痛快スポーツコメディーの傑作

スラップ・ショット【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

5月30日(水)[BSプレミアム]後1:00

万年最下位のアイスホッケーチーム・チーフス。選手兼コーチのレジーは解散を覚悟しますが、新メンバーのハンソン兄弟の荒っぽいプレーが評判になり、人気が急上昇。レジーはチーフスを暴れ者チームに変身させ、連戦連勝していきますが……。
今回ご紹介するのは「スラップ・ショット」(1977)。痛快スポーツコメディーの傑作です。

ポール・ニューマンが “最も” 気に入っている映画!

レジーを演じるのは、当時50代前半のポール・ニューマン。アメリカ映画を代表するスーパースターであり、演技派の俳優・監督であり、さまざまなチャリティー活動や、レーサーとしても活躍、演技への真摯しんしな姿勢と、誠実な人柄は、亡くなって10年が経った今も、多くの人から尊敬されています。抜群の運動神経で見事なスケーティングを見せるニューマン、自分の作品のなかで、最も気に入っているのがこの映画だと語っています。

強烈なのは、メガネをかけ、一見サエない感じなのですが、氷上では凶暴なプレーを連発するハンソン3兄弟。演じるジェフとスティーブのカールソン兄弟と、デビッド・ハンソンはプロのホッケー選手です。ちなみにカールソン兄弟は実際に3兄弟で、もう一人、ジャックも出演はしていませんがホッケー選手で、実際にラフプレーで知られた彼らをモデルに、ハンソン兄弟が創作されたということです。デビッドによると、ハンソン兄弟のプレーは、ほとんどがアドリブだということです。3人は、この映画で人気者になり、25年後に製作された続編でもハンソン兄弟を演じ、今も多くのファンから愛されています。

笑わせながらも、負け組人間たちの心意気を鮮やかに描いたのはジョージ・ロイ・ヒル監督。「明日に向って撃て!」(1969)、「スティング」(1973)、「スローターハウス5」(1972)など、数々の名作をてがけた名匠です。オリジナル脚本を書いたのはナンシー・ダウド。女性というのがおもしろいところです。ナンシーは、ホッケー選手で弟のネッド(この映画では、これまた凶暴な選手・オグルソープを演じていますが、キャストがケガをしないよう、スタント・コーディネーター、技術顧問も務めています)から話を聞き、ドキュメンタリーを製作しようとしていましたが、ロイ・ヒル監督から、コメディー映画にした方がおもしろくなると説得されたということです。

あぜんとし、思わず笑ってしまうクライマックスは、その後、多くの映画などに影響を与えました。アメリカ映画ならではのコメディーを存分にお楽しみください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「スラップ・ショット」
5月30日(水)[BSプレミアム]後1:00〜3:04

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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